森次 美尊

ファンドラップ(ラップ口座)って何?『後編』

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

ファンドラップ(ラップ口座)というものを、なぜ金融庁が注意喚起しているのか?ですが、
シンプルに言うと手数料が高いということです。

ファンドラップは手数料が高すぎる‼

大前提として、インターネットを使ってご自身で証券口座を開設して、そこで投資信託を買います、
ということができれば、購入手数料等が不要なので手数料は一番安いです。

そのようなことが自分ではできないという人は担当者がいた方が良いので、
担当者がいると投資信託を買う時には、通常購入手数料がかかります。
中には例外もありますが基本的にはかかります。

さらに、どうせだったらその担当者にお金を預けて、売り買いもやってもらいましょう、
というのがファンドトラップで、これらはどれがお得なんだという話です。

計算してみました。
仮に、300万円というお金で投資信託を買うとします。

ご自身で開設~投資信託の購入までを行う場合

インターネットサイトを使って、ご自身で申し込みして購入する場合、
ノーロードと言われる購入手数料がかからない、つまり3.3%がかからず300万円まるまる買い付けできます。

300万円を30年間7%で運用されたとすると、2284万円です。

つまり、ご自身でインターネットサイトで申し込んで300万円投資信託を買って、ずっと7%で運用されたとすると、
30年後には2284万円になります。

担当者をつけた場合

担当者をつけた場合、購入手数料として300万円の3.3%、これは内税なので9万5837円が引かれます。
購入手数料で9万5000円くらい引かれるので、実際は290万円くらいで買い付けてくれることになります。

290万円を30年間7%で運用されたとすると、2211万円です。

ご自身で行う場合と担当者をつけた場合の差額は大体73万円ぐらいです。
73万円を30年で割算すると2万4000円、12ヵ月で割算すると2000円です。

月額2000円で担当者をつけるか、担当者をつけずに全部自分でやるか。

制度もいろいろ変わりますし、出口戦略でそろそろ解約した方がいいのかなとか、
リーマンショックのようなものが起こった時にどうしたら良いの、ほったらかして大丈夫とか、
いろいろな不安が30年間あると思います。

このような時に、いろいろな質問をでき、安心できる担当者がいて、
それに対して月に2000円ぐらい取られるということです。

担当者がいるので、7%の手数料分を取り戻すくらいの良い商品を進めて頂いて、
7%以上の利回りが出るというのが一番の理想です。

ファンドラップの場合

次にファンドラップの場合です。
金融庁のレポートでは毎年大体0.7%ほどコストが高くなっていると言っています。

300万円を30年間運用する場合、同じように7%で運用されたとした場合、
0.7%が引かれるので6.3%で計算します。
この場合、30年後の額は1876万円です。

先ほどの金額との差は335万円です。

担当者を付けた場合、入口は290万円で買付額は少ないですが、
毎年毎年のパンチがとても大きいことがわかります。

この335万円をどう考えるかです。

335万円を出してでも、いろんな投資信託を売り買いしてもらった方が利回りも良くなるから、
絶対ファンドラップの方がいいよって思える人は良いです。
ただ、残念ながら過去の実績を見た時にファンドラップにしたから利回りが良いかというと、
そんなことはありませんでした。

ファンドラップにしたからといって必ず利回りが良いという訳ではない

ただ、金融庁も全体の話をしているだけで、
中にはとても信頼できる担当者がいて、
その人が売り買いしたら明らかに過去の実績的にパフォーマンスが平均より上がっているというのであれば、
その価値はあるかもしれません。

ただ30年間置いた時、7%ぐらいで運用できれば330万円くらいの差は出る、ということは事実です。

担当者を付けない場合は、300万円を7%で運用できるので、
これとは408万円くらいの差が出るので、月にすると1万1000円の差です。
つまり、ご自身でインターネットサイトで投資信託を買うのではなく、
担当者にお金を預けて売り買いしてもらうと、手数料で月1万1000円ぐらいかかってきます。

担当者を付ける場合は月2000円くらいなので、大体5倍くらいの差があります。
同じ担当者をつけるだけでも、ちょっと高額になるイメージかなというところです。

ファンドラップはどうなのかということを、僕なりの見解でまとめます。
注意点が3つあると思っています。

ファンドラップの3つの注意点‼

❶商品力

まず1つ目は、商品力です。

インターネットサイトとか、IFAと言われる証券仲介業という人たちは、
いろいろな証券会社と提携していて、扱える投資信託の商品はかなり多いです。
一方、ファンドラップの場合はどこかの証券会社とかどこかの銀行とか、
そのグループの中の商品しか扱えないことがかなり多いです。
ですので、商品がかなり限定された中で売り買いされるかもしれません。
もしかすると、その中には売りたい商品を入れられるっていう可能性もあるということです。
必ずそうだっていうことではありませんが、その可能性はあるということです。

❷売り買いが正義ではない

次に2つ目は、以前にこのコラムでもお伝えしましたが、
売り買い売り買いした方が最終的にちゃんと増えるのかどうかという話です。
売り買いせずに結局長く置いている方が増えてるという事例がいっぱいあります。

なぜかと言うと、例えば世の中が不景気になって株価が下がったとします。
このリスクを減らすために、債権と呼ばれる安全資産の比率を高く持っていって、株は売っていくというように、
リバランスを取るということをやります。

ただ、株価は下がったとしても投資信託でいろんな企業の株を買っているから、
紙切れにはならない可能性が高いわけです。
逆に言えば、株価が下がっている時、積み立てでやっていればたくさん買えるチャンスです。
一括でやっている人も、たくさん買えるチャンスです。
そして一括で買っている人も放っておけば、いつか戻ってくるだろうという右肩上がりが投資の前提なので、
わざわざリバランスをかけなくても、放っておけばまた上がるわけなので、
株の方が過去の実績を見た時に、債権よりも上がり幅って強いわけです。

放っておけばいいのに下がった時に債権という上がりにくいものに変えてしまうと、
上がる力はなくなっていきます。
リバランスをかけるとその時々で見たらより下がりにくくなるのかもしれませんが、
長期運用という目的を先に決めているのであれば、放ったらかしにする方が
変にリバランスをかけるよりはやっぱり資産って増えるんじゃないの、
この売り買いが本当に正義なんですか、というところをまず見極めないといけません。

❸担当者がつくことのリターン

そして3つ目は、担当者です。
その担当者がつくことでそれだけのリターンが生み出せるのか、ということです。

上にも書いたように、あくまでも金融庁が出している過去の実績的には、
それだけの手数料をラップ口座で取ったとてしても、結局そういう手数料を取っていないものと比べて、
運用で負けてるみたいなこと言っいます。

皆さんが進められてる、そのラップ口座、そこの過去の実績はラップ口座でないものに比べて、
そのコスト分以上のパフォーマンスがちゃんと出せているのか、ここを見極めた方が良いということです。

ただ、最後にお伝えしておくと、手数料が全て悪だという風に世の中は流れていますが、僕はそうは思いません。

例えば、インデックスファンドの方が手数料が安いから、アクティブの方が良いっていう人がいますが、
アクティブファンドは何千という数があって、この中には優れたものもあれば優れていないものもあります。
確かに手数料は高いですが、インデックスに負けているものがたくさんあるのも事実です。
その一方で、インデックスより勝っている優秀なものもあるので、
一括りに全部ダメだというのは違うと思います。

なので、確かに手数料は高いんですが、あなたが進められてるファンドラップ、
その担当者、その証券会社なり銀行は、そこにお金をコストをかけるだけの価値があるのか、
ここを見極めていただきたいと思います。

手数料が高い・安いではなく
コストを掛けるだけの価値があるのか⁉
そこを見極めて、効率よく資産運用を‼

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日のコラムはこちらのYouTube動画でご案内しています。


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