こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
一昔前までは「おぎゃー」と生まれたら学資保険という時代がありました。
保険に預けておくだけで金利8%がついた時代もあったので、
未だにそのイメージだけで内容を見ずにご加入している方々もいらっしゃいます。
でも今は低金利時代です。
日本で販売されている学資保険の中には、満期で戻ってくる額が、
支払った額より低くなるいわゆる「元本割れ」商品も沢山あります。
なぜ元本割れを起こすのかというと、
この低金利時代に満期まで固定金利でくくってしまうからです。
そして元本保証という名のもとに手数料を沢山とられるからです。
一見聞こえの良い「元本保証」や「固定金利」ですが、
しっかりと検討しておかないと思わぬ落とし穴に合うかもしれません。
平成27年度に日本金融政策公庫が発表したデータによると、
私立4大文系に自宅から通った場合の大学費用は
入学金や授業料、小遣いなど諸々を含めると約738万円かかるそうです。
仮に生まれてから大学に行く寸前の18歳まで216カ月で
この金額に到達するように貯金していくならば月に34,000円です。
つまり34,000円ずつ18歳まで毎月貯金していけば738万円貯まることになります。
さあ、それをしてあげたら大学費用は無事に準備してあげられると思いますか?
もしかしたら難しいかもしれませんよ。
なぜなら物価が上昇しているからです。
教育費は1970年から2021年の約50年間に674%物価上昇しています。
これは年率利回り約3.8%で値上がりしてきているのです。
直近の20年間はあまり物価上昇していなかったのですが、
ニュースでも騒がれているように近年また物価が上昇し始めています。
ということは今から18年後に738万円貯めても、
もう738万円ではお子様を大学卒業させてあげられないかもしれないのです。
その準備を学資保険で行った場合、満期時の受取額が支払額より
仮に多くなっていたとしても、
せいぜい105%~115%というところじゃないでしょうか。
満期時にたかだか5~15%増えたとしても、年3.8%の物価上昇を
考慮したら実質は元本割れしています。
そして、お子様の大学費用が足りなくなったら奨学金を借りる羽目になります。
その制度自体悪いものではありませんが、お子様の借金です。
こんなはずじゃなかったと後悔しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?
この物価上昇を考慮した学費の貯め方は「資産運用」しかありません。
近年話題になっている、NISAもその選択肢の一つです。
☑CHECK NISAとは?
NISAとは簡単にいうと『非課税口座』の事です。
良く勘違いしている人が多いのですが、NISAはするものではありません。
投資信託等の金融商品を購入し、NISAという非課税口座で管理しておけば、
一定期間は非課税で引き出すことができるのです。
通常は引き出し時、利益の約20%が課税されますが、
これが非課税になるのでかなり大きな税制優遇と言えます。
NISAには、『一般NISA』と『つみたてNISA』があり、
一人一口座どちらか一つしか持てません。
☑CHECK 一般NISAとは?
年間120万円を上限に投資信託等を購入することができ、非課税期間を5年間とれます。
5年経つと通常の課税口座に移行するか、
5年後の新NISA口座に移し替えてさらに5年間置いておくこともできます。
これをロールオーバーと言います。
合計10年間非課税期間をとれますのでかなりお得なのですが、
今のところあと2年で終わる制度です。
つまり、2022年か2023年に購入したものだけが使える期間限定の制度です。
※下記、図を参照ください。
☑CHECK つみたてNISAとは?
年間40万円を上限に投資信託を購入でき非課税期間を20年とれます。
20年間の非課税期間は魅力的ですが、
金融庁が決めた投資信託商品231本(2022年4月26日時点)の中からしか選ぶことができず、
逆に一般NISAは何千本の中から選ぶことができるので、
商品にこだわりがある方には物足りないのかもしれません。
逆に言えばつみたてNISAは素人の人が選びやすいようにある程度良質な投資信託を
金融庁が選定してくれているとも言えます。
※下記、図を参照ください。
ちなみに、一般NISAでも毎月決まった金額を積立投資することはでき、
逆につみたてNISAでも上限枠の範囲内であれば一括で買う事ができますので、
名前とできることはリンクしていません。
違うのは、主に上限枠と期間と商品数です。
💡POINT お勧めはどっち?
結局どれが良いのかは、まずライフプランを作成してみることをお勧めします。
何がしたいのかという目的次第であり、人それぞれ違うのですが、
ご自身でよりよい商品を選定したい方や、
すでにお子様が小学生ぐらいで児童手当などまとまった貯蓄があり
それらを運用したい方には、一般NISAがお勧めです。
貯蓄があまりなく、まだお子様も小さく、これから児童手当等を使って
コツコツと積み立てしていきたい方にはつみたてNISAがお勧めです。
注意点とまとめ
2018年に始まったつみたてNISAは、すでに600億円近く解約しているのも事実です。
流行っているとか、お得だという理由でとりあえず初めた人は簡単に辞めてしまいがちです。
税制優遇が効いているとはいえ、投資であることに変わりはなく、
投資信託の仕組みやリスクについて理解し、
目的をもって、長期で続けていく必要があります。
ご自身のライフプランに照らし合わせて行えば学費の準備にもお勧めできる
素晴らしい制度ですので是非ご検討ください。
次号では、ジュニアNISAについても解説致しますね。
弊社では、住宅購入前の無料ヒアリングの中で、
ライフプラン作成とその目的に合わせた資産運用のアドバイスも行っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。