こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
今日は、前回から始まった「手書きライフプランを作ってみよう」シリーズの第三弾!
ということで、続きのお話をしていきたいと思います。
前回までの記事はこちらからご確認ください。
↓ ↓ ↓
第一弾では、一生涯の収入の変化の様子を書き入れていきました。
第二弾では、年金計算をやりましたね。
老後に貰える「老齢基礎年金」と「厚生年金」がいくらになるのか、という概算の計算をしました。
今日も前回までと同様の以下の条件でお話していきます。
・夫婦2人
・奥さんは老齢基礎年金のみ 月々65,000円
・ご主人は老齢基礎年金(65,000円)+厚生年金(90,000円)
合わせて 月々155,000円
この2人のパターンを第一弾で作成した「見取り図」に書き入れていきます。
皆さんは、ご自分の年金計算をして書き入れていってください。
ここで少しおさらいしましょう。
【設定】ご主人40歳、奥さん35歳、5歳差のご夫婦
●ご主人65歳の時点で、奥さんはまだ60歳なので、年金受給はご主人のみ
※年金受給は65歳からです。
●ご主人65歳~70歳までの5年間はご主人1人分の年金受給
●ご主人70歳の時点で、奥さんが65歳になるので、ここから2人分の年金受給
●寿命の設定は以前の「2000万円問題」より、奥さんの没年齢を95歳に設定
※一般論として、女性の寿命が男性の平均寿命よりも6年ほど長いと言われています。
●ご主人の没年齢を89歳に設定
※奥さんの没年齢(95歳)ー6歳=89歳
●ご主人70歳~89歳までの19年間は夫婦2人分の年金受給
●ご主人が亡くなってからは「遺族年金」で、奥さんが1人で生きていく期間
≪ステージ①≫ご主人1人分の年金
≪ステージ②≫夫婦2人分の年金
≪ステージ③≫奥さん1人の遺族年金
この3つのステージに分かれていくんでしたよね。
ではここに、自分たちの年金を実際に書き入れていきましょう。
≪ステージ②≫の期間は2人分の年金になるので、
155,000円(夫)+65,000円(妻)=220,000円
これ、一番シンプルですね。
ちなみに国がいう「2000万円問題」というのは
65歳からいっせーのーで!で2人とも年金をもらい始める、つまり同い年の夫婦で、
さらに、いっせーのーで!で95歳で亡くなりましたっていうパターンを計算しています。
なので、年金は夫婦2人でずっと22万円もらっているよ、という計算なんですね。
ただ、実際には年齢差もありますし、平均寿命が違いますから、
こんな感じでちょっとずれてくる前後があるわけです。
では、≪ステージ①≫はどうでしょう?
ここはご主人の年金だけなんで、155,000円だけですね。
ただ、ここには『家族手当』みたいな特典が付くんです!
年齢差があるときって、ご主人だけ年金をもらい始めても奥さんがもらってなかったら、
生活がかなりキツくなりますよね。
なので、奥さんが年金をもらい始めるまでの間、『加給年金』を足してくれるんです。
それが約32,000円足してくれます。
なので、155,000円+32,000円=187,000円
この≪ステージ①≫の期間はずっと、この金額を毎月もらっていくんだ、という風に思ってください。
この「32,000円」というのは、どこから来たの?という話なんですけど、
もう覚えちゃってください。
今の子育て世代の方々の年齢でいくと、もうこれが決まっています。
”年齢差があって、ご主人が年金貰い始めました、奥さんはまだもらってないです。”
という状況であれば『加給年金は32,000円』
ただし、奥さんの年収が850万円以上あれば、この加給年金はありません。
奥さんの年収が850万円以内で、ご主人が20年以上厚生年金をかけていた人であれば、
加給年金32,000円ついてきます。
最後に≪ステージ③≫遺族年金です。
奥さん1人の老齢基礎年金は65,000円だけですよね。
そこに『遺族年金』というのを足してくれるんです。
この『遺族年金』というのは、ご主人の年金の2階部分(厚生年金)=9万円の4分の3がもらえます。
90,000円 × 4分の3 =67,500円
奥さん自身の老齢基礎年金があって、
奥さん本人の2階部分がない場合、ご主人の2階部分の厚生年金をくれるんです。
ただここは4分の3に減らしてからくれるよっていう、こういう感じです。
これが遺族年金です。
ご自分の厚生年金があるという人もいますよね。
奥さんの厚生年金が元々ある人は、ご主人の厚生年金の4分の3と比較した時に
ちょっと多くなってる部分がもらえるわけです。
なので、2階部分って、基本どっちかしか持てないと思っていただいたらいいと思います。
その内の多い方がもらえるんだって、こういう概算で捉えてもいいと思います。
正確には多い部分がちょっと足されるって、こんなイメージになります。
老齢基礎年金のベースの1階部分は固定で65,000円でもらえて、
2階部分はどっちか多い方もらう、というイメージでいいかなと思います。
それで合わせると
65,000円 + 67,500円 = 132,500円
まとめると、
ステージ①187,000円
ステージ②220,000円
ステージ③132,500円
これが老後のこのご夫婦の収入です。
さあ、これに対して出ていくお金。
36万円という数字を引っ張ってきました。
これ、何の数字かというと生命保険文化センターが出した
老後夫婦2人でゆとりのある生活をするには、このぐらい必要なんだよっていう数字なんです。
いろんなところがいろんな数字を出しているので、一番フィット感のあるものを使ってください。
僕がポイントにしてるのは、老後の計算をするときに、
生活水準というのは甘く見積もらない方がいいよってことです。
例えば、缶ジュースって今、1本130円ですよね。
昔、缶ジュース1本100円のとき、ありましたよね?
こんな風に物の値段ってどんどん上がっていってるんです。
つまり、今の老人が仮に20万円の生活をしていたとして、
この同じ生活をしたい、同じものを買って同じものを食べたい、と思っても
自分たちが老後を迎える20年後には、当然ですが物の値段が上がってるんです。
20万円だったものが、25万円出さないといけないよって時代が来てるわけです。
こんな風に物価上昇ってしていくんです。
ただそれに対して年金はどうでしょうか?
年金って、物価が上がったら、本来は一緒に上がっていかないとおかしいんですけど、
これを今はある程度抑制していってるんです。
抑制することで、将来の年金の財源を確保しに行くという、
「マクロ経済スライド」という制度があるので、
今後物価はどんどん上昇していくけど、年金がここに寄り添わなかったら、
結構キツくなっていきますよね。
こんな風な制度も始まっているので、老後の年金計算をするときに、
決して甘く見積もらない方がいいってことなんです。
我々プロが現場では、この物価上昇率も計算していきます。
なので、皆さんは家庭でざっくりシミュレーションして、将来の目標設定をしてしください。
将来の目標設定なんで、甘く見積もったら意味がないですよね。
ある程度の目標値として、この36万円を出しました。
この36万円でずっと2人でいくんですが、最後奥さんが1人になったときはどうなるのか?
36万円の半分で18万円でいいのか?っていうと、違います。
光熱費とか、1人でも同じようにかかるお金もありますよね。
なので、ここは0.7がけくらいの、大体25万円ぐらいはかかるよ、ということになります。
では、今までしてきた年金計算をもとに、収入と支出の差額を計算してみましょう。
≪ステージ①≫
187,000円 ー 360,000円 =ー173,000円
赤字173,000円 × 12か月 × 5年間 =1038万円
≪ステージ②≫
220,000円 ー 360,000円 =ー140,000円
赤字140,000円 × 12か月 × 19年間 =3192万円
≪ステージ③≫
132,500円 ー 250,000円 =ー119,500円
赤字119,500円 × 12か月 × 11年間 =1577万円
【赤字合計】
1038万 + 3192万 + 1577万 =5804万円
(ステージ①) (ステージ②) (ステージ③)
これ、なかなか大変ですよね。
こうやって物価上昇とかを計算に入れて、少しゆとりのある生活を目指すと、
2000万円問題なんて、ハッキリ言って全く追い付かないような数字になるっていうことが、
多々あります。
でも、重要なのは、今まだ40歳なんです!
まだ何十年先の話なんです。
今からだったら、いくらでも手は打てますね。
いくらでも手は打てるんで、目をそらさずにしっかりと、
自分たちのビジョンを作っていただくということです。
この現在地と目標設定をすることで、さあいよいよ自分たちは何をすればいいんだって
いうふうになっていくわけですよね。
このシリーズも残りあと少し!
学費や退職金などの部分も「見取り図」に書き入れていきますよ。
もう少し頑張って勉強していただけたらなっていうふうに思っています。
次回も是非ご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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