森次 美尊

バランス型投資信託・GPIFに物申す!リスクとの上手な付き合い方は世界株!?

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

投資信託について、このコラムではずっと世界株の一択だと書いてきました。

投資信託というのは、簡単に言うとフルーツバスケットのようなパッケージ化された商品のことです。
その中にいろいろなものを買ってくるわけです。
株を買ったり、債券を買ったり、それが外国のものだったり、日本のものだったり、いろいろ選べるわけです。
それをあらかじめファンドマネージャーが売り買いしてくれます。
ほったらかしにしておいても、決められたルールに基づいて売り買いしておいてくれます。

この売り買いでパッケージ化されたものを持っているということです、
だから自分の投資哲学に基づいた大好きな投資信託というのは、
一番最新の、その時すごく元気で将来性のある、自分の好きな企業をたくさん買い込んでくれています。
中身を変えていってくれるので、ほったらかしにしておいても、一番旬なものを常に持っておけます。
これが投資信託の価値です。

この決められたルールに基づいて買うわけですが、
ウチは世界の株買います、ウチは日本の株を買います、
世界の債券を買います、日本の債券を買います、
いやいやそういうのを全て組み合わせて買います、とかいろいろあるわけです。

例えば過去200年間くらいの歴史を見た時、株価は数百万倍になっています。
でも債券は数百倍にしかなっていません。
その代わり債券は上がり下がりしていません。
株価は上がり下がりしています。

株を買うということは企業のオーナーになるわけなので、責任は一緒です。
だから企業の利益が増えた時は株価も増えた時、企業の利益が減った時は株価も減った時。
債券というのは簡単に言うと借用証書、借金みたいなもので、借金は返さないといけないため安定しています。
その代わり利息くらいしかもらえないので、債券はローリスク・ローリターンと言われています。

まずここでポイントなのが、
投資信託を選んだ時点でいろいろなものをたくさん買い付けているので、紙切れにはなりません。
あの企業も、あの企業も、買い付けた企業が全て潰れるということはありえません。
紙切れにならない可能性のあるリスク、紙切れになるかもしれない可能性のあるリスク。
同じリスクでも全く質が違います。

1個の企業しか買わなければ紙切れになるかもしれません。
紙切れになる可能性があるのであれば、債券を組み込んだ方が良いです。
ただ、ポートフォリオで自分の資産として投資信託を買いますとなった時点で、
紙切れにはならないので、わざわざそのリスクを避けるのではなく、
リスクを受け入れてしまった方が良い、ということが世界株一択と言っている僕の考えです。

というのは世界経済は右肩上がりにずっと成長してきました。
人口もどんどん増えています。
みんな豊かになろうとして、いろいろなものを発明しています。
そして発明された便利なものをみんなが欲しいと言います。

昔ガラケーは数万円で買えました。
今iphoneを買おうと思うと、何十万円が必要です。
でも買います。便利だから。

このようにどんどん世界経済は成長するわけです。

これからもこの成長の営みは止まらないでしょう、
世界経済は成長するでしょうと思っているから投資をするわけです。
これが右肩下がりに下がると思っていたら、投資はしない方が良いかもしれません。
投資をせずに現金で持っておく方が良いかもしれません。

投資をしている時点で右肩上がりに成長する、これはまず理解しておかないといけません。
そしてどれだけ下がっても紙切れにはならないということがわかっていれば、
下がったとしてもどこかで戻るということです。
ということは、基本はほったらかしにすれば良いということです。
下がったとしてもほっておいたらいつか戻るので、それで良いですよね。

例えばボールペンを買ったとして、その企業の株価が下がったとしても、ボールペンの価格が下がっているだけで
このボールペンはなくなっていません。
今、このボールペンの価格は下がっているけど、1本のボールペンはちゃんとあるのでそのうち元の価格に戻る。
この理屈で考えると、世界株で良くないですか?っていうのが1つ。

さらに積立でやっていると、株価が下がった時は株がたくさん買えるということです。
このボールペン、100円で買ったのに今は50円で売っている、ラッキーということです。
つまり株価が下がっている時は、ラッキーモードです。
同じ値段でたくさんのボールペンが手に入ります。

そのうち価格が戻ってきたら、大爆発です。
価格が下がった時にたくさんの口数を買えて、価格が戻った時はこの掛け算が起こる。
とても有利です。

つまり、リスクは受け入れた方がいい。
株価が下がるのは悪いことではない
という考えに基づいていると、
多少上がり下がりしても、しっかりと成長している世界株で良いということです。
海外の国々も日本も全部世界の中に入っているので、場所の選定はしなくても良くて、世界で良い。

以上から、債券を持つ理由はありますか?
株の一択で良いですよね?
世界株で良いですよね?
ということを、これまでもずっとお伝えしてきました。

さらに説明すると、バランス型という外国の株、日本の株、外国の債券、日本の債券、
これらを4分割してバランスよく持ちましょうといった考え方があります。
このバランス型という投資信託人気があります。

バランス型というのは常にバランスをキープしようとします。
例えばこの数年で言うと、外国株は大きく伸びてきています。
最初、同じように4分割で買ったとしても、中の時価総額の一部だけ大きく値上がりしている状態。
違う種類のボールペンを買ったのに、ある1本のボールペンだけ大きく値上がりしたという状態です。
この時、4分割のバランスがおかしくなっています。
1本ずつしか持ってなかったはずなのに、1本のボールペンの値段が上がっていっているから、
元々4分割された25%を持っていたけど、そのひとつが40%ぐらいになり、その他が20%、20%、20%の状態。

すると、バランス型の考え方では、せっかく大きくなって増えたものの一部を売ります。
売って、他のものに補填していきます。
少なくなった方を買い足して、大きくなった方を売る。
そうすることで常に25%のバランスをキープしますよということをやります。

この割合は、25・25・25・25%とか、30・30・20・20%とか、40・40・10・10%とかというは最初に決められています。
この決められたバランスを常にキープしようとするわけです。

どこかが大きく増えた時、増えるのは良いことで持ち続ければ良いのに、それをわざわざ消すわけです。
消して増えていないところにに補填します。

なぜかというと、リスクがあるから。
そのように一時的に上がった調子の良いものを、自分の手にすることはやめたほうが良い。
いつかこれは下がる、その時のために安全な方に回しておく、ということを考えるわけです。

さらに下がった時も株を一気に売り、債券をあえて買い増ししておきます。
そうすることで守りに入るわけです。

一応お聞きします。
1本100円のボールペンがあります。
そのボールペンが50円に下がった時に売りたいですか?
200円になった時に売りたくないですか?
え?なんで下がった時に売るの?と思うかもしれませんが、
バランス型の考え方では、そのタイミングで売るのです。

「値段が下がった!50円になった。もっと下がって10円になるかもしれない。
 今のうちに売っておこう」
となって売るわけです。
そして、その時値段が下がっていない消しゴムのようなものをたくさん買っておくわけです。

何度も言いますが、ボールペン1本は1本です。
ということは下がったとしても我慢していれば、元の価格に戻るのです。

バランス型というものは、そのようなことをやっています。
なぜでしょうか?
答えは一つです。

リスクという言葉が一人歩きをして、リスクは良くないものなんだと全員が思っているからです。
そのように思っているからリスクが少ないですと言った商品の方が売れるのです。

今、AIが株価が下がった時に勝手に株を外してくれて、
債券の方に回して下がり幅を少なくします、ということをしてくれるものがあります。
その下がり幅は受け入れた方が良いのに、リスクは少ない方が良いという理由でこのような行動を取ってしまう。

バランス型というのは、結局何をしてるのかというと、
下がった時の大きなチャンスを取りこぼしているし、
上がった時の大きなチャンスを抑え込んでいるということ。

そうまでして何がしたいかというと、リスクを取らないようにしているということ。

一番最初に書いた、リスクというものは投資信託にした時点で、
そもそも紙切れにはならないはずなのに、
それがわからない人は、リスクがある、紙切れになる可能性がある、損するかもしれない、
そのように考え、そのマイナス面をケアするような商品が出来上がってしまっています。
そのような商品があること自体が、リスクを感じさせてしまう要因だと思っていましたが、
もうひとつ理由があるのではないか、ということを思い付きましたので、今回それをお伝えします。

例えば我々の年金はGPIFというところが管理、運用を行っていて、
まさにその4分割で買っています。
(GPIF:Government Pension Investment Fund、日本の年金積立金管理運用独立行政法人)

外国株、日本株、外国債券、日本債券、全部を25%ずつ買っています。
きっちり4分割をキープしています。
それでも、過去2001年から運用利回り4.47で回っています。
優秀です。
年金は減るとか言われてますが4.47で回していて、だいたい162兆円ぐらい増やしています。
とても優秀なのですが、念のためお伝えすると世界株は7%で回っています。

つまり、やっぱり世界株で良くないでしょうか?という話なのですが、
それでも4.47で回っている。
我々の年金というのは日本の超優秀な人たちが、
人のお金を運用するために考えに考え抜いて運用しています。

バランス型に合わせておこうという理論の人はいるかもしれませんが、
これには政治が働いている面もあるはずです。
GPIFには天下りとかあるかもしれません。
半分は日本の株を買っているし、日本の債券も買っている。
やっぱり日本の企業有利にしている面もありそうです。
その点は投資家として見ると、政治的要素が強すぎるのではないか、と思います。

そして、GPIFもバランス型も全て決算というものがあります。
1年間でこうなりましたみたいなことを発表するわけです。

お金を運用するファンドマネージャーたちは、
この1年間であなたはどれだけの成績を出したの?、
どれだけのリスクを出したの?ということを評価されます。

つまりお客さんは長期かもしれないけど、運用してる人達にとっては長期ではないのです。
短期的に出世したりクビになったり、給料が上がったり下がったりするわけです。
そのように評価されるわけです。

リスクは長期的に見た時には受け入れた方が良いと分かっていたとしても、
短期的に見て自分の評価に繋がるから下がらない方が良いですよね、
という考えはあるのではないかということです。

これはどうしようもないことです。
この人たちも仕事なので、そこで成績を出して転職してキャリアアップしたいということを考えていたとしたら、
やっぱり下がり局面に強い下がらないものを選んだ方が評価されます。

だけど、皆さんにとっては決算なんてありません。
皆さんの人生に終わりはないのです。

いつか死ぬかもしれませんが、1年ごとではないのです。

皆さんの運用は最初に決めた目的地までずっと持っていくのです。
ここの違いをちゃんと見極めた方が良いと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日のコラムはこちらのYouTube動画でご案内してます。


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