森次 美尊

ESG投資って?流行り?ホンモノ?

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

今日は、「今こそESG投資について語りたい!」ということで、
最近流行りの『ESG投資』について解説していきます。

実は、過去に僕自身が「ESG投資ってこんなんだよ」って紹介もしてるんですよ。
ただ、今この言葉が流行り過ぎて、一人歩きしちゃって、
ちょっとおかしな方向に行ってるな、というのを感じます。

なので、僕的にこの『ESG投資』というものが、
そもそもお勧めなのかどうか。
なぜこれがお勧めできるのか。
なぜダメなのか。

こんなことも踏まえて、この『ESG投資』について、しっかりと語っていきたいな、と思います。

ESG投資

投資信託っていうのは、簡単に言うとフルーツバスケットみたいなものです。
あなたのバスケットの中に、いろんなフルーツを取ってくるわけです。
ブドウとかイチゴとか、リンゴとか。
これがいろんな企業の株だとしましょう。

このパッケージ化された株を取ってくる=株を買う、わけですよね。
その買い方として、

インデックスファンド

これは市場全体、全部まとめて買うというイメージ。
しかも大きな企業はたくさん買って、小さな企業はちょっとだけ買う。
そうすることで、全体の指数が出ますよね。
この全体の指数に寄り添うように投資するんです。
なので、本当にいい意味でも悪い意味でも『平均』です。

アクティブファンド

インデックスファンドのように全体ではなく、
本当に良さそうなところだけ、抜粋して買っていくというイメージ。
そして、その抜粋するときの基準として、『ESG投資』というのはあるわけです。

では、どんな抜粋の基準かと言うと、
●E は 環境(Environment)
●S は 社会(Social)
●G は ガバナンス(Governance)


つまり、「環境」や「社会」、「ガバナンス」といったところに配慮した企業に
投資していきましょうね。という、手法になります。

なぜ今これが流行っているかというと、『SDGs』の影響です。

これは、国連が2015年に採択した、2030年までに
世界がもっと良くなるために設けた17個の目標のことです。
この『SDGs』という目標があって、これを達成するための1つの手法として、
『ESG投資』というものが言われるようになったわけです。


ただ、この『ESG投資』自体はもっと前からやってる人たちがいるわけです。
なぜなら、この大きなインデックス全体の中から選び抜くということ自体は今までも、
各投資信託のファンドマネージャーがしているわけです。
それが今なぜか、変に流行って『ESG投資』って言われてるってことなんです。

別に流行るのが悪いわけじゃないんです。
ただ、これが一人歩きして、おかしな方向に行っちゃってるな、という感じがあるので、
そこに警告を鳴らす意味でも「本来ESG投資は何なのか?」というのを是非知ってほしいな、
と思うわけですね。

ここで、一番重要な本日の結論言っちゃいます!
結論:投資の目的はリターンを得ること

これが唯一の目的です。
分かりますか?

投資するんだから、リターンを得なきゃ意味がないですよね。

なのに、今『ESG投資』が流行っていて、
ESGの”E”は”環境でしたよね。
二酸化炭素を出さない優しい企業だとかね。

ESGの”S”は”社会ですね。
ダイバーシティ。聞いたことありますか?多様性です。
女性も働きやすいよ、とか人種差別してないよ、とか。

最後にESGの”G”は”ガバナンス”です。
リスクマネジメント、コンプライアンス」やってるよ、とか。

こういった企業って、世界にとっていい企業じゃないですか。
だからこういったところに投資していって、
これらの企業を成長させるということは世界が豊かになるよね、と。

これはいいんです。ここまでは。

でも、投資の目的はリターンを得ることなのに、リターンを得られなかったとしても、
「まあ、いいじゃん。こういういい事やってんだから。」みたいな風になってるのは、
良くないってことなんです。


つまり、リターンがあまり得られなかった時の言い訳に使われているわけなんです。
これでは全然意味がないんです。

目的が『ESG投資』になっちゃって、
リターンを得ることではなく、

やること自体が目的になってるんです。

違いますからね!

あくまでも『ESG投資』というのは、投資家がちゃんとリターンを得るために、
どういう風に世界中の企業の中からこれがいいよねって選んでくるかの、【手法】なんです!

あくまでもリターンを得るためにESGの観点から選んでくるって、こういう【手法】のことなんです。

これは間違っちゃダメなんです。

世の中に『ESG投資』の投資信託っていっぱいあると思いますが、ここを間違っちゃダメで、
ここをちゃんとやってる『ESG投資』なら、僕も推奨できますが、
目的が入れ替わっているものは、「うーん・・・」って思っちゃいますよ、ということなんですね。

例えば、A社とB社という2つの会社があったとします。
A社はB社の倍くらいある、大きな会社。
B社は小さな会社。


この事実だけで、インデックスファンドの場合、
大きな会社のA社をたくさん買って、
小さな会社のB社は少しだけ買って、
はい、両方買っておきます。って、これで終わり。
これだけなので、コンピューターがやれちゃうわけで、だから手数料が安いんです。

ただ、アクティブファンドは違います。
この大きな会社はなぜこれだけの利益を得ているのかっていうのを、
ちゃんと企業訪問をしてヒアリングするわけです。
経営者の考え方とか、
その考えが従業員に浸透しているのか、とかいろんなことを見ていくんです。

例えば、その企業訪問の中でA社が超ブラックだったと判明したとします。
テレアポをめちゃくちゃさせられてて、
夜中11時、12時になっても、アポ10件取れなきゃ帰してもらえない、とか。
こんな会社、完全にガバナンスアウトですよね。
コンプライアンスアウトですよね。
でも、今、利益出してるんですよ。

この会社、経営者に長期的視点あるでしょうか?
長期的に企業をしっかりと成長させる気があれば、そういうことも配慮しますよね。
でも今の利益ばかりを追求していて、こんな経営者に未来なんてない。と思いませんか?

実際にアメリカでありました。
倒産寸前まで、めちゃくちゃ大きな企業だったんです。
ところがいきなり倒産しちゃった。

なぜか?

いろんな数字を書き換えて悪い事してたわけです。
これってもう、経営者が短期的な自分の欲求を満たすためだけにやってるわけですよね。
それで結局巻き込まれたのは、そこの従業員や取引先ですよね。
こういったところまで、ちゃんと配慮してやっているかどうかっていう経営者の資質とか、
長期的にちゃんと会社を持続的に利益を成長させていくようなことを考えているのかとか、
こういったところを見抜くために、ヒアリングする1つの手法として
『ESG投資』っていうのは元々あるんです。

環境に配慮した二酸化炭素は出さないよっていう大きな会社があったとしても、
実は世界中の発展途上国から子供みたいな人もつれてきて、
非人道的に働かせてたって分かったら、
こんな会社に未来あります?!って感じじゃないですか。

でもインデックスだと、これも全部買っちゃうんですよ。

これは外そうよって、ちゃんとそういうのを外す。
これはなぜなのか、といったら
「非人道的」「地球に優しいから」ではなくて、
それが結果的に、長期的な視点で見たら、企業が利益を生むのかどうか、ちゃんと考えるからなんです。
この目的はブレたらダメなんです。
そのために、この【EGS】というのはあるんだよっていうことを分かってくださいね。

長期的な視点で継続して、
企業が成長していき、
利益を追求できるような、
そのために『ESG投資』を使ってるよっていう投資信託はちゃんとあります
から、
こういったものはめちゃくちゃオススメですよ。

こういう話をすると、結局インデックスってどうなの?って、やっぱり僕は思います。
でも今、インデックスってめちゃくちゃ流行ってます。
この流行ってる理由が「手数料が安いから」だけ!とか。
まぁ、こんな端的な理由なんですが、手数料が安いって逆に言えば価値がないんです。
だって、コンピューターが全部勝手に決めっちゃってるわけですよね。

でも、その中に混ざっている非人道的なところは外そう。
コンプライアンスちゃんとやってるとこを選ぼう。
それは、結果として利益をしっかり追求するってことになる。
こういったところを選び抜いてくれるっていう、
やっぱりアクティブファンドの方がいいのかな、と思います。

ただし、もちろん手数料がかかります。
だって、企業訪問してヒアリングするんですから。
でもその手数料ってめちゃくちゃ価値ありますよね?ってことなんです。
このアクティブファンドの価値、是非理解してほしいなと思うわけです。

例えば、みんな大好きS&P500って、今めちゃくちゃ流行ってますよね。
アメリカの優良な企業を500社みんなまとめて買うよってことで、
この指数に連動させるってことなんですけど、
今、このS&P500の中でも債務超過の企業ってたくさんあるんです。

債務超過って何かって言うと、自分の資産を全部売っても、
借金返せませんっていう企業のことです。
これが1兆円とか、めちゃくちゃ大きな債務超過の企業まであります。

ですが、インデックスファンドだとそんな債務超過の企業まで買うってことなんです。

この500社の中から、そういった債務超過の企業=下から200社くらいを全部外して、
上位の300社くらい、しかも本当のトップの10%くらいをたくさん買う、
みたいなことをやってくれるアクティブファンドだってあるし、
『ESG投資』みたいなことを考えながら非人道的なところとか、
長期的視点で企業や経営者が考えてないなってところは外そうかなって
やってくれるところもあります。

あと、最後に。
少し前に電気自動車のテスラが1兆ドルいって、すごいことになりましたよね。
すごい企業になりました。

今、1兆ドルの企業っていうと、
マイクロソフト、アップル、グーグル、とか。アマゾンもあるかな。
こういった企業っていうのは、世界を牽引する企業じゃないですか。

今、ここに到達するスピードっていうのが、めちゃくちゃ早まってるんです。
ということは、このS&P500だったら、500社の中でも
かなり上と下が分かれてきてるってことです。
この先もっと二極化が進むと思います。


企業価値の二極化が進んだ未来で、インデックスの価値とは?!ってことです。

この10年間くらいはインデックス市場だったんで、
インデックスはすごいパフォーマンスが出てたんですけど、
この先同じようにパフォーマンスを出し続けるか?って言うと、
僕は『?』だなって言う風に思います。

もちろん、投資は自己責任です。
今日の情報も参考にしながら、
皆さんがご自身で決めていただいたらいいんじゃないかなって思っております。

インデックスが行き詰まる前に、『ESG投資』など、
本当に良い投資先をご自身で考えましょう!


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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