森次 美尊

住宅ローンの質問3選!繰上返済・借り換え・カードローン

こんにちは。

ファイナンシャル プランナーもりつぐ先生です。

今日は住宅ローンに関するご質問、3つにお答えしていきます。

Q:その1
住宅ローンを組む前に、車のローンやカードローンは全て返済しておくべきだ
と親から言われました。
車のローンがまだ50万ほど残っていますが、何か意味があるんでしょうか?


A: 意味はあります。

①返済比率

これには 返済比率 というのがすごく重要になってきます。

では、住宅ローンについて解説していきます。

まず、住宅ローンというのは誰でも好きなだけ借りれないんですね。
自分の収入に対して大体3割 ~ 4割(間を取って35%にしましょう)
と決まっています。


例えば、あなたの年収が500万円の場合、
「500万の35%分しか借りれないよ。
つまり、年収の35%分しか返済する力がないよね。」
という風にみなされるんですね。

そこにもちろん利息も加味して、年間の支払いの枠が決まります。
これが35年ローンで組む場合、年間返済額に35をかけたものが
あなたの借りられる金額となります。

利息等も含めて計算すると、
この方は住宅ローンを、大体3293万円借りられます。

ところが車のローンが50万円、期間で言うと2年間残っていたとします。

ということは、1年で25万円返さないといけない計算になって、
つまり500万の年収の内、35%分しか返済能力がないのに
そのうちの25万円をあなたは、もうすでに使ってるよね。

と、枠を縮められるわけです。

ということは、これだけ分の利息も入れて35年分ってなるので
2823万円分しか貸してもらえないという計算になる訳ですね。

買いたい家に対して、しっかりとお金を借りたい
って言った時に
住宅ローンのほかに返済しないといけないローンがあると、
借りられる額がかなり下がってしまいます。


3293万-2823万=470万 なので、
借りられる額が500万近く下がりますから、これって大きいですよね。

つまり25万円の2年間分で計50万円の車のローンが残ってるだけで、
何百万も引き下げられる
って事が言えるわけです。

②ブラックリスト入りを防ぐ

もう一つは、シンプルにやはり借金があると、
今月うっかり返し忘れた!
っていう時があるかも知れないじゃないですか。

そうするとブラックリストに載るので、
そもそもローンを貸してもらえない。というリスクもあるんです。

ここで注意としてあげられるのは、携帯の通信費。

通信費自体は別に借金ではないので滞っても、ブラックリストに載ることは無いんだけど、
通信費の中に携帯の端末代金を分割で払っていくタイプにしている人もいますよね。

あれって実は借金と一緒なんです。

つまりうっかり返し忘れると、借金が滞ったっていうことになるわけです。

携帯料金の支払いをうっかり忘れちゃったって言うだけで、
もしかしたら住宅ローンを借りにくくなるかも知れません。
くれぐれもご注意ください。

ローンを返し忘れるとブラックリストに載って、
住宅ローンを貸してもらえないリスクがある。


Q:その2
10年ほど前にマンションを購入しました。
100万円貯まったので、繰り上げ返済を検討しようと妻と話しています。
繰り上げ返済返済額軽減型 ・ 期間短縮型 どちらがお得ですか?


A: 期間短縮形が圧倒的にお得


そもそも返済額軽減型と期間短縮型って何?

この質問者さんが住宅ローンを100万円繰り上げ返済したとします。

ということは元金を返すことになるので、
今までと支払いプランが変わるんですよね。

今までよりは、ちょっと返さなくて良くなるわけじゃないですか。

この返さなくてよくなった分を、
①毎月の支払い金額を下げることで按分(※)して相殺していく方法
 =返済額軽減型

※ 按分(あんぶん)= かかった費用を決まった基準に沿って振り分けること。

② 35年だった支払期間を34年とか33年と短くして、毎月の支払い金額は一緒にする方法
 =期間短縮型

①と② 果たしてどちらがお得なのか?

利息というのは資産運用の所でも言ってきましたけど、
時間との関連性がものすごく大きいんですよ。

なので、やっぱり期間を短縮した方が圧倒的にお得になります。


この説明についての事例を、一度計算してシュミレーションしてみましょう。

🔶例:
3500万円のローンを金利1%、35年ローンで
元利均等( 毎月同じ金額を返していくタイプ ) で組んだ場合:


毎月9万8799円を返していかないといけません。
総払込料が4150万円になるんですね。

この方が10年経ったところで100万円を繰り上げ返済したとしましょう。

そして10年と1ヶ月目に100万繰り上げ返済をして、
返済額軽減型にすると、支払いが3600円ぐらい安くなって
毎月の支払額は9万5148円になりますね。

毎月ずっと3千円ちょっと安くなるわけです。

総払込料で言うと4136万で済むので、総払込料は14万円軽減されている訳です。

一方で、期間短縮形というのを選ぶと1年1ヶ月間、支払期間を縮められるんです。
すると総払込料4121万円になるので、こちらは総払込料が29万円お得になります。

つまり100万を10年1ヶ月目に繰り上げ返済することで、
返済額軽減型を選べば、総払込料が14万お得なんだけど、
期間短縮型を選ぶと、なんと29万円もお得になるので
倍ぐらい変わってくるということですから、圧倒的に期間短縮型の勝ちという風になります。
 
 



Q:その3
結婚した夫の持ち家のローンがあと20年ほどあるのですが、
毎月支払ってるローンの1/3が利息。
利息を少なくするには、まとめて100万円ずつ支払った方がいいのか、
月々の返済金額を多めに、返済する方がお得なのでしょうか?

これは、ちょっと難しいんですけど、まずこの都度都度100万円ずつ払うやり方とは、
つまり繰り上げ返済のことですね。

「ローンの支払いは毎月あるけどちょっとお金が貯まったから、
繰り上げ返済していきましょう。」ってことです。
これはローンの元金を返していくことになるので、質問2の回答でも言ったように
かなりお得になります。

もうひとつのやり方として、月々の返済金額を上げるって言うのは
返済計画の設定を変えるということになりますけど、この方法は基本できません。

返済計画の設定を変えることは基本、出来ない。


基本、出来ない!んですが、、、
僕が知ってる限り、この方法ができる銀行は一つだけありまして、
かなりマニアックなやり方になりますが出来ます。

やり方としては、

月々10万円の支払い → 20万円に変更。
この追加で払った10万円を全部、繰上げ返済に回して行くんです。

要は繰り上げ返済をするだけなので、
この質問の回答は、

A: どちらも同じ。
① 都度都度まとめて払う
② 返済金額をもう少し多くする
 
結果的には一緒です。

結果が一緒という答えが合ってるのかも知れないけど、
基本的にはこの月々の返済額を下げるのは、支払いが結構きつくなった時に
交渉したり、期間を延ばしたり、色々できる可能性もあるんですけど
返済額を上げるっていうのは、基本的にほとんどできないので、シンプルに貯まった分を返していく。
でいいんじゃないかなという風に思っています。

【POINT】この質問の隠れた問題点とは?

ただ僕は、この方は他の問題があると思ったんで、
これについて解説したいと思います。

いつローンを組んだかによって、
変動金利が高くなる場合がある


この方は、ローンがあと20年あるって書いてますが、
35年で組んだローンの場合、15年前にこの家を買ったと推察できます。

質問を受けたのが、2022年ですから2007年に買ったのかな?
なんて想像したわけですね。


2007年って実際の返していく変動金利が、
大体1.7%から2%ぐらいだったんですよ。

今の金利って0.4%から0.7%ぐらいとかなんで、
今と比べると2007年はかなり高かったんですよね。

今、仮に残りの支払いが2000万円あるとしましょう。
この方の場合、ローンが残り20年で、1/3が利息って言ってますよね。

20年前の金利が1.7%~2%の時代なので、仮に2%で計算します。

するとちょうど毎月10万円くらいの支払いになるんですが、
そのうちの利息が3.3万円でちょうど1/3になります。

こう考えると、利息が高すぎるよね、ってことなんですよ。

住宅ローンの金利を下げたいなら借り換えがオススメ!!

今の時代じゃ考えられないぐらい高い金利の時代に、ローンを借りて
その金利を未だに払い続けている可能性があるんじゃないかな。と、考えました。

なので繰り上げ返済は、もちろんやればいいんですけど
まずやっていただきたいのは借り換えです。

借り換えというのは、今とは違う別の銀行で住宅ローンを借り換えるということ。
今 他の銀行を探せば同じ変動金利でも0.7%ぐらいの銀行は見つかると思います。

じゃあ今の銀行から、新しい銀行に借り換えるということをやるわけですね。

ただし、この借り換えた時に諸経費というのが当然乗っけられるわけです。

諸経費が乗っけられても、仮に今すぐに2%から0.7%に借り換えたとしたら
毎月10万円の支払いが毎月8万9000円まで下がるので、かなりお得です。

これは銀行によりますが、他所に行ったら安くなる事が分かってるので
まずは今 自分がローンを組んでいる銀行に行って、
「安くして欲しい」って言ってみてください。
もし、今の銀行がその提案を受け入れてくれたら、面倒もかからないし、諸経費もかからないです。

ただこんなに安く、0.7%ぐらいまでは下げてくれないでしょう。

でももしかしたら0.9%ぐらいまでなら下げてくれるかもしれないので、
それなら同じ月8万9000円ぐらいで済むわけですから
月1万円以上安くなるので、これをまず考えた方がいいんじゃないかな、と思いました。

ただ、そもそも毎月の支払いがめちゃめちゃ安くて
3万とか4万ぐらいなんですよ。って言う話になってくると、
借り換えした時の諸経費の方が、逆に高くなってきたりするので、
今回はローンの残債が仮に2000万円 残ってるケースで計算しましたけど、
この方があとどれだけローンが残ってるのかで考えていただいたらいいのかな。と思います。

月々のローンの支払が3万とか4万だとしたら、
総払込料ってめちゃくちゃ安いじゃないですか。

その場合、もう一気に繰上返済で全部返しに行った方がお得!になるかもしれません。

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