こんにちは。
ファイナンシャル プランナー もりつぐ先生です。
今日は「つみたてNISAを辞めてしまったあなたへ」というお話をしたいと思います。
つみたてNISAって2018年に始まったんですよ。
今が2022年で、まだ4年そこらじゃないですか。
恐らくすでに辞めた人って、
「こんなはずじゃなかった」って思ってる人ばっかりなんじゃないかなって思ったんですよね。
だって、スタートするときから、「5年以内で辞めます」っていう設定でやる人って
あんまりいないんじゃないでしょうか?
基本的にはやっぱり、長期で積み立てしていこうかなと思ってたわけじゃないですか。
じゃあ、なんで辞めちゃったの?となるわけですよね。
だから、この辺りのことを理解しておかないと、
次にもう1度始めた時に、また短期で辞めちゃう。
これってめちゃくちゃリスクなんですよ。
やっぱり投資というのは、続けるということが大切ですから。
この辺りのことをしっかり理解していただいて、次に繋げていただけるよう、
お話していきたいと思います。
つみたてNISA
2018年につみたてNISAがスタート
2020年時点で解約したのが519憶
やばくないですか?
めちゃくちゃ解約してるんですよ。
みんな、
「こんなはずじゃなかった・・・」
「なんで続けられないの?」と思っているはずです。
ダイエットみたいな感じと似ているのかもしれません。
でも、国はガンガン推奨しています。
やりましょう、やりましょう、やりましょう!ですね。
貯蓄から投資へ。
高校の授業でも始めてます。
NISAは今度リニューアルします。みたいな話も出てきていますよね。
そうすると、
「え?またやった方がいいのかな?」とか思う方も出てくるんじゃないでしょうか?
もちろん、やった方がいいんです。
子育て世代の方はやった方がいいんです。
つみたてNISAをやった方がいい理由
なぜか?
理由は3つ。
①老後のリスク
少子高齢化で社会保障どうなるの?って話です。
やはり自助努力で、ある程度、年金だけじゃ足りないかもしれない部分を貯めてた方がいいんです。
②物価上昇
現金で貯めてるとどうなりますか?
物の値段はどんどん上がっていってるんです。
今2%ぐらいで物価上昇していってるんです。
ということは、今100万円の現金が手元にあったとして、
今使えば100万円の物と交換できるのに、
30年後には半分くらいの物としか交換できなくなるんです。
ただただ一生懸命、銀行に貯めてると、
このお金って価値としてどんどん減っていっちゃうんです。
物の値段が上がっていくので、買えるものが少なくなってるんですよね。
この物の値段の上昇(物価上昇)に対応した形で、
金利をしっかりと増やしていくってしていかなと問題なんです。
③金融資産の割合
日本人って金融資産の割合で言うと、預貯金が圧倒的に多いんです。
海外を見ると、この何十年間でしっかり資産を増やしてるんです。
日本人はそこまで増えてません。
この原因はやはり、預貯金が多すぎるということなんじゃないかな、と。
この辺りの事を考えるとやはり投資はした方がいいんです。
短期で辞めてしまうポイントとは?
ただ、短期で投資を辞めてしまうと意味がないんです。
なぜ人は辞めてしまうのか?
今日はこの辞めてしまうポイントを3つご紹介します。
①脳の構造
適正株価というものがあります。
つまり、理論上の株価です。
この企業だったら、このぐらいの株価だよね。みたいな感じです。
でも実際には売り買い、需要と供給で決まりますから、
みんなが欲しいって言ったら、値段が上がるわけですよね。
下の図を見てください。
青色が適正株価です。本来あるべき、理論上の株価。
赤色が実際の株価です。みんなが買ってる株価。
青色の適正株価が上がっていくと、人気が出てきて、赤色の実際の株価が追い越しています。
つまり、みんな適正よりも割高な時に、たくさん欲しがって、たくさん買ってるんです。
これはなぜかと言うと、『代表性バイアス』っていうのが働いて、
「もっと上がるんじゃないか?」という感じで期待して買っちゃうんですよね。
一方で、青色の適正株価が下がっていくと、本来なら割安なのでお得なんですが、
取引料もめっちゃ下がっていくんです。
実際の株価は適正より、もっと下がっています。
つまり、みんな売ってるんです。
これはなぜかと言うと、『損失回避』というのが働いて、
「これ以上、もう損したくない」という感じでリタイアしちゃうんですね。
つまり、これを見ていただくと、全然合理的じゃないってことがお分かりになると思います。
高い時にたくさん買って、安い時には売って辞めちゃうんです。
こんな風に、実際の脳の構造はできているんだってことを、まずは知っておいてください。
だから、脳がやりたいように従ってやると、実は合理的にできていない可能性があるよってことです。
②メディアのネガティブキャンペーン
どうしてもメディアって、ちょっと派手に報道したり、不安を煽ったりすることで
視聴率が取れたり、雑誌が売れたりするんですよね。
「株価は全然変わりません。今まで通り。」
こんな見出しのものじゃ、売れないですよね。
そしたら、ちょっと派手に「世界恐慌の足音が聞こえる」みたいなことを言うと、
「え?マジっすか?ちょっと見ておいた方がいいかな・・・」と思わせることができるんですよね。
2016年6月
さあ、何があったと思いますか?
イギリスのEU離脱。
これが報道されて、株価がバーンっと下がったんですよね。
ですが、今、誰も覚えてないですよね。
何もなかったかのように、株価って戻りました。
でも、その当時はめちゃくちゃネガティブキャンペーンやってました。
2020年
こちらはどうでしょうか?
我々の年金って投資信託で運用されていますが、
その年金が7兆円失った!みたいな、こんな報道がされていたんです。
不安になりませんか?ヤバイ!やっぱり投資はアカンわ!みたいな。
そんな気持ちになりますよね。
でも、その後、最高益出してるんですよ。
ですが、その最高益についての報道はほとんどされていません。
投資をしていたら、どうしてもネガティブな情報が入りがちだってことを是非、知っておいてください。
③リスクとリターン
リスクとリターンをそもそも理解していないということです。
これまでに何度もお話してきましたが、
リスクは”危険”ではなく、”ふり幅”のことなんです。
Aになるかもしれないし、Bになるかもしれない。
だから、リスク=マイナスになる、損する
そういうことではなんです。
ですが、多くの人がこう読み替えるんです。
インデックスファンドはリスクが低いってYouTubeで見たときに、
「リスクが低い?つまり損しない?自分の資産が下がらない?」
→そういうのが欲しかったんだ!インデックスファンドを買います!
そうは言っても、株価は普通に上がり下がりします。
なので、インデックスファンドだって下がる時は下がります。
でも、実際に下がると、「そんなの聞いてない!」みたいな感じで辞めちゃうわけですよね。
確かに2010年代ってずっと右肩上がりだったんです。
だから、なんとなくもう大丈夫みたいに思ってたら、2022年の今、バーンと下がってますよね。
そして、結構炎上したりしてますが、いやいや、株価は上がり下がりするものです。
この上がり下がりのふり幅が、アクティブファンドとかの他のファンドに比べて、
インデックスファンドの方が多少、小さいっていうだけのことです。
ふり幅が小さいので、リスクは少ないって言われていますが、
別に損得の話ではないよってことなんです。
そして、我々は生きていたら普通にリスクをとって生活しています。
例えば、車に乗る人。
徒歩で職場まで行くと、30分かかります。
多少ズレたところで、31分か32分くらいで着くでしょう。
これって全然ふり幅ないですよね。あっても1~2分なので、リスクはあまりありません。
では、車で行く場合はどうか。
車で行くと、15分で着きます。
徒歩30分かかってた距離を15分で行けるということは、時間というリターンを取ってるんです。
ですが、車に乗ると、パンクするかもしれないし、駐車場が満車かもしれない。
そう考えると、やはり5分10分のふり幅があるんじゃないでしょうか?
こうやって、みんなリスクとリターンをちゃんと考えて、天秤にかけて、生きているんです。
実はこれ、投資に置いても一緒です。
例えば車の話ですると、すごく大切な試験の日。
ペーパードライバーの人が車に乗って試験会場へ行くでしょうか?
行かないですよね?
なぜかというと、やはり体験していないから。
普段車に乗ってないから、怖いって考えちゃうわけです。
これって投資も一緒じゃないですか?
普段から経験していたら、リスクとリターンをちゃんと考えて判断できるけども、
普段やっていないと、リターンは一旦置いといて、リスクだけ考えて、
これはやらない方がいいってなるわけじゃないですか。
つまり、投資を始める時やもう1回やろうかなっていう時に、
大切にしてほしいのは、
『しっかりと、今のうちに成功体験を作っておく』ということなんです。
これが実は何よりの価値なんだってことなんです。
でなければ、ずっとペーパードライバーのままです。
このペーパードライバーのまま、いよいよ自分の資産が目減りしていく老後に突入した人と、
今まだガンガン働いて貯金とかもできる余裕のあるうちに
成功体験を作ってから老後を迎える人ってこれはかなり差が出てきますよね。
じゃあ、投資におけるリターンは何なのか?
これは企業の業績でしたよね。
企業が頑張って業績を上げたら、それを将来の分まで織り込んで
株価って上がっていくんです。
短期的に見たら、上がり下がりしますけど、投資信託って
世界中の元気な企業をいっぱい買うんです。
その時、一生懸命売り買いして買っていくわけですよね。
世界中の企業を買っていて、そのどれもが業績を上げなかったら、
自分の株価は下がりますが、そんなことってあるでしょうか?
皆さんの会社だって利益上げますよね。
利益上げないと会社は潰れます。
潰れたところっていうのは投資信託では買いませんから、
基本的には長期的に見たら元気なところを売り買いしてるわけです。
そうしたら、長期的に見たら上がるんじゃないでしょうか?
このリターンを理解していたら、短期的にもちろん上がり下がりはあるんですが、
リスクとリターンの関係を考えた時に、
20年以上持てば、過去どこを切り取ってもマイナスにもなっていない。
そんな事実もあれば続けられるんじゃないでしょうか。
まとめ
多くの人が続けられないのには、いろんな要素があるんだっていうことを、
まず理解してください。
リスクとリターンに関しては、まあ知ればいいし、勉強すればいいでしょう。
でも、いよいよ始める時って、そもそもまだ体験してないんだから
続けられない要因になるわけですよね。
そうなったときに、じゃあどうすれば続けられるのか?なんですけども、
これにはいいヒントがアメリカにありました。
2008年リーマンショックが来た時に、
・ゴール設定もしていない
・アドバイザーもいない
こういう人は、大体8割が辞めちゃいました。
ただ、
・ゴール設定をしている
・アドバイザーもいる
こういう人は95%がちゃんと続けたんです。
リーマンショックで、グンっと下がってもちゃんと続けたんです。
そうしたら、今はそのリーマンショック前の2倍くらいに価値が上がってるんです。
それだけの価値を取りに行けたってことですよね。
では、皆さんがやらなきゃいけないことっていうのは・・・
①ゴール設定をする
これってどうするのかって言うと、ライフプランです。
しっかりと自分のライフプランを立てて、目標を設定して、
何のために投資するのか。
これらを決めてスタートさせるということ。
②アドバイザー
できれば、アドバイザーがいると安心です。
誰から入るのか、ということですね。
この人に伴走してもらう、というこのアドバイザーがいることが
どれだけ価値のあることかってことです。
大きなマイナスか何かが来て、メディアがネガティブキャンペーンやって、
不安になった時に、自分で全部調べますか?
ちゃんと聞ける専門家がいるっていうのは、
すごく続けるための価値なんじゃないかな?という風に思っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
こちらの動画で詳しく解説してます。