森次 美尊

1ドル=130円!何が起こっている?昨今の為替事情

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

今回は為替についてのお話です。
昨今ニュースを騒がしている1ドル=130円という急激な円安

いつものごとくメディアはネガティブキャンペーンで不安を煽っています。
ドル建て保険を支払っているお客様にとっては支払金額が高くなるので向かい風。
逆にそろそろ解約して引き出そうかと思っていた人にとっては追い風です。

結論から言うと最低保障されてドルベースで増えていくのと、
為替というのは長い目で上がり下がりを繰り返すものなので、
そんなに一喜一憂する必要はありませんが、
良い機会なので為替について、そして昨今の急激な円安の理由について解説致します。

為替ってなに?

まず、円安ドル高や円高ドル安というように、
これは円とドルを交換する際のレートを「為替」と言います。
シーソーのような関係をイメージしてください。
どちらかが安いということはどちらかが高いのです。

1ドル100円が130円になったら円安です。
なぜなら1ドルの商品を100円で買えたのに
130円出さないといけないということは、
つまり円の価値が下がっている(安くなっている)ので円安と言います。

逆に1ドル70円になったら?
今まで1ドルの商品を100円出さないといけなかったのに今は70円で買える。
つまり円の価値が上がっている(高くなっている)ので円高です。

ここで重要なのが、需要と供給のお話です。

例えばコロナの時にマスクの値段が上がったのは、みんなが欲しいと思ったからです。
つまり買いたい人が売りたい人より多くなる状態。
言い換えれば需要が供給を上回る状態です。この時値段は上がるのです。

逆にスーパーのお惣菜コーナーへ閉店間際に行くと値段が下がっています。
あれは売れ残ったからですよね?
買いたい人が売りたい人より少なかった状態(供給が需要を上回る状態)です。
この時値段は下がるのです。

これが経済の基本です。為替もこの話が当てはまるのです。

例えば100万円で楽しめた海外旅行。
円高になったら、同じサービスを受けて同じ料理を食べても80万円!
同じ海外旅行に80万円でいけたら?お得ですよね?

なので、このタイミングはみんな海外に出かけて円を売ってドルに換えます。
つまり円高になってお得だからみんな海外に行って、
結果として円が沢山売られるから円の価値は下がり、また円安になるのです。

逆に今のような1ドル130円という円安になったら?

海外旅行者が日本に来て日本円で買い物しないといけないからドルを円に交換する。
つまりドルを売って円がたくさん買われるので円の価値が上がる、
結果として、円高になるのです。

というふうに何年かかけてうろちょろするのが為替なので、
ある程度の所で落ち着いて反動していきます。

今1ドル130円だけどこれが200円になったら?300円になったら?
ていうのはそこまで考えなくても、経済ってそういうふうに回っているんです。

この大前提は押さえた上でなぜ今1ドル=130円ぐらいまで下がったのか
という3つの要因を解説します。

要因① 金利

今、米国金利10年国債利回りが大体2.2%日本の10年国債利回りは0.2%です。
さあ2.2%金利の通貨と0.2%金利の通貨、どっちに置いときたいですか?

2.2%(米国)ですよね。

金利差が開くと当然金利の高い通貨がたくさん買われます。

たくさん買われるということはドル高つまり円安です。

では、なぜ米国の金利が2.2%ぐらいまで上がっているのか
というとコロナが開けてアメリカは一気にまた経済が成長しようとしています。

そうなるとモノの値段がどんどん上がっていくので
ここは一旦落ち着かせようと、こういうタイミングに
政府は金利を上昇させたがるのです。

例えば住宅ローンを今0.4%ぐらいで借りられるが、
仮にこれが4%になったら?
そしたらちょっとやめとこうかなってなりますよね。

こんな感じでちょっと買い物が押さえつけられるのです。

そのうち、落ち着きを取戻し、買いたい人が少なくってきたら物価が下がります。

物価が下がると景気が下がるので、今度は政府が金利を下げたがるのです。
金利を下げたら設備投資とか、住宅ローンを借りやすくなり
そのうち景気が良くなっていく期待ができますよね。
日本は今この状態なので低金利なのです。

要因 ② 経済成長率

もうアメリカはコロナ前の経済成長率に戻りつつあります。
日本はまだまだ遅れています。

経済が成長しそうな国と成長に苦しんでいる国、
どっちの通貨を持っていたいかという話です。
当然アメリカの方が人気なので、たくさん買われるドル高円安になっています。

要因 ③ 貿易収支

日本は今、異常事態で、景気は悪いのに物価が上がり出している
スタグフレーションという最悪な状況です。
その大きな要因は原油価格の急騰です。
輸入品に頼っている日本は、輸入品を日本に持ってくるときに
ガソリン代とか原油を使います。
この価格が上がっているので仕入値が上がっています。

輸入品を買う時って基軸通貨であるドルに換えて買います。

ということは今まで以上に円を沢山売ってドルを買わないと
輸入品を仕入れられないので、円を沢山売る。

→円の価値が下がる、円安になっています。

まとめ

結局は需要と供給の市場原理がシーソーのように働くので
円安と円高を行ったり来たりするのが為替です。

一喜一憂せずに長期の視点を持つことが大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!