中林 友美

コロナ禍で大きく変わった葬儀をめぐるあれこれ

こんにちは!

FP相談ねっと認定FPの中林友美です。

コロナ禍で大きく変わった葬儀をめぐるあれこれ

日本では2020年1月から大きく報道されるようになった新型コロナウィルス感染症。

2年以上が経過し、新しい生活様式が定着する中で、それぞれが「正しく恐れる」こととの折り合いをつけながら生活しています。

私は長らく医療現場で看護師として働いていた経験上、たくさんのがん患者さんたちを見送ってきたり、また父親もがんで亡くした経験もあり、葬儀について常に関心を持ってきました。

このコラムでは、

コロナ禍で大きく変わった葬儀をめぐるあれこれ

についてお話しします。

本コラムは2022年6月19日(日)21時からのClubhouseとの連動企画です。

タイムリーに聞けない方もアーカイブが残りますので、もしよろしければお時間がある時にお聞きください(下の画像をクリックするとclubhouseの内容が聞けます)。

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コロナ禍は今までの葬儀の慣習を否応なしに変えた側面もあります。

葬儀の種類とは?

葬儀には、いくつか種類があります。ここで改めて説明しましょう。

一般葬

私たちが一般的に「葬儀」と聞いて思い浮かべる形式のものです。

通夜と葬儀・告別式、火葬までを2日間で執り行うお葬式で、参列者は家族、親戚のほかに友人・知人、地域の方、職場関係の方など面識のない方々が参列する可能性もあります。たくさんの方に故人を見送ってほしいという想いから選ばれるのが一般葬です。

家族葬

家族葬は、通夜と葬儀・告別式、火葬までを2日間で執り行うお葬式であることは一般葬とほとんど変わりありませんが、参列者が家族、親族や故人の縁の深い方(一部の友人や会社・趣味の仲間など)のみという点が大きく違います。訃報を伝えていない方や面識のない方々の参列は控えてもらうことが一般的です。

一日葬

一日葬は、通夜を省き、葬儀・告別式と火葬を一日で行うお葬式です。家族葬とは違い、参列者に制限はないことが一般的です。

直葬・火葬式

近年、急激に増えている葬儀の形態で、通夜、葬儀・告別式を行わず火葬のみを行うものです。宗教儀式を行わないことが多いですが、僧侶を呼ぶことも可能です。

当日、火葬場に集合し、火葬炉の前で5分から10分程度のお別れを行い、解散するというものです。

火葬は死後24時間経過した後に行わなければならない

亡くなってから24時間経過しないと火葬できないという法律上の決まり(下記参照)があるため、亡くなった病院や施設からすぐに火葬場に行くということは出来ません。

ですから、ご遺体はいったん遺体安置所などで保管をしなければなりません。年末年始や火葬所の混雑事情などにもよるため、直葬・火葬式だからと言って費用が抑えられるとは一概には言えないようです。

墓地、埋葬等に関する法律 (昭和二十三年法律 第四十八号)

第二章 埋葬、火葬及び改葬

第三条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。

以上のように、葬儀には大きく分けて4つの形式があります。

コロナ禍の葬儀で激変したことは?

葬儀に関するさまざまな情報に関するポータルサイト「いい葬儀」(運営:株式会社鎌倉新書)が行った第5回お葬式に関する全国調査(2022年)( www.e-sogi.com/guide/46028/ )の調査結果が大変興味深い内容です。早速見ていきましょう。

一般葬から家族葬へ

コロナ前は約半数が一般葬で行われていた葬儀が、コロナ禍では家族葬が半数以上となりました。それだけでなく、直葬・火葬式が2倍に増え、一日葬も増えています。

これは、感染拡大や非常事態宣言発令に伴い、密集・密接を避けるため、故人を偲び参列のお礼とお清めで行われていた通夜振る舞いや精進落としなどが行われなくなったことから、葬儀が小規模化したことが影響しているのではないでしょうか。

コロナ禍の葬儀は、家族や親族だけで執り行う家族葬が主流になったと言えるでしょう。

もしコロナ禍でなかったら・・・

一方で、もしコロナ禍でなかったとしたら行いたかった葬儀の種類を尋ねた結果がこちらです。

この結果を見ると、本来は一般葬を希望していたがやむなく家族葬に変更したという心情が見て取れます。

葬儀の種類別の参列人数の変化

コロナ禍では一般葬、家族葬、一日葬の参列人数は減少していますが、直葬・火葬式の参列人数は増加しています。コロナ禍のため短時間で終わる葬儀として直葬・火葬式が選ばれても、故人とのお別れをしたいと思う参列者が多かったのではないでしょうか。

葬儀の平均価格は?

コロナ禍は葬儀に係る費用も大きく下げました。2013年からほぼ横ばいだった価格が、70万以上下がりました。

参列者の減少により、斎場・祭壇が小規模になったことから基本料金が67.8万円(△51.4万円)、感染防止の一環で形式が変化した飲食費が20.1万円(△11.3万円)、注文数が減ったため返礼品が22.8万円(△11万円)となり、過去最少となりました。

お布施などの費用は大きな変化なし

コロナ禍で葬儀の種類は変化しましたが、お布施など宗教家へのお礼は平均22.4万円(△1.3万円)で微減で相場は特に変動していないそうです。

香典の受取額は激減

受け取った香典の金額は47.2万円(△23.9万円)と激減しています。香典の相場はある程度決まっていることから、参列者数の減少が主な要因のようです。

火葬場の立ち会い・収骨は最少人数で

葬儀では、密接・密集の回避ができていれば基本的に参列人数に制限はありませんが、火葬場では人数制限が設けられていることが多い現状があります。

緊急事態宣言下では、10名程度(僧侶も含めた人数)と言われており、家族・親族であっても火葬の立ち合いや収骨することが許可されないケースが多々ありました。緊急事態宣言が解除されたのちは、20名程度は許可されているところもありますが、火葬場のホームページには「できる限り最少人数で」という但し書きが書かれていることも多いため、以前のように故人を送ることができていないというのが現状です。

葬儀は1回しかできないから…

葬儀会社の方に伺ったところ、「結婚式は何度でもやり直しがきくけれど(苦笑)、葬儀は1回しかできないものです。できるだけ後悔しないように前もって準備したり、考えたりしておく必要があります」とのことでした。

私たちも葬儀をめぐるあれこれに、引き続き関心を持っていきたいと思います!

「70代の親をもつFP研究会」 とclubhouseの連動企画

毎月第1・第3日曜日の21時から30分間、かしましFPの3名でお送りしているclubhouseの番組「かしましFPのチアアップ♪ルーム」では、「70代の親をもつFP研究会」と連動して「親が将来困らないためにこれだけは聞いておきたい質問」や「親に切り出すタイミングや上手な切り出し方」とその質問をする理由など、子世代の目線でお伝えしています。

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