こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
今日は、今ニュースで話題の『スタグフレーション』について解説したいと思います。
いつもは子育て世代の方向けにお金の教養を付けてもらう話題が多いんですが、
今回は経済用語になります。
「私、関係ないな」と思われたアナタ!
そんなことはありません。
このワード、大きな経済の話ではなく、
今、日本で何が起きているのか、という皆さんの日々の生活に直結しているお話です。
そして、それを分かった上で何をしていかなきゃいけないのか、について
お話していきたいと思います。
まずは経済の基礎知識から。
インフレとデフレ
≪インフレ≫
一昨年、コロナの初期の頃、マスクの値段が上がったことを覚えていますか?
コロナということで、ちょっと異常だったのもあるんですが、
あんな風にみんなが何か「欲しい!欲しい!欲しい!」ってなると、
そのモノの値段ってどんどん上がっていくんです。
例えば、日本のバブル時代のタクシー。
今ならワンメーター500円で乗れますが、その当時はタクシー自体が捕まらなかった。
なぜか?
みんながお金を使うから、「俺もタクシー乗りたい」「俺も乗りたい」って感じで、
タクシーを捕まえることすら大変だったんです。
そうなると、一万円札出してきて「俺、1万円で乗るよ」みたいな人が出てきたりします。
こんな感じでどんどん値段が上がっていくわけです。
そうすると、タクシーの運転手にしたら、1人乗せただけで1万円儲かったら、
ちょっとウキウキになりますよね。
「仕事終わりにちょっと飲み屋行って、使っちゃうか―」みたいな感じになるわけです。
そうすると、その飲み屋の人にしたら、
「おーおー、今日はなんか儲かるな」みたいな感じになるわけです。
こんな感じで、どんどんどんどんお金が循環していく状態。
そして、モノの値段がどんどんどんどん上がっていく。
これは、欲しい人がたくさんいるっていうところから始まってるんです。
欲しい人がたくさんいるっていう状態になると、モノの値段、物価は上がるんですね。
結果的にお金が回って景気がよくなる。
これをインフレと言います。
≪デフレ≫
そしてその逆、みんながお金を使わない状態。
将来のことも不安だし、ちょっと溜め込んどこうかなって言ってお金を使わない状態になると、
お店は売り上げが上がらないので給料が払えなくなって、給料が上がらないもんだから、
その人が消費者になった時に、やっぱり使うのをやめちゃうわけですね。
これが順繰り順繰り回っていくという、この状態。
要するに景気が悪い状態のことをデフレと言います。
デフレの分かりやすい例え・・・
スーパーのお惣菜コーナーを想像してください。
閉店間際に行くと、値引きシールが貼られて値段下がってますよね。
あれって、買いたい人が少なくて、結果的に値段が下がるんですよね。
こういう物価が下がっていく状態を「デフレ」と言います。
インフレ=買いたい人がいっぱい
デフレ =買いたい人が少ない
今の日本はどっちなの?
例えば缶ジュースで考えてみましょう。
昔、1本100円くらいのときってありました。
今は、1本130円、140円くらいまで上がってますよね。
ディズニーランドのチケットは・・・
昔、1DAYパークチケットが5000円台のころもありました。
今は、同じ1DAYパークチケットが8000円とか9000円とかに上がってます。
最近、うまい棒も値上がりしました。
こんな風に長い目で見たら、どんどんモノの値段って上がっていってるんですよね。
じゃーインフレ?みんな欲しい欲しいってなって景気いいのか?って言うと、
そんなことないんですよね。
実は、日本を経済的に大きな目で見たら、デフレなんです。
みんな将来不安だし、この先どうなるか分からないんで、
お金を使わないで溜め込んでるんです。
使わないから、結果的にどうなるかっていうと、皆さんのお給料上がってませんよね。
全然お給料が上がらないわけで、だから儲からないという、こんな循環です。
昔、日本って海外のアジアの国へ行ったら、豪遊できちゃう!みたいなイメージだったんですが、
今は全然そんなことなくなりました。
例えば、100円均一のショップって、日本では本当に100円でめちゃくちゃ安いんですけど、
アジアの100均ショップへ行くと100円じゃないんです。
アジアの国の方が高かったりしますからね。
コロナ前の日本ってインバウンドで海外の人からしたら大人気でした。
なぜかと言うと、海外の人からしたら、「日本に来たら豪遊できちゃう」からです。
足元を見ると、確かに缶ジュースとかうまい棒とかの値段って上がってるんですが、
海外の値段の上がり幅に比べたら、日本の値上がりって全然低いってことなんです。
まあ、結果的には、全然値段ってそんなに上がってないレベルなんですね。
景気は良くない・給料も上がってない、そんな状態です。
でも、微妙にモノの値段って上がってますよね。
景気は良くない状態なんだけど、モノの値段は下がってないし、微妙に上がっていってます。
これはなぜかって言うと、少子高齢化が絡んでるんです。
ややこしいですよね。
少子高齢化って、つまり、人はたくさんいるわけです。
老人がたくさんいても消費はしてくれるんですが、ただ働き手がいないんです。
だから人件費を上げるしかしょうがないですよね。
人件費を上げるということは、当然それだけコストがかかるわけで、そうなると
値段上げなきゃしょうがないよねっていうふうになって、上げたくないんだけど
モノの値段を上げていく、というような状態です。
給料は上がってないけど、微妙にモノの値段が上がっているので、
みんながどんどん貧しくなってるっていう、
こういう状態が日本で起きてたんです。
だから大きく言うと、デフレなのか、スタグフレーションに近いのか、
こんな状態だったんですが、
これが今、思いっきりスタグフレーションですよって言われるようになりました。
スタグフレーションってどういうこと?
まずはコロナです。
一部では、コロナでめちゃくちゃお金をジャブジャブ発行したから、
このせいでスタグフレーションになってるっていう意見ありますけども、
これはちょっと僕は違うと思うんです。
コロナで規制が始まって、飲食店をはじめ、いろんなサービス業で、お客さんが来ないんだから、
人を切るしかしょうがなかったわけですね。
でも、コロナの規制が解除された瞬間に、みんなストレスも溜まってるし、
「よし!外食するぞ!買い物するぞ!」ってなって、
百貨店にめちゃくちゃ列ができるほど並んだりとか、うわーっと使いだしたんですね。
すると、今度はそれに対応するだけの人がいなかったんです。
今度は逆に人手不足で「雇いたい、雇いたい」ってなったんですが、
そうなるとやっぱり、たくさんお金を出す人のところに人が集まりますよね。
だから、「ウチが雇いたい!」って体力のあるところは人件費を上げて募集を出す、
ということが起きて、基本的に人件費が上がってきてるんです。
そうなると、やっぱり値段って上げざるを得ないよねって状況が、コロナによって発生しています。
ただこれはそんなに悪いことではないと僕は思っています。
結局これってインフレなんです。
みんなが「買いたい!買いたい!」っていう状況で値段が上がっていってるってことに変わりないので、これ自体はそんなに問題ないんです。
問題はここからなんです。ここからがヤバイよってお話です。
海外で原油価格がめちゃくちゃ上がっていってます。
これはちょっと政治的な絡みの話もあるんで、ちょっと厄介なんですけど
簡単に言うと、今カーボンゼロって言って、
『原油を使ったものをなるべく減らしていこうよ。将来ゼロにしようよ。』
みたいな動きがあるわけです。
でも原油を輸出してガンガン儲けている国ってあるわけですよね。
こういった原油輸出国にしたら「えー!」って感じじゃないですか。
そうなると、今のうちにいっぱい儲けとけ!みたいな感じでちょっと値段上げようかな、
という感じの動きがあると言われています。
他にはオーストラリアの干ばつとか、こういったこともあって水資源っていうのが
今不足しているわけですね。
そういうことが起こっていくと、例えば工場製品って当然値上がりします。
後はトウモロコシとか小麦とか大豆とか、こういった原材料、
こんなものもどんどん値上がりするんです。
で、こういったトウモロコシとか小麦とかが値上がりするということは、
これを餌にして食べている牛とかこういったものも値上がりするわけです。
なので今、牛肉なんかもめちゃめちゃ値上がりしてて、
ミートショックなんて言われてます。
牛タンの値段も5倍になっていたり、もうとんでもないことになっちゃってるわけです。
この影響で吉野家さんだって値上がりしましたよね。
あとは、ハウスメーカー。
木材とかを仕入れて作るわけですが、この木材・原材料が上がっていってるので
大打撃を受けています。
これはウッドショックって言われてますね。
こんな風に、この原材料っていうものを日本と言う国は海外からの輸入で
賄っている部分がかなり大きいんです。
で、この輸入するお金が上がっているので、売値に反映させないといけなくなって、
モノの値段が上がる。こういう状況が起きています。
これ、何が問題かというと、
日本の中で、みんなが「欲しい!欲しい!」って言って値段が上がれば、
その払ったお金は日本人の給料になって、またそのお給料を受け取った人が
日本の中で使えばお金って回っていくんです。
でも、海外から輸入するものが値段が上がってたら、
これって海外にお金が行っちゃうだけなんで、日本の中ではお金って回らないんですよね。
例えば、ガソリン代も値上がりしました。
ある人のお給料のうち、ガソリン代が占める割合が増えちゃうわけなんで、
可処分所得っていう、自由に使えるお金が少なくなるわけです。
使えるお金が少なくなるということは、色々なところで節約しようとしますよね。
お金を使わなくなります。
使わなくなったら、日本のお店は儲からないですよね。
儲からなかったら、お給料出せないですよね。
だからお給料を上げられない。
こういう悪い循環。
つまり、完璧な不景気の状況に入っているんです。
ただ、原材料費が上がってるから、値段は上がっていってるという、
どんでもない事態が来てるよってことなんですよね。
銀行預金の未来
ちょっと先が見えないですよってなった時に、
皆さんが今、銀行に預けている100万円。
これ、今だったら100万円のものと交換できるのに、
この状態が10年間続いたと仮定して、10年後に引き出して100万円使ってみてください。
恐らく、今と同じモノとはもう交換できないよってことです。
モノの値段が上がっていってるんだから、10年後には100万円では間に合わなくなっています。
銀行に預けた100万円って、10年間預けておくといくらになりますか?
10年後も100万円とほぼ変わらないですよね。
誤差程度に多少増えるくらいです。
僕がいろんなところで、お伝えしてるんですが、さらに!
銀行に置いているお金、この価値は今、さらに!加速して、
価値が下がっていってるという状態がおきているんです。
一生懸命銀行に貯金して、
老後を迎えようと思っている人にとっては本当に逆風。
そうやって銀行に貯金していると、
どんどん貧しくなっているよってことなんです。
今日の結論
スタグフレーションが起きているこの状況でどうしたらいいか?
資産運用をする
この一択です。
せめてこの物価上昇以上のパフォーマンスを出すくらいのお金の預け方。
資産形成っていうのは考えなきゃいけないんだけども、
残念ながら今、利息でそれだけ増える場所はないので、資産運用の知識を持っていただく。
特に子育て世代の方は老後までしっかり時間を使えるので、
この間にしっかり時間を使って資産運用をやっていただきたいなという風に思っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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