森次 美尊

継続?払い済?解約?円安の今、ドル建て保険をどうする?『前編』

こんにちは。

ファイナンシャル プランナー もりつぐ先生です。

今回はドル建の保険についてのお話です。

今は1ドルが150円になったりして、
今後しばらくは円安が止まらなそうですね。

これだけ急激にドルが上がってくると、
やはり今後、円の価値はどうなっていくのかと
不安になる人たちも出てくると思います。

中でも、円安と大いに関わりのあるドル建の保険
円安の今、どのように考えたらよいのか。
こちらについて解説していきたいと思います。

最初に少し復習していきますね。

まず「円安」とは、円の価値がドルよりも低くなること
つまり、円の価値が安くなることです。

以前は1ドルが100円ぐらいでした。
これは「1ドルのものは100円出したら買えるよ」言うことです。

それが今は、1ドルが150円になっているので、
「1ドルのものは150円出さないと買えない」
ということは、円の価値が安くなっているでしょう。

なので今は円安という状態なんですね。

じゃあこの円安は良いの?悪いの?ということなのですが、
結論から言うと良い悪いというお話ではなくて、
それぞれに良い点、悪い点があるんです。

ですので実は円安になったから、
ラッキーと思っている人達もいるんですよね。

その人達は一体どういう人たちなのかというと、
典型的なのが
インバウンドで商売している人達は
円安が嬉しい
のです。

例えば、
今の日本は海外ドルを持っている人達から見た場合、
かなりお得な状況なんですよ。

何故かというと、ドルを日本に持ってきて
買い物をしたいので円に換金すると、
1.5倍換金できるので、
日本での買い物が1.5倍分楽しめるということです。

1.5倍安くなってる分、
たくさんのものを買えると考えると
かなりお得ですよね。

それでなくても日本というのは
旅行に行きたい国としてすごく人気があります。

この数年は流行り病もあり
海外旅行へ行きにくくなっていましたが、
今からは規制が緩和していくにつれて追い風となり、
海外からどんどん日本に来だしますよね。

そうなると日本のインバウンド産業である
旅行業や飲食店、ホテルもかなりの利益が出ますよね。

これは日本にとっても良いことじゃないですか。

海外の人たちが日本でたくさんお金を使ってくれるので、
その結果、日本が豊かになっていくということなんです。


もう一つは輸出業です。
輸出業というのは、
日本のいわゆる大手企業に多いんですよね。

例えば、
Panasonic、SONY、TOYOTAなどです。

こういった企業というのは、
車や家電などを海外に輸出して売っているわけです。
なのでドルで売上を計上します。

仮に100万ドルの売上が上がっていたとしましょう。

この売上の100万ドルは日本の企業なので当然、
国内で利益確定しないといけないので
ドルを日本に持ってきて
円に変えてから決算するわけです。

そうすると100万ドルの売上を日本に持ってきたときに、
1ドル100円だったら1億円の売上になる訳です。

ところが今は1ドル150円になっているので、
同じように100万ドルを日本に持ってくると、
1億5千万円になるわけです。

こんな風に輸出業のとってはかなりの追い風となり、
円安の今は海外で商売がしやすい状態なんです。

ですので海外で物を売り、
その売上を日本円に替えることは
輸出業が元気になることで
結果的に日本が豊かになる!ということです。

この話の典型的なのが、戦後の日本経済です。

戦後日本がボロボロだった時に、
アメリカは日本をパートナーにしたいと思ったので
早く日本を復興させたかったわけです。

その時に1ドル360円という、
かなりの円安状態を長く続けることで
日本企業は海外で商売がしやすくなり、
結果的に高度経済成長した日本は
豊かになっていったわけですね。

1ドル360円という円安政策をしたおかげで
高度経済成長したという、
1つの説として言われています。

その他に有名なのが、
1997年末にアジアの通貨危機がおきて、
ウォンやバーツといったアジア通貨の価値が
大幅に下がったことがありました。

当然その時の景気はすごく悪くなったのですが、
翌年にはもう景気復活していたんです。

これはなぜかと言うと、
やはり輸出業が有利に働くことで
結局は海外で商売がしやすくなり、
売り上げたお金をウォンとかバーツに替えた時に
よりたくさん儲かるというような、
海外でお金を稼いできて
自分の国が豊かになるという現象が起きたことが理由ですね。

という風に考えたら、
今インバウンドとか輸出業にとっては
結構長い期間続いている
不景気を脱する可能性になるかもしれない、
追い風になっっているというのも1つ知っておいて
いただけけたらと思います。

ここまで振り返りをしたところで、
いよいよ本日の本題です!

ドル建保険をどういう風に考えるのか⁉
ということをお伝えしていきたいなと思います。

ドル建保険と言っても色んな種類があるので
今回はドル建保険の考え方で
王道の2つのケースをお伝えしますね。

① 期間を決めて一括でお金を増やす方法

・決めた期間の間に一括で支払い、まとめて増やしていくパターン
 例)一時払のドル建保険

② 月払いや年払いでお金を増やす方法

・10年ほど月払いや年払いで保険料を支払い、
 一生涯切れない保障付きで
 支払ったものを一生涯ずっと置いておくというパターン

この2つは戦略が全く違うので、
今回は【① 期間を決めて一括でお金を増やす方法】を
お話したいと思います。

まずは一括で支払い、
期間限定で一気に増やしていくというタイプの
保険についてですが

仮に1万ドル分のドルを買ったとします。
一括で買うので1ドル100円の時だったら
100万円払えば、1万ドルのドルを買える訳です。

これがドル建の期間限定の一時払の保険だったら
この100万ドルが期間限定で
[10年間・〇%で増やします]という
利率が確定しているので
確実にドルベースでは増えていきます。

少し前までは利率が1%とかで本当に低かったですが、
今では4%ぐらいの利率がつくようになっているんですよ。

利率が1%の低い頃からに比べると
4倍ぐらいになっているので、
これはいいね!増えるね!となって
買う人も増えています。

仮に1万ドルを買って4%の利率でいくと、
10年目には1.48万ドルに増えて、
約1.5倍ぐらいになっていく訳ですね。

つまり、ドルベースで確実に1.5倍になるんだよ
ということですよね。
しかし注意してほしいのが、
ドルベースとゆうことは、
ここに為替という問題が出てくるわけです。

例えば、
1ドル100円で買ったら、1万ドルは1ドル。
100万円出したら1万ドルを買えたのに、
今1ドル150円ぐらいになっているから
150万出さないと1万ドルが買えないんですよ。

では150万出して1万ドル買えました。

この1万ドルでのドル建・期間限定の一時払い保険
1.48倍ぐらいまで増えていって、
1.48万ドルになりました。

これを円にして解約する時に
1ドル100円になってたとしたら
148万円になって返ってくるわけです。

わかりますか?
まず円でドルを買い、
そしてこれがすごくいい状態で
ドルで増えていくことが確定していて、
実際に増えました。

最後にこれを利益確定して
買ったドルを円に戻す時に、
為替がどうなのかという事がとても重要
なんですよ。

というのはこういったドル建・一時払い保険というのは、
利率が10年と決まってますけど
10年経ったら利率改定されたり、
そもそもこの保険は終わりますよ。
という場合もあるわけです。

ということは短期で増やそうとすると、
その時の為替がどうなるのかということが重要になってくるので、
10年という期間を決めている分、
どうしてもギャンブル性が高いものになってきます。

ですので逃げ道としては、
この10年目で仮に1ドルが100円ぐらいになって
損するかもしれないと思えば、
もうドルで解約し、ドルの口座に置いておいて
海外に行ってドルを使いますという人は、
この出口の為替を避けれるじゃないですか。

この後も4%から利率は改訂されるけど、
その後も保険自体は続くので
長く置いておけるものであれば
為替がどこかでまたいい感じになってくるまで
しばらく置いておこうかな。というのもいいと思います。

やはり資産を分散するにあたって、
円だけじゃなく他の通貨も持っておくことは、
資産を守るという意味でとても価値があるので、
そういったことをするとしたら
ドルベースで今しっかり増えていってくれる
利率が確定してる状態はある意味、
とてもありがたいことですよね。

注意点として、
短期間で儲けを出して資産を増やしたいという計画には
ギャンブル性が高くなるということは、
しっかり知っておいてほしいなという風に思います。

次回の投稿では
② 月払いや年払いでお金を増やす方法】について
お伝えいたしますね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

本日のコラムは、こちらのYouTube動画でご案内してます。