森次 美尊

リスクとリターン:簡単解説!!

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

今日はリスクとリターンの関係を考えてみようと思います。

今までにも「リスク=デンジャー」じゃないよ、というお話をしてきました。
ここを間違えると全く違う方向へ行くので注意が必要です。

よくお客様から「リスクあるんじゃないですか?」と質問されます。
そうなるとまずはリスクの定義からお話していきます。
リスクとはどういったモノで、
お客様の頭の中にあったリスクのイメージはデンジャーじゃないのか?
というところから定義し直さないと、
共通言語としての「リスク」にならないので、注意が必要です。
考えているイメージが違うとうまくいかないので。

リスクとリターンの関係を考える前に、まずはここから。
まずは同じ「リスク」という定義を持った上で、
今日は少し踏み込んでお話していきたいと思います。

 

リスクとリターンを考える


リスクとは振り幅のことです。

Aになるかもしれないし、
Bになるかもしれない。

でもこの振り幅があっても、リスクを取ることでリターンを取れるから
みんな投資はいいよねってなるわけです。

徒歩と車

例えば、目的地に対して歩いて行ったとしたら、ほぼほぼ時間的リスクはありません。
信号待ちで微妙に違うかもしれないけど、距離的に25分~30分なら
恐らく大きくズレることはないでしょう。
この場合のリスクは5分程度。これが振り幅です。

では、車で行った場合どうでしょうか?
5分で目的地までたどり着けるかもしれません。
でも事故に遭遇して渋滞にハマるかもしれません。
渋滞にハマったら、20分かかるリスクだってあります。
つまり、振り幅は15分程度と、車を使った方が、先が読めない部分あります。

とは言っても、15分のマイナスのリスクを取ったとしても、
20分で着くんだったら、車で行った方が早いし良いですよね。

なので、みんな車で行くんですよね。

もちろん、細かく現実的な視点で見ると、
歩くと疲れる、とか車はガソリン代がかかる、とか
こういったものがいろいろ関係しますが、これ抜きに考えて
リスクとリターンってこんな関係なんです。

つまりリスクは振り幅
5分ズレるかもしれないし、
15分ズレるかもしれない。

で、一方のリターンは、この場合スピードです。
どのくらいの時間でたどり着けるのかってことです。


 

ゴルフ

また別の例えでお伝えします。
ゴルフされる方はイメージ湧きやすいんじゃないでしょうか。

大きなグリーンがあって、最初打つ時って、ホールまでの距離は遠いですよね。
結構な距離があるので、最初はみんなドライバーで打ちます。
ドライバーってめちゃめちゃ飛距離が出るんです。
でも飛距離が出る分、右行ったり、左行ったり、振り幅も大きいですよね。
飛距離というリターンは取りたいからドライバーで打つけど、
その分、コントロールし辛いというリスクも取ってるんですよね。

そして、ホールが近づいてきたら、次は飛距離というリターンはいらないから
リスクの少ない、コントロールの安定する、ブレにくいアイアンに変えたりします。

最後、グリーンに乗ったら、パターですよね。
パターって振り幅がめちゃくちゃ少ないんです。
つまり、リスクが少ないんです。
その代わり、飛距離も少ないよってことなんです。

こんな感じですから、
リスク取りたくないってことで、最初からずっとパターで行くと、
その人は一体何打必要になるの?って話になってきます。

つまり、この場合も
右へ行くかも?左へ行くかも?という振り幅は確かにリスクなんだけども
飛距離というリターンを取りたいわけです。



こんな感じで、どの現場においても、
実は皆さん、すでにリスクとリターンをちゃんと考えているよってことなんです。
 

投資の場合

それでは、これを投資に置き換えてみましょう。
投資信託とは世界中の株を分散して買い集めますよね。
この時に、インデックスファンドとアクティブファンドという考え方があると以前にお伝えしています。

インデックスファンドというのは、とりあえず丸っと全部買うスタイルで、
世界株なら世界の頂点の方の3000社くらいを全部買います。
大人買いみたいなのが、インデックスファンド。

一方のアクティブファンドは、
ファンドマネージャーがちゃんと見極めて、
長期的に成長するのはどの企業かな?この企業かな?と選定して、
あるファンドで例えると30社くらいに抜粋するわけです。

インデックスファンドの方は3000社買ってるので、
もしこの中の1社が思い通りにいかなくて倒産した時に、
1/3000のダメージで済みますよね。

でもアクティブファンドは30社しか買ってないから、
1社潰れたら、1/30のダメージを食らうんです。

だからインデックスファンドとアクティブファンド、
どっちがリスクあるの?って言ったら、
インデックスファンドの方がリスクが少なくて、
アクティブファンドの方がリスクあるよって言われます。

このことだけで、リスクのことをちゃんと定義できていない人は
「インデックスの方がいい!リスクは良くない!」となってしまいます。

ただ、これはそういう話ではないんです。

確かにダメージは1/30、1/3000になります。
インデックスファンドの振り幅よりも、
アクティブファンドの振り幅は大きいんです。
つまりリスクが大きい


わざわざ30社に抜粋する理由って何だと思いますか?
リターンです。

スピードだったり、飛距離だったりのリターンです。
では、今回のリターンは何なのかというと、角度です。

当然3000社買うよりも30社買う方が
短期的には振り幅の上がり下がりがあっても、
長期的に見たら、高いところへ行く。というこの角度です。

長期投資において、短期的な振り幅よりも、
長い目で見たときに上に上に行っておけば、仮にリーマンショックがあったとして、
すごい上に行っていれば、ドーンと下がったときに、
ずっと下の方にいたよりもいいよね、ってなるわけです。

だから時間をかければ振り幅よりもリターンの方がいいんじゃないの?
この角度があった方がいいんじゃないの?っていう考えを持つと、
アクティブファンドっていいよねってなるわけです。

リスクに対して、リターンの価値がある。ということです。

なので、常に「リスク=良くないもの」ではなく、
振り幅だけじゃなく、角度のことも考えてみるっていうことが大事ですよね。

ちゃんと長期的に上向いた角度。
少なくともインデックス以上の高い角度をキープできるような良質な
アクティブファンドかどうかと見極めるということが
めちぇくちゃ重要なんだよってことになります。

最後に。

僕は積立投資を素人の方には推奨していました。
積立投資においての振り幅、つまりリスクはチャンスなんですね。
株価などが下がったときは価格も下がっているので、
同じ1万円でもいつもよりたくさん買えるんです。
たくさんの口数を買い込めるチャンスモードなので、
この上がり下がりの振り幅は実はめちゃめちゃチャンスなんだよっていうことです。

それよりも重要なのは角度です。
下がり続けたらやっぱりダメです。
でも、角度がちゃんと上向きなのであれば、下がってもどこかで上がってきます。
こんな風に考えたら、下がることだってチャンスだということになりますから、
積立投資を長期でする際に、良質なアクティブファンドを選ぶということは
めちゃくちゃ価値があるんじゃないでしょうか?

皆さんはどう思われますか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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