こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!
「会社で勧められた『持ち株』についてどう思いますか?」
この質問をよく受けるので本日は会社で勧められた
『持ち株』を老後の資産形成という視点でどう考えればよいのかというお話をさせていただきます。
『持ち株』という制度
制度はその会社によって違うのですが、スタンダードなのは、会社の株を従業員が毎月給与天引きで買い付けていくことができます。
その際の特典として、自身の買い付け金額に会社が1割上乗せして買い付けてくれます。
例えば、従業員が毎月給与から1万円を持ち株の積み立てに回すと、1割の1000円を会社が上乗せして、毎月1.1万円ずつ会社の株を買い付け積み立てていくことができます。
メリット
メリットはまず1割上乗せでの買い付けができるということ。
そして、従業員が頑張って会社で価値を生み出し続けて会社が成長すれば、自身が保有する会社の株価も上がっていくので、仕事に対するやりがいもあがり、従業員の仕事に対するモチベーションアップにも繋がります。
デメリット
逆にデメリットは、3つ考えられます。
1.一つの企業が数十年も生き残り続ける可能性はかなり少なく、企業生存率は10年で72%、20〜50年で見たら55%と言われています。
仮にM&Aや吸収合併や倒産してしまったら、その企業の株は紙切れになってしまうリスクもあります。
仮に100回に1回落ちるジェットコースターには乗りたくないですよね?
もしその資産を老後の資産形成の充てにするのであれば、数十年の期間、運用するということになります。
そのぶん紙切れになってしまう可能性もあがります。
大切な老後の資産が紙切れになってしまったら困りますよね?
老後の資産形成は決して紙切れにしてはいけないというのが鉄則です。
であるならば投資信託のように数十社に分散して紙切れになるリスクをまず回避できる方が安心です。
2.万が一にでも会社が倒産してしまったら、持ち株に積み立てていた資産を失うだけでなく、仕事も失ってしまいます。
会社の業績が悪くボーナスがカットされたり給料が下がったとき、持ち株の資産価値も下がっている可能性があります。
万が一の時にこそ、今まで積み立てていた資産を使いたいのに、自分の資産と給料を同じ場所に置いておくということは、それができなくなってしまいます。
僕のお客さまで、長く持ち株を積み立て1000万円ぐらいの資産価値になっていたのですが、会社が吸収合併され、持ち株も退職金も一瞬でなくなってしまった方がいます。
さすがにこれだと老後の資産形成という観点で見ればリスクが高すぎます。
3.会社によっては、持ち株の残高で予算のノルマを決められている場合があったり、会社の上司が持ち株の担当者になっていて、暗黙の忖度のようなものが働いている場合があります。
もし会社で上司に勧められて断りにくい空気を感じたのであれば、それは途中で辞めたり、売却して現金化もしにくい空気であることが想定されます。
つまり、かなり流動性を失うということです。
つまり、そのような忖度を少しでも感じるのであれば、使いたいときに現金化できない資産であるということ、流動性の低い資産を積み上げているということです。
まとめ
持ち株を老後の資産形成という観点から損得で考えたら、たしかに1割の上乗せは美味しいが、かなりのリスクを取り、流動性を失う資産と言えます。
つまり、かなりのハイリスクハイリターンな資産だと言えます、
会社の上司が数十年持ち株を積み立てほったらかしにしていたら、数倍になったという話を聞くかもしれませんが、それは世界経済全体が成長してきたからであり、投資信託であっても数十年積み立てていたら同じような成果は上がっていた可能性が高いのです。
資産が数倍になった大きな理由は、1割上乗せでも、その会社の持ち株がすごいのでもなく、シンプルに数十年持ち続けたという『時間』が理由です。
最後に
資産形成において最も大切なのは、「目的」です。
その積み立てを何の目的でするのでしょうか?
その目的が老後の資産形成なのであれば、あまりにもリスクが高すぎる資産であると言えます。
もっといえば、老後の資産形成の先には「安心した未来を迎えたい」とか「子供たちに迷惑をかけないような老後を送りたい」とか「老後は年に一回ぐらい旅行に行けるような生活を手に入れたい」といった自身の描く未来の目的があるはずです。
まずは、そんな未来のビジョンを描き、その未来を迎えるために今の資産をどのように振り分ければ一番その未来にたどり着けるのかを考える必要があります。
今の余剰資金を投資にまわすことで、描いた未来に近づけるイメージが湧けば、未来の不安はなくなっているか、少なくとも不安に飲み込まれないようになります。
恐れベースの「○○しなければいけない」投資から、願いベースの「○○したい」投資にシフトできれば、より選択した投資に価値が生まれます。
逆にいえば、老後の資産形成はちゃんと投資信託などで準備し、それとは別に会社で働くことのモチベーションアップのためにという目的であれば、「持ち株」を選択しても良いと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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