こんにちは。
ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。
今回は、投資信託にかかる手数料について解説します。
大きく分けると『信託報酬』と『購入手数料』の2つあります。
① 信託報酬
これはその投資信託ごとに決められた%が、
その投資信託の保有残高総額から毎年控除されます。
例えば、1%の信託報酬だったとして、100万投資信託を買ったとします。
初年度は全く増えていなくて100万円のままだったら?
100万円の1%で1万円が控除されます。
実際にはそれを365日で分割して毎日控除されますし、
通常はそれ以上で運用されているので控除されている感覚はないのですが、
信託報酬はこの投資信託を保有している限り生涯毎年控除されます。
例えば、この100万円で買った投資信託が30年後1000万円になっていたら、
1000万円の1%なので10万円が控除されます。
つまり、お客様の保有残高が増えれば増えるほど
控除される信託報酬の額は大きくなります。
②購入手数料
信託報酬に対して購入手数料は全然違います。
これは、その名の通り購入時のみにかかってくる手数料です。
3.3%(税込)が一般的です。
これが内税で抜かれますので、仮に100万円を使って投資信託を購入したなら、
31,945円差し引かれえて968,055円分購入することになります。
購入手数料は購入時のみですから、
この後この投資信託を30年保有して
仮に資産残高が1000万円になっていたとしても、
購入手数料は購入時の最初にかかった31,945円のみです。
購入手数料は悪?
信託報酬はどこで誰から購入しても基本的には変わらないのですが、
購入手数料はネット証券で担当者をつけずに購入などをすることでかからなくなります。
これをノーロードと言います。
よくユーチューバーなどが、この購入手数料を叩いていますがどうなのでしょうか?
下記図を見てください。
これは某投資信託を1998年に100万円購入し
2022年時点でどうなっているのかという図です。
青線は購入手数料がかからなかったパターンです。
100万円が510.38万円になっています。
一方赤線は購入手数料として約3万円抜かれ97万円で
投資信託を購入したパターンです。
2022年時点で495.07万円になっています。
その差は15.31万円です。
もちろん全く同じ条件であればかからないほうが良いに決まっています。
ただ、24年間信頼できる担当者がアドバイザーとして
伴走してくれるとしたらいかがでしょうか?
一年あたり6379円支払う事で、様々なアドバイスを聞くことができます。
途中大きな経済不況が来て、自分の資産がかなりマイナス評価になったら?
それでなくてもこの8年で4回制度が変わったのがNISAです。
また制度が変わった時に最適な方法を考えなければいけません?
証券会社から不意に書類が届き、様々な手続きが必要になったら?
解約時の出口戦略は?このようなことを全て自身で調べて
手続きを行うとして、その時給を考えたら?
購入手数料って本当に悪なのでしょうか?
一般の人が常に情報をアップデートし続け、すべてを自分で
行い続けることはかなり難しく、現実的ではないという警告は、
政府もアドバイザーの必要性という形で発信しています。
購入手数料のイメージが悪い理由
ではなぜここまで購入手数料のイメージが悪いのでしょうか?
それは日本人の投資信託の平均保有期間が2年半という事実に起因します。
2年半で売り買いをさせられていたら
その度に3.3%が抜かれるわけですから、かなり大きな手数料になります。
つまり、長期投資においては大した手数料ではなくても
短期売買していると大きな手数料になってしまいます。
ラップのフィーって?
購入手数料よりも悪質なものもあります。
購入手数料を無料にし、売り買いを証券会社が行ってくれる
ラップという商品があります。
購入手数料の代わりに、この商品を維持するために必要な手数料が、
フィーという形で毎年かかってきます。
仮にこの手数料が1%かかった時が下図の灰線です。
2022年時点で399.82万円となり、
購入手数料3%がかかるパターンと比べ約100万円も少なくなります。
まとめ
日本人特有の手数料はよくないものだというイメージがあります。
それならリッツカールトンホテルはどうなのでしょうか?
アパホテルよりも手数料は割高ですが、
それだけのサービスを提供してくれます。
一概に手数料=悪としてしまうと、本質を見失ってしまいます。
投資の目的が、仮に安心した未来を手に入れることであれば?
購入手数料がかかっても担当者がいた方が安心しませんか?
仮に長期で保有し、しっかりと資産を増やしたいのであれば?
購入手数料よりも、途中で辞めてしまうリスクの方がよっぽど大きくないでしょうか?
であるならば、入り口でちゃんと
『 長期間続けられる仕組みと、納得感とそれに見合った金融商品 』
を選択するべきです。
そこにアドバイザーの価値があるのではないでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。