森次 美尊

長期金利の上昇で なぜ株価が下がる?

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

アメリカの長期金利がドーンと下がりました。
この影響がどのように我々の生活に影響を及ぼすのか、というお話をしていきたいと思います。

ただこれ、マーケット予想というのは、正直いろんなパターンが考えられ、
わからない部分もありますので、今日は基礎的なセオリーのお話です。

一般的には、
長期金利が上がると、株価・債券価格が下がる
というふうに言われています。
 

株価

長期金利が上がる、例えば住宅ローンの金利などです。

固定金利フラット35の金利が上がってきたり、
銀行が貸し付ける金利が上がってきたり、
そうなると当然、借入しようかなっていう人は少なくなりますよね。

企業が設備投資をしようと思っていても、金利が高くなっていたら、
「借入するの、今はちょっと控えようかな」とか。
住宅購入なども「これだけ金利が上がりそうなら、今はやめとこうかな」とか。

そうなると、当然景気は下がります

なので、長期的に見て、この企業の株って下がるんじゃないかな?
みたいなことが織り込まれるので、株価が下がるということなんです。

つまり、長期金利が上がると、株価が下がる
これがセオリーです。

もう1つ、こういった考え方もあります。

例えば、金利が今1%で、こんな考えの人がいたとします。
・「株を持つ」よりも「銀行に定期預金で置いておく」方が安全。
・わざわざ「株を持つ」のであれば、
 せめて銀行で置いている金利よりも5%くらいはプラスを取らないと、
 リスク取ってまで「株」を持ちたくない。

ということは、金利1%+5%なので、株の利率が大体6%ぐらいの利回り
が取れないと意味ないよね、と考えるわけです。

ところが、世の中の金利が1%→3%に上がったとします。

銀行の金利3%にプラス5%したら、8%の利回りがないと意味がないよねってなりますよね。
ただ、この利回りだとかなり難しくなってきます。
と言うか、3%の金利があるんであれば、わざわざリスクを取らなくても、
銀行にそのまま置いてた方がいいんじゃないの?みたいな考えになっていくので、
みんな株を買わなくなる→株価が下がる。
こういう感じです。

なので、基本的には
金利が上がれば、株価は下がる。
シーソーのような関係だと覚えておいてください。


 

債券価格

次、債券価格なんですが、これも下がります。

なぜなのか?

債権というのは、償還(満期日に払い戻すこと)が購入時点で決まっています。
満期日が来ました、となって受け取れる金額が、最初に債権を購入した時点で決まってるんです。
元本と利回りというのが、決定しているわけです。

なので仮に、
世の中の金利が1%で、自分の持っている債権の利回りも1%だったとしましょう。
この時に長期金利が上がって、この金利が上がり、2%になったとします。
ですが、この債権は償還が最初の購入時点で決まっており、最終の払い戻し金額まで決まってるんです。
金利1%のままなんです。

なので、
世の中の金利が2%になっても、自分の債権は1%のまま。
当然、これだと人気がなくなります。

「誰か買ってよ」
と売りに出したとしても人気がないので当然価格が下がった状態で売られちゃいます。

逆に、世の中の金利が下がるとこの債権は人気が出ます。
世の中の金利0.5%になったけど、俺の債権1%だ!みたいな。
「これどう?売ってあげようか?」って言ったら、
「それ欲しい!欲しい!」となって、人気があるので当然価格も上がります。

こんな感じで、金利が上がると債券価格も下がる。という現象になるわけです。

需要と供給

あくまでも、この株価も債券価格も【需要と供給】がポイントで、
買いたいって人がいれば、当然価格は上がるし、
買いたいって人がいなければ、当然価格は下がるんです。

この買いたいかどうかっていう人の気持ちで株価・債券価格が決まります。

長期金利が上がるということは、景気悪くなるよねってことで、
買いたい人が少なくなるから、株価は下がる。
債権だってそんなの持っているよりも、
銀行の方がいいじゃんってなるか、それお得だねってなるか。
買いたい人がいるかどうか。それ次第で価格が上がり下がりするということです。

 

高度経済成長期の日本は例外

ただ、例えば高度経済成長期の日本みたいな例外もあります。

高度経済成長期の日本とかって、もうとにかくイケイケなんです。
長期金利が上がりました。
借入金利も上がりました。
通常時なら、こんなに金利が上がったなら、
今設備投資するのはやめようかなってなりますが、
高度経済成長期はイケイケなので、そう思わないんです。

金利が上がっても、今は行っとけ!投資しよう!とイケイケでいくんで、
結果景気は良くなるんです。
その結果として、株価は上がるというようなことも起こります。

人の気持ちが上向きで、景気の部分が上向きであえれば、
いくら金利が上がっても、株価も上がるという、こういう現象もあるので、
「長期金利が上がると、株価が下がる」と一概には言えませんが、
あくまでもセオリーのお話と、結局は「需要と供給」という経済のお話でした。
 

私たちへの影響は・・・

今までずっと長期の積立投資を推奨してきました。

株価とは、長期的な企業の利益を織り込んで、今の価格が決まっていきます。
これを分散して、いろんな株を買う、という投資信託を持っていれば、
長い目で見たときに、企業が成長して、利益を出していってくれればいいんだとお話してきました。

なので、短期的に金利が上がる、景気が下がる、株価が下がるなど、
こういった短期的なことはどうでもいいんです。

今もコロナなどがありましたし、この先もいろんなことが起こるでしょう。
景気によって、人の気持ちは上がり下がりを繰り返す、というのは必ずあるんです。

ただ、そんなところをいちいち見てもしょうがないので、そうではなく、
企業がちゃんと業績を回復して利益を出すようになれば、
心配しなくても株価は成長していきます。

なので、長期的な視点で成長利益にしっかりとお金を置いておくということをすれば、
皆さんにとっては特に重要なお話ではないんだよ
、ということなんです。

ただ、今少しニュースを騒がせていましたので、お伝えさせていただきました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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