こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
今日は投資の本質について語ってみようと思います。
今まで僕は、素人の方がほったらかしにしても安心して運用するには
【長期分散積立投資】という形がお勧めだよ、と話してきました。
これ、一見「素人の人はこうしとけ」って聞こえたかもしれないんですが、
そうじゃなくて、実はこれが投資の本質なんだってことなんです。
では、この「投資の本質」って何??というお話をしていきたいと思います。
投資?投機?
さあ、お正月になると、証券アナリストとかいうプロの人たちが
その年1年間のマーケット予想をします。
つまり、「今年マーケットって上がるの?下がるの?どっちなの?」って話ですよね。
このマーケット予想、たくさんの人がやるんですが、
過去をずっと遡って調べていくと、当たる確率って大体50%なんです。
上がるか、下がるか。
これって、元々2分の1。50%の確率ですよね。
目をつぶってどっちか選んでも、子供に選ばせても、
結局みんなにやらせれば、2分の1の確率なんです。
つまり、マーケットの予想なんてものはできないってことです。
考えてみてください。
マーケットってどういう風に動きますか?
株価ってどういう時に上がり下がりするんですか?
例えば、気候変動。地震や竜巻。
こんなときは下がったりしますが、これ、予測できますか?
あとは景気。リーマンショックとかありましたね。
でも、あんなのはいきなり来ます。これ、予測できますか?
それから政治。大統領選があるとか、政権交代したとか。
でも、これも予想できますか?
こんな風に、いろんな予測・予想できないようなファクターがいっぱいあるわけです。
これらを全部踏まえた上で、マーケット予想なんてそもそもできないでしょってことなんです。
つまりこれが、短期的要因。
短期的な株価の要因を見ているということ。
こういうことをやっているのを『投機』と言います。
これはかなりギャンブルに近いんです。
プロが一生懸命頑張って予想しても50%の確率でしか当てられない。
ということはやっぱりギャンブル性が非常に高いということです。
なので、僕はお勧めしません。
確実性のある長期投資
僕が言っているのは、長期的にしっかりと資産を作っていきましょう、ということ。
その時に重要になってくるのが、企業の価値=利益なんだよってことなんですね。
投資信託として、世界中に分散して持つようにします。
この株価というものは、世界中の企業がこれからこれだけ利益を出すだろうな、
というのを織り込んで決まっていきますので、
企業がしっかり業績を上げていけば、株価って上がるんです。
例えばある企業が右肩上がりの業績・利益を上げていたとします。
そうすると、
株価も大体同じような軌跡を辿り、右肩上がりに上がっていきます。
短期的に見ると、利益も株価も多少の上がり下がりはあって、
そういった上がり下がりのタイミングは予想できないんですが、
長期的に企業がしっかり利益さえ出していけば、株価って上がっていきます。
つまり、投資信託を持っていれば、自分の資産はちゃんと増えていくんだよ、
ってことが言えると思います。
とは言え、株価がいきなりガンっと下がったりしたら、
やっぱり「えっ?!」って不安になっちゃいますよね。
だからこういうときに、是非覚えておいてください。
大体の出来事は、多少幅はありますが、すぐ元に戻るんです。
過去の実例紹介
過去の実例で確認してみましょう。
≪ブラックマンデー≫
1987年にブラックマンデーというのがありました。
当時はサーキットブレイカーという機能がなかったので、たったの1日で22%も株価が下がりました。
※サーキットブレイカー:
→景気が一気に悪くなって株価が急激に下がると市場が混乱するので、
あまりにも下がり過ぎそうな場合、自動的に取引不可になる機能のこと。
今の日本で言うと、1日で6,000円くらい下がったので、
もう終わった!というように今のメディアなら搔き立てるんじゃないでしょうか?
ですが、これもすぐに元に戻りました。
例えばテロとか大震災なども、一時的に影響はあってもすぐに戻っています。
そして、企業の業績は全然傷ついていないんです。
しっかりと成長さえしていけば、結局こういうことがあっても戻っていく、
ということが言えるわけですよね。
≪アジアの通貨危機≫
他にはアジアの通貨危機もありました。
インドネシアやタイなど、お金の価値が2~3か月で半分になったんです。
韓国もお金の価値が半分くらいになりました。
韓国なんてのはもうデフォルトで、要はその借金の利払いできませんってなっちゃったんです。
IMF(=世界通貨基金)が出てきて、金融政策を代行する事態にまで発展!
これ、今だったらどうですか?
もうヤバイ!!ってメディアは騒ぎますよね。
みんな不安になりませんか?
でも、1~2年で元に戻ってるんです。
≪ロシアショック≫
ちなみにロシアショックっていうのがその翌年にあって、
ロシアも同じようにデフォルトしちゃったんです。
もう利払いできませんってなっちゃいましたが、半年で戻りました。
≪2016年6月・・・≫
2016年6月。何があったか覚えてますか?
みんなその時はめちゃくちゃ不安になるんです。
メディアもそういうのを煽るんです。
煽ると、みんなそういった情報を買おうと思って、
本とか雑誌が売れるのでめちゃくちゃ煽るんです。
2016年6月の当時、どう言われたか。
「分断の時代」とか「世界恐慌の足音が聞こえる」って言われてたんですよ。
何があったか?
イギリスがEUから離脱したんです。
めちゃくちゃニュースになって、めちゃくちゃ煽っていました。
皆さん、覚えていましたか?
ってことなんですよ。
結局すぐ戻ってるんですよってことなんですよね。
ただ、戻るのにちょっと時間がかかったり、これは厄介だよっていうような不況もあります。
バランスシートが壊れる系の不況
この場合は戻るのにちょっと時間がかかるっていうのも覚えておいてください。
例えば、日本のバブル崩壊とかリーマンショックとかがそれにあたります。
そもそも、バランスシートって何なのか?
例えば、
3,000万円の住宅を買います。3,000万円フルローンにします。
そうすると、
『3,000万円の住宅』という【資産】が手に入ると同時に、
『3,000万円の住宅ローン』という【負債】が残ります。
これがバランスシートなんです。
バブル崩壊と同時に土地の価値が急に半分に下がった!となれば、
一気に資産価値が1,500万円とかになるわけです。
そうなるとみんな「この負債返済していけるのかな?」と不安になるわけです。
そしたら、個人消費が確実に落ち込みます。
個人消費が落ち込むと、
例えば今まで行っていた居酒屋に行くのも少し控えようかなってなったり、
そうすると今度はその居酒屋が儲からなくなるので、
居酒屋が仕入れていた食材屋さんが儲からなくなって、
今度はその食材屋さんに卸していた農家が儲からなくなる。
農家が儲からなくなると農家の人たちもお金を使わなくなって、、、
というふうに、どんどん負のスパイラルに入っていくわけですね。
これが個人消費が落ち込むという状態です。
この個人消費、日本のGDPの53%を占めていますから、
これが落ち込むと日本経済にとって致命的なんです。
そうなると、企業だって設備投資なんかしてる場合じゃないってなって、
設備投資という負債を抱えるのをやめるでしょう。
そうすると、
日本のGDPのうち、設備投資は16%を占めているわけですから、
ここも落ち込んでいくわけです。
そうすると、
企業がお金を借りてくれない、ということで、
金融機関だって落ち込みますよね。
こんな感じで、どんどん共倒れしていく状態に陥ります。
これがバブル崩壊だったり、リーマンショックだったんです。
≪リーマンショック≫
リーマンショックは100年に1度のマイナスなんて言われて、
一時的に株価が6割近く下がったりしました。
これは回復するのに少なくとも10年はかかるよね、と言われていました。
が、6年ぐらいで戻りました。
なぜ戻ったのか?
企業が業績を回復したからなんです。
企業が利益をまた、ちゃんと生み出すようになったんです!
皆さんの会社もそうじゃないですか?
企業っていうのは、何をするところか。
利益を生み出そうとするんです。利益を生み出せない企業は生き残れません。
これが唯一の目的なんですね。
そして、人に欲がある限り、人が生きていく限り、消費は続きます。
みんな買い物はします。
そして、買い物をしてもらうということは、企業の利益が上がっていくんです。
この企業の利益さえちゃんと上がっていけば、過去にいろんなことがありましたけど、
これをちゃんと乗り越えてきたんです。
なぜか?
利益は裏切らないからです。
企業がしっかり利益を出すと、株価はちゃんと戻ってくるよということを信じて頂ければ、
長期投資の不安も少しはなくなって、しっかりと長くやっていけるんじゃないかな。
という風に思っております。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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