森次 美尊

逆イールド!アメリカ景気後退!! どうなる!? S&P500

こんにちは。

ファイナンシャル プランナー もりつぐ先生です。


この10年間、アメリカはかなり景気が良かったんですが、
”いよいよアメリカ神話が終わって後退するんじゃないの?”という
噂が流れているんです。

アメリカの景気がかなり良くてすごく儲かってるらしいので、
アメリカの株を集めたような投資信託の中にある、
例えば S & P500とかこういったものが
今めちゃくちゃ売れてるんですよ。
「私買いました」っていうように、これを保有している人はいっぱいいます。

そんな中、
『 いよいよ、アメリカ景気が後退かも知れないよ。』
なんてニュースを見たら
『 え?これどうしたらいいの?今の高い内に売ればいいの?』
という風になるんじゃないかなと思ったので、
その辺の解説を今日はしていきたいと思います。

今回もどうぞよろしくお願いします。

アメリカ景気後退の噂の正体とは?:逆イールド状態

まずは何でアメリカが景気後退するの?と言うような
噂が出たかという原因ですが、逆イールドという状態に入ったんです。

これはどういうことなのか説明しますと、少し難しいんですが、
逆イールドという状態に入ると「景気は悪くなる予兆なんだ」と言われているわけですね。

じゃあそれはなぜか?なんですけど、
逆イールドというのは、
今の米国の2年債と10年債というのを比べた時の状態です。
2年債・10年債とは何なのか?と言うと、国債なんですね。

アメリカの国債とは、簡単に言うとアメリカの借用証書です。

まずアメリカがお金を集めます。
逆にお金を貸す側にすると、アメリカにお金を貸しておいてあげるよ。
と言ってその代わりにアメリカから借用証書をもらうわけです。

これを「2年間貸しといてあげるからその間は返さなくていいよ 」
というのがアメリカの米国2年債のことで
2年間は返さなくて良い借用証書です。

アメリカに預けて「これは10年間は返さなくていいよ」って、
長期で見てくれるものが米国10年債というものです。
これで10年間返さなくて良いという借用証書をもらう
こういうやつなんですね。

この2年債と10年債を比べた時に普通に考えたら、
2年間だけ貸しておいてあげるよっていう人と
10年間貸しておいてあげるよっていう人がいたら
どっちの金利を高く付けますか?

それは当然10年間貸してくれる人の金利を高く付けるじゃないですか。
だからこの短期の人よりも長期で預けてくれる人の方が
金利は高く付けるのが当然なんですが、

今米国の2年債という「2年間返さなくていいよ」
という金利が4.4%なのに対して
米国10年債という「10年間返さなくていいよ」

という金利は4%なんですよ。


なので今2年間の方が金利が高くなっている…
おかしいですよね。

これが、逆イールドという状態なんですね。

なぜ逆イールド状態になったのか?

短期金利

じゃあなぜそんなことが起きてるのか?なんですけども、
短期のものは短期金利と言われており、”2年間”って短期金利なんですよ。

この短期金利は基本的には中央銀行(政府)が決めると言う風に言われてます。

中央銀行というのは、つまり政府ですよね。
政府が今、政策金利っていうので金利をガンガン引き上げているんです。

どういうことかと言うと、
今アメリカってすごい景気が良くて、
物の値段が年率8%ぐらいのペースで上がっていってます。

これって大変なことになると思いませんか?
この状態を3年ぐらい続けたら、
モノの値段が25%以上とかに上がるわけですよね。

ということは、100万円のものが125万円とかになるんですよね。
もし、家とか買うってなったら、物凄く高い値段になりますよね。
3000万円の家が4000万円ぐらいになるとかなってくるわけですよ。
そうなると、もう普通の人は家を買えない!という風になるので
かなり貧富の差が開くんですね。

そうなるとさすがにヤバイよね、と言うことで
今はちょっと異常事態だから、
政府が『お前らみんな落ち着け落ち着け』ってなるわけです。

物価と金利の話

物の値段って何で上がるんでしょうか?
みんなが欲しいと思うから上がるんです。
みんなが「俺も欲しいです」「俺も欲しいです」って言うから
どんどん値段が上がるわけですよね。

例えばみんながビル建てたいとか
みんなが家建てたいって言ったら、
そのための足場屋さんとか建築屋さんは、
全然人が足りなくなるんです。

足りないから、ちょっと物の値段を上げていくんですね。
物の値段を上げて本当に高いお金を払ってくれたところに行く!
みたいな感じになるわけです。

みんなが欲しい状態で、物の値段が上がってるんだから
欲しい欲しいって言ってる人たちを落ち着かせないといけないわけです。

落ち着かせる時にはどうするかというと金利を上げるんです。

これが政策金利を上げるということ。
金利を上げると、借金しにくくなるんです。

だからこういう状態の時って、例えば家買う時って借金するものですが、
「借金してでも今、家建てたいです!」って言う人が多いわけですよね?
そのときに金利を上げると、借金の金利が上がるので、
「えーこんなに上がったの?!」
「うわーちょっと今はやめとこうかな」
と落ち着いてくれます。

企業であっても、
「ここにビル建てるぞ」とか
「設備投資で工場を作るぞ」
っていうのをやろうと思ったんだけど、金利が上がってるのが分かると、
「ちょっと今は落ち着こうかな」
っていう風になりますよね。

こんな感じで、落ち着かせよう、落ち着かせようとします。

この【政策金利を持ち上げる】という作業は、【景気を落ち着かせよう】
つまり、【景気を後退させよう】という風に政府が動いているということが言えますよね。


だから短期の金利が上がってきています。

長期金利

長期金利はマーケットが決めると言われています。

例えば、銀行がどこかの企業に「1億円を借りてくださいよ」って話を
持ってきたとします。

銀行がお金持ってきたので、この企業は1億円借りれる状態になりました。
この1億円を借りるか、借りないかの判断って
この1億円を何かに投資して、回収できるかどうかってことを考えますよね。

例えば、
技術投資したり、設備投資したり、人材投資したら
絶対にこの1億円は回収できるよね、儲かるよね。となれば、
企業は「ありがとう」って言ってこの1億円を借りて、
企業成長させるための投資をやるんですが、
将来が不安だったら、
「これ絶対回収できないじゃん」とか
「いやいや今、1億円で投資してる場合じゃないでしょ」みたいなことになって、
「いや今は1億円いらんわ」ってなるんですよ。

企業側に「いらんわ」と断られると
銀行にしてみたら借りてくれないってことで、
商売にならないので今度は、
「そしたらちょっと金利下げますんで、この金利でどうか借りてくださいよ」ってなります。
企業が「いやいやそれでもいらない」と言うと、
さらに「じゃあちょっともっと金利下げますので借りてください」みたいな感じで
今、どんどんどんどん、マーケットが
将来が不安なのでお金を借りない=金利が下がっていく状態
これに入ってるんですよ。

なのでこの長期金利の方はどんどん下がっていっているんです。

この下がってる理由はマーケットが将来に対する不安を考えているからなんですよね。

まとめ

短期金利の方は上がっている
この理由は政府が景気を後退させようとしているから。

長期金利の方は下がっている
この理由はマーケットが将来不安だと思ってるから。

つまり、どちらも将来景気後退するよね。っていう風に動いてるんですよ。

それで、この逆イールドっていう状態が起きているということなので
【逆イールド状態に入ると景気後退の予兆】
という風に言われている訳です。

世界情勢の影響

他には、世界の情勢も影響しています。
ロシアとウクライナも、いつまで続くか分からないじゃないですか。
あとは中国共産党も、今さらに力をつけてきていて
「台湾攻めるぞ」なんて言ってたら
当然アメリカとしては黙ってられないよってなるので、
「米中で戦争になるかもしれない?!」なんて言ったら
やっぱりちょっとこれは将来不安になりますよね。

今、そんな風になっているよということなんです。

結局どうしたらいいの?

今日は【逆イールド】という言葉を勉強していただきました。
【逆イールドが起きると景気が後退する予兆なんだ】
ということなんです。

では、それを皆さんの生活に置き換えていきましょう。
皆さんがちょっと前に、
アメリカがすごく良かったからって買ったS&P500とか
アメリカの投資信託ですが、
『今売るべきなのかどうなのか?!』なんですけれども
何度も何度もお伝えしてきましたね。

投資にマーケットの予想は必要ありません。
投資というのはしっかりと成長させる行為です。



例えば子供に英会話を習いさせて、月謝として1万円払います。
1万円払ってんだから、来年には結果出せよって言いますか?

言いませんよね。

子供が長期的に、しっかりと成長してくれたらいい。
そんな想いでお金を出すんですよね。
これを自己投資という風に言います。

つまり投資というのは、長期的に成長させる行為なんです。

短期で一喜一憂するものではありません。
恐らくそのS&P500を買った時・投資信託を買った時というのは
長期的に自分は老後の資産形成をしたいなとか
もっと長期で物事を見ていたはずじゃないでしょうか?

であれば、長期で見続けましょう。

短期で一喜一憂するのではなくて、
本来の資産形成の目的に立ち返ってしっかりと成長させていく。

そういう長期ビジョンが投資には必要なんだよっていうことでした。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。




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