森次 美尊

手書きライフプランを作ってみようシリーズ!第二弾「年金を計算してみよう」

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

今日は、前回から始まった「手書きライフプランを作ってみよう」シリーズの第二弾!
ということで、続きのお話をしていきたいと思います。

前回の記事はこちらからご確認ください。
   ↓ ↓ ↓

前回、何をしたかというと、
ファーストステップとして「自分の収入を書いていきましょう」ということで、
現在の収入を書き込み、年齢につれ、収入が減っていったり、老後の年金生活のお話までしました。
このグラフにご自身の年齢を書き込む。ここまでがファーストステップです。



次にセカンドステップとして、「年金を計算しましょう」ということで、
「老齢基礎年金」と「厚生年金」の2階構造からなる『年金』のうち、
1階部分の「老齢基礎年金」について、みんな大体、月額65,000円くらいもらえるよ、とお話しました。

さあ、今日はサードステップ「2階部分の厚生年金のお話」をしていきたいと思います。

厚生年金なんですが、とにかくこの計算式を覚えてください。

年収 × 0.55% × 勤続年数 ÷ 12か月

このシリーズでお伝えしたいのは
夫婦で『お金の日』というのを作って、ご家庭で年に1回くらい、老後の資産形成や
この先収入と支出がどうなっていくのかなど、お金のことをきっちり考えていただきたい。
その計画を立てるために、「手書きライフプラン」を簡単に作っていただき、
何回も何回も作り直して計算しなおしていく。
この作業を繰り返して頂くのが目的です。

なので、きっちり円単位まで正確に計算をする必要は全くありません。
なんとなく概算が分かればいいんです。
年金制度も、いろいろ変わっていっていますが、
今日はそれを大枠で子育て世代の方に当てはめた概算の計算でいきたいと思います。
もう一度書きます。覚えてください。

年収 × 0.55% × 勤続年数 ÷ 12か月

正確にはここも”標準報酬月額”という「年金定期便」に載っている数字を使ったり、
ボーナスの部分とかも月割りで計算したり、そういったことをやるんですが、ここは概算で大丈夫です。

では、実際やってみましょう。

例)夫=年収500万円・20歳から60歳までずっと働いて勤続年数40年間の人
  妻=専業主婦


500万円 × 0.55% × 40年間 ÷ 12か月 = 91,666円

これがこの方がもらえる「厚生年金」になります。
毎月91,666円、約92,000円くらいを年金として受け取れます。
老齢基礎年金のベース部分は65,000円の固定というお話はしました。
なので、92,000円の厚生年金と65,000円の老齢基礎年金を合わせたものが
老後のご主人の年金だよ、ということですね。

すると、この夫婦で言うと、
夫=65,000円(老齢基礎年金)+92,000円(厚生年金)
妻=65,000円(老齢基礎年金)

2人分の合計が222,000円/月ということになります。
これが夫婦2人分の老後の年金生活の収入だってことになります。
こんな風に計算していくんですね。

とは言え、実際はこうはいきません。
ずっと年収500万円でいくってことはないですよね。
給料って変わってきますよね。
じゃあ、どういう風に計算したらいいの?なんですが、ここも概算でOKです。


例えば、
23歳で就職=初任給で年収350万円
今40歳で年収500万円
じゃあ、最終どのくらいまで年収が上がるのか?
大体60歳ごろには700万円程度まで上がるかな?とざっくり取っちゃって大丈夫です。
こんな風に上がっていくのなら、平均を取りましょう
(350万円 + 700万円)÷ 2 = 525万円

ということで、この場合、この方は平均年収525万円で、23歳から60歳までの37年間ですね。

525万円 × 0.55% × 37年間 ÷ 12か月 = 89.000円

この方は老後、毎月89,000円を受け取れます。

あと、60歳から65歳までの最後5年間の計算もしましょう。
この間に、どれだけ年収が減るのか。
会社勤めされてたら、嘱託扱いだとどの程度減るのかな?って大体分かりますよね。
2割なのか3割なのか。よくあるのは、ピーク時から大体4割くらい減る感じですね。
それで計算すると、この方ピーク時が700万円ありましたから、
700万円の4割減で420万円ですね。
なので、420万円で5年間働いたっていうのを加算するので、

420万円 × 0.55% × 5年間 ÷ 12か月 = 9,600円

約1万円が、先ほどの金額89,000円に加算されるイメージです。
ということは、この方99,000円の厚生年金がもらえます。
老齢基礎年金65,000円 + 厚生年金99,000円 =164,000円

この方の老後もらえる年金は毎月164,000円になる、ということですね。

こんな風に計算していただいたら、いいんじゃないかな、と思います。

例えば、途中で転職した場合なども考え方は同じです。
最初の10年間の平均年収が400万円、
転職後の30年間は平均年収が500万円の場合、

(400万円 × 0.55% × 10年間)
+(500万円 × 0.55% × 30年間)÷12ヵ月

という計算ですね。

こんな風に、ブロックごとに分けて計算していくといいと思います。



ここで、一気にこの計算を省ける裏技を2つご紹介します。

1つ目は、「年金定期便を見よう!」というやり方です。
「年金定期便」とは、50歳になるまで、皆さんの誕生月になると毎年届くものです。
50歳になるまでは、”年金をいくらもらえるか”が記載されているのではなく、
それまでの実績が記載されています。

例えば、現在40歳の方であれば、働き始めてから40歳の今現在までの実績が
どの程度積みあがっているか、ということが記載されています。
つまり、過去から現在までの計算はしてくれているので、
今現在から退職するまでの未来の部分の計算をするだけでよい、となりますね。

「初任給いくらだったか忘れちゃった。」
「転職いっぱいしたから、もういろいろ忘れてる。」

そんな方でも「年金定期便」を見れば、そういった”厚生年金”の部分が一発で出てくるわけです。
”厚生年金”の部分が年払いで記載されていますので、12か月で割って月額を確認してみてください。
例えば、あなたの実績が40万円ですよ、と出てきた場合、
12か月で割ると、33,000円となります。

40万円 ÷ 12か月 = 約33,000円

つまり、現時点までのステージであなたが貰える”厚生年金”が33,000円だと分かるわけです。

そして現在から未来の計算として、
40歳から退職する60歳までの20年間
(平均600万円 × 0.55% × 20年間 ÷ 12か月 =約55,000円)
60歳から嘱託扱いの65歳までの5年間
(平均420万円 × 0.55% × 5年間 ÷ 12か月 =約10,000円)

つまり、
33,000円 + 55,000円 + 10,000円 =98,000円(老後の厚生年金額)
となりますね。この過去の実績部分が「年金定期便」で分かります。

そして裏技の2つ目、「年金ネット」
「年金定期便」には『年金ネット』というインターネットサイトへの入り方、
このアクセスキーが記載されています。
このアクセスキーを使って『年金ネット』に入っていただくと、
なんとここには”恐怖のボタン”があるんです。。。

これ何かって言うと、
あなたの年金、老後にいくらもらえるよっていう
試算をしてくれるんです!

めっちゃ怖いんですが、めちゃくちゃ簡単ですよね!
計算を一気に省けます。

なので、これで簡単に60歳の退職までこのまま働いたらどうなるか、
試算が出ますので、最後の5年間だけ嘱託扱いとして働くのかどうかなど、
ご自身で計算していただければいいと思います。
もし、最後5年間嘱託扱いとして働くということであれば、ざっくり計算して月々1万円程度増えるな、となれば、『年金ネット』で出てきた数字に1万円だけ足していただければOKですね。

こういった裏技を使っていただいてもいいので、
とにかく夫婦2人とも計算していただいて、自分たちの年金を出していただく。
是非この計算をやっていただきたいな、と思っております。

最後に、注意点!!
年収が高い人、大体1000万円を超えてくる人は要注意です。


この社会保険制度というのは、給料天引きで給料に応じて引かれていきます。
だんだん給料が上がると、天引きされる金額もどんどん大きくなるわけです。
ところが、ある一定のところで、天引きされる金額が同じになるんです。
それが月々の収入でいうと65万円
この月収65万円というのが、『標準報酬月額』という1番上のラインとなり、
それ以上の収入がある方、例えば月収100万円あるという方でも
月収65万円から上は取られている社会保険料が一緒になるので、
老後貰える年金も一緒になる、ということなんです。

なので、この計算式は、実際の年収ではなく、月収65万円まで抑え込んで
計算しないといけないということになりますね。

更にボーナスがあるよっていう方は、ボーナスにも上限が決まっていて、
上限は150万円となっています。

例えば、ボーナスが夏と冬の年2回あるよ、という場合、
150万円 × 2回 =300万円
これがボーナスの上限金額(=300万円)になります。


そして、月収のMAXが65万円なので、
月収65万円 × 12か月 =年収780万円

つまり、
月収上限の12か月分:780万円
+(ボーナス上限:150万円×2)
=年収上限1080万円

という風に、1千万円を超えてくると、月収いくらか、ボーナスいくらか、
というのを分けて考えていただいて、
それがもし、月収65万円以上とか、ボーナス1回150万円以上とか
上限をオーバーしている場合、それぞれの上限額に落として計算し直していただく必要があるんですね。
いくらたくさん貰っているからと言っても、老後の年金は変わらないよ
ということなので、年収1千万円以上の方はちょっと注意してくださいね。

さあ、これで厚生年金が出ました。
老齢基礎年金と足していただいたら、ご自分の年金が分かりますよね。
いよいよ次回は、これを実際ライフプランに書き入れていって、
そしていくらぐらいお金を使うのか、これが分かれば老後のマイナスが分かります。

次回も楽しみにお待ちくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございます。



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