こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
先日、55歳の方からこんな質問を受けました。
「年金受給の始まる65歳まで残り10年しかないですが、
今からでも資産運用する価値ってありますか?」
なぜそんな考えになったのか、尋ねてみたら、
今までに僕が
「長期分散積立投資をしましょう」
「20年間投資信託を保有していれば過去の実績ではマイナスになりません」
とお伝えしていたからなんです。
長期を20年間とした理由はすでに何度もお伝えしていますが、
どういうことかと言うと、
例えば2000年から世界全体に分散するような投資信託を持っていたとして、
2020年まで待ては、それなりに増えているわけです。
過去の実績として、数値で出ています。
100年に1度のマイナスと言われた「リーマンショック」のあった
2008年に解約したとしても、この20年前から持っていたとしたら、
なんとかプラスで解約できていました。
そう考えると、どのタイミングを切り取っても、
20年間保有し続けると、自分の資産が減らない、という実績があるので、
20年間保有すれば、リスクって減らせますよ、とお伝えしてきました。
なので、この方は退職する65歳まで、残り10年しかないけれど、
資産運用する価値があるのか、心配だったんですね。
これ、結論は?
絶対にやった方がいい!というのが僕の結論です。
なぜこの結論に至ったのか、その理由を3つお伝えしていきます、
理由①:資産寿命を延ばす
どういうことかと言うと、65歳で老後は終わりではありません。
老後というのは、ここからいよいよ長いんです。
2000万円問題で言うと、95歳まで生きるよ、と言われているんです。
で、仮に2000万円問題の設定と同様に、老後2000万円足りないという問題が発生した場合、
ざっくり言うと、65歳から95歳まで30年間で2000万円足りないわけなので、
年間で言うと、67万円足りないわけです。
年金だけじゃ足りない、赤字の部分が年間約67万円あるんです。
これが毎年、ずーーっと67万円足りないんです。
これを30年間分足していくと、30年間で2000万円足りないという計算になります。
これを仮に、資産運用せずにやっていこうと思ったら、
現金を貯めとかないといけないですよね。
めちゃくちゃ頑張って貯金貯めて、なんとか2000万円到達しました!
では、この方その後どういう人生かと言うと、
2000万円という預貯金が30年間、毎年67万円ずつ減り続けていくんです。
現役で働いている方は、自分の資産がただ減り続けるしかない、
という人生を経験していないので、分かりづらいですけども、
やはり、毎年資産が減り続けるというのは、精神的にキツイようです。
では、どうしたらいいのか?
ここで資産運用というやり方を知っている人は、
運用しながら取り崩す、というのをすれば、どんどん目減りするのを
少しでも防いでくれて、資産寿命を延ばしていけるんです。
例えば、ざっくり言うと、
957万円の投資信託を持っていたとして、
これが7%で年間運用されたら、1年間で約67万円増えるんです。
じゃあ、増えた分だけ解約したら、なんとかこの1年生活できたね、ってなって、
しかも増えた分だけの解約なんで、元金はまだあります。
なので、この元金でまた運用しもってやっていく、ということです。
このように、なるべく資産寿命を延ばす、という意味では55歳の方でも
65歳がゴールなわけじゃないので、その後もずーっと運用していくんだ!
と考えたら、余裕で20年以上ありますから、55歳でもやった方がいいわけです。
理由②:物価上昇に対応
物価上昇です。
最近特に言われています。
スタグフレーションなんて言われていますけども、
今、物価がすごいペースで上がっていっていますよね。
2%ぐらいのペースで上がっていってるんです。
これ、どういう状況かと言うと、
例えば、分かりやすく1000万円の現金を持っていたとします。
この1000万円を今は使わずに、いずれ使うからと将来のために
そのまま置いておいたとします。
今の金利って0.001とかじゃないですか。
ほぼ0%なんで、分かりやすく0%ということにします。
物価上昇は2%のインフレで、金利は0%
この状況で1000万円を現金で置いていたら、
10年後には817万円分くらいの価値しかないんです。
どういうことかと言うと、
今は1000万円出せば、1000万円のモノと交換できますよね。
でも、モノの値段が上がっていったら、
1000万円出しても、1000万円のモノと交換できなくなってるんです。
10年後には、大体、今の価値で言う817万円程度のモノとしか交換できなくなってます。
これが20年経過すると、667万円。
30年経過すると、534万円。
もうほぼ半分の価値まで下がってしまうんです。
ただ現金で置いておくだけだと、
長い老後の期間でどんどんお金としての価値が下がっていってしまうんです。
そう考えると、老後っていう長い時間を使うのであれば、
資産運用って必須かな、と思います。
55歳から持っていったら、40年先まで持っていく可能性だってあるわけですから、
資産運用しておくべきだと考えます。
理由③成功体験を作る
仮に65歳まで何もしなかったとして、
老後いよいよやばいなってなった時に、資産運用せざるを得ないじゃないですか。
でもその時に、何の成功体験も、何の経験もない人が
どんどん資産が目減りしていく状況で、
大切な自分の資金を運用に回せますか?
例えば、65歳で1000万円の退職金を貰いました。
ここで、成功体験がある人、資産運用の経験がある人は
1000万円のうち、500万円くらいは運用に回そうかな?と考えるんですよね。
でも何の経験もない人って、とてもじゃないけど
怖くてそんなことできないですよね。
ということは、55歳の今、大切なのは、
資産形成をしていく!っていうことも、もちろんそうなんですが、
もっと、もっと重要なのは成功体験を作る!ということなんです。
なので、しっかりと10年間続けてほしいんです。
だから本当に少額でもいい、
5000円でも1万円でもいい。
無理のない範囲でいい。
ポイント投資でもいいんです。
とにかく無理のない範囲でいいので、しっかり時間をかけて
10年間自分の経験を積み上げていってほしいんです。
これが老後を迎えたときに、めちゃくちゃ大きな財産になるので!
ということで、55歳の方でも
資産運用って必要なんだよ、というのが最後3つ目の理由でした。
成功体験を積み重ねる。ということです。
まとめ
年齢に関係なく、資産運用をしていくべき理由。
●1つ目:資産寿命を延ばす
●2つ目:物価上昇に対応させていく
●3つ目:成功体験を作る
ということで、1歳でも早く、長く、資産寿命を延ばすために、
資産運用を始めていってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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