森次 美尊

徹底検証!新NISA vs ideco 向く人、向かない人 どちらを始めますか?【後編】

こんにちは。

ファイナンシャル プランナー もりつぐ先生です。

さあ 来年2024年からNISA拡充 ということで
前回に引き続き 新NISAiDeCo
この2つの制度について、お話していきます。

まずは、真ん中の積立している期間中について見ていきましょう。

この積立期間中はどういう状況になっているのか?
例えば、ある商品を1回買ったとします。

iDeCoには、1点 最大のデメリットと言われている事があります。

それは、買った商品を置いておいても
途中で引き出せないんです。

例えば、40歳iDeCoをスタートしました。

50歳の時に、どうしても子供の学費とかで必要になったとします。

そうなった時でも、iDeCoって途中で引き出せないんです。

iDeCoは 原則60歳以上にならないと引き出せません。

60歳以上だとしても、例えば55歳で始めたりとか
始めてからまだ期間が短いなら、更にもう少し先にならないと引き出せません。

途中で引き出せないというのが、かなりのデメリットですよね。

子育て世代の方は、iDeCoで積立を始めてからでも
どこで、どれだけ学費がかかってくるかなんて
ハッキリとは、わからないですよね。

なので、
ライフプランを作ってみて、本当に60歳まで
一度も引き出さずとも大丈夫なのか?

ということを、しっかりと考えることをお勧めします。

例えば、子育て中に
「どうしても学費が必要になったからお金を引き出したい。」
ってなったとします。

そんな時でも、iDeCoは将来の資産形成である
自分の老後のためのお金を貯めてるわけですよね。

” 学費として使えるまとまったお金がない!”
という場合でも引き出せないんです。

その結果
” 子供に奨学金を借りさせなきゃいけないことになるかも知れない ”
ということですよね。

これってやはり、親としては不本意じゃないですか?

だって子供に借金を背負わせておいて、
一方で自分の老後のために資産形成してるわけですよね。

「これってなんかおかしいな。」
なんていう、複雑な気持ちになるかも知れないですよね。

なので

① しっかりした計画のライフプランを作る。
② 家計に無理のない範囲で運用する


という この2点がかなり重要なポイントになります。

iDeCoの途中(運用中)のメリットって何?

一方で、
iDeCoを運用していく途中のメリットって何なのか。
これについて解説していきます。

これは、
「スイッチング配分指定が自由に出来る。」
ってことなんですね。

これって今でも出来るんですけど、例えば投資信託でこの商品を買って
ずっと置いてるけど、やはりちょっと別の商品に
切り替えたいと思う時ってあるかも知れないじゃないですか。

基本的に長期投資で運用してるなら、そんなことはしなくていいです。

例えば60歳で出口が見えてきて、
そろそろ出せるようなってきたし お金を出したいなと思ったとします。

その手前の57歳ぐらいになった時に、ある程度いい感じに増えていたら
もう安定資産に変えていきたいし、少しずつ比率も変えていきたいな。

と考えて、これを自分でやってみようとなったとして、
中で今まで貯めてたAと言う投資信託を売ります。

そして、現金化されているBと言う投資信託に変えます。
ということができるわけです。

この流れのことを スイッチングって言うんですね。

いろんな商品が中で売り買い出来ちゃうよって事です。

でも、いくら売り買いを繰り返して
利益が上がったとしても、これには税金はかからないんですよね。

実際のところ 中でやってるだけで、利益が上がっても
自分は引き出せないので、手元にお金は入らないよ。
ということになるわけですね。

あとは、配分指定も変えられます。

例えば Aという商品を買ってたんだけど、
来月からBという商品に変えて欲しいな。
と思ったとしても、自由に出来ます。

商品を変える事に対して、別に手数料もかかりません。

その部分がすごく良かったんですよね。

これって過去のお話ではなく、今もすごく良いんですよね。

だから途中で引き出せないけど、
こういった配慮で、この中での色々な変更は自由に出来るわけです。

つまり、iDeCoというのは私的年金であって
自分年金を作りましょう。
という制度ですから、途中で出せるわけがないじゃないですか。
というお話なんです。

別の視点から見てみると、
” 絶対出せないからこそ、
大きくまとまった額が貯まるんです! ”


という考え方も出来るわけです。

いつでも出せたら、なんとなくいつの間にか
使っちゃったりしますよね。

なので、やはり老後の安心を買うという目的であれば、
僕はここもすごくメリットとも取れる。
という風に思います。

その人のライフプランの適正に合わせて選びましょう。
と言う事ですよね。

投資信託のスイッチング

掛金の配分変更
● 商品Cから商品Dに積立を
  変更した例

NISAは期間によらず、いつでも引き出せる。

NISAの引き出せるしくみは、どうなっているのか。
についてお話していきます。

iDeCoは、途中で出せないけど NISAは引き出せるんです。

運用期間中、お金が必要になって引き出したとしても
NISA枠の範囲内なら、非課税になりますよね。

ただ、今まではスイッチングのような
『1回引き出しちゃうと、この枠は二度と使えないので、
もう1回 NISA枠でまた買い直す。』

というのが、引き出した年なら出来たけど
今までの制度では出来なかったんです。

例えば、2020年に120万の枠を買いました。

そして今、2023年なので1回 全部引き出します。

そうしたら2020年に買った枠は、
今はもう残ってないわけじゃないですか。

2023年の枠なら出来るけど
『2020年の枠でもう1回買わせて欲しい。』
と言っても、ダメなんですよ。

だから基本的に売り買いは、しない方がいいわけです。

NISA拡充で1年経てば
買い直しが出来るようになった。

その年の使える枠いっぱいまで使った方がいいよね。
という話だったんですが、今回のNISAの拡充で
1年経てば、買い直しが出来るようになりました。

今回から、そもそも期間が無期限になったので
例えば、今年 NISAを成長投資枠で運用したら
最大1200万まで積立て出来るわけです。

5年かけて1200万までずっと増えてた商品を
やっぱり途中で学費に必要になったので、
半分ぐらい出したとします。

半分出せば、空いた半分の枠に対してまた
新たに買い付けが出来るようになるんです。

1年経てば 買い直し可能の制度は、
iDeCoにはありましたが、NISAには無かったんです。

なので、Aという商品を買ったけど、やっぱりAは売ろう!
といった事も出来るようになったんですね。

ここでちょっと考えてみたら、
引き出し不可のiDeCoは、NISAに比べてその点が
かなり負けてるかなって感じがしますよね。

といった感じで、NISAにこの制度が出来たのが大きいです。

これについて僕は、以前 他の動画 でも喋りました。👇

ここだけは注意!新NISAの落とし穴は購入手数料?信託報酬?
【前編】【子育て世代のお金の教室】 – YouTube

ここだけは注意!新NISAの落とし穴は購入手数料?信託報酬?
【後編】【子育て世代のお金の教室】 – YouTube


買い直し可能の制度は、金融機関にしてみると
ビジネスチャンスとなる”


ということが言えると思います。

NISA制度変更で、目的とは違うことを
させられないように注意!!

投資信託の中のある商品を、利益確定したとしましょう。

ですけど「もう1度売って、新しい商品を買いましょう! 」
といった感じで売り買いさせられるたび、購入手数料を取られます。

結果的に自分の資産は、全然増えてないよね。
みたいになって、投機のような事をさせられる可能性もあるという事です。

その点 iDeCoは途中で出せない仕組みなので、
そんなことはなかったんですね。

売り買いをしたとしても、どちらにしろ
現金化はできなかったわけです。

なので、別に問題なかったわけです。

ですけど、NISAにこの機能が備わるということは
そこに目をつけて、ビジネスチャンスを求めてやってくる人もいて、
結果的に自分の目的とは違うことをさせられてる可能性もあるので
これについては、注意して頂きたいところです。

そして、
最後は出口のお話 です。

iDeCoのデメリットは出口が本当に難しいんです。

これについて、僕は過去の動画でも喋ってますけど
いろんなパターンが想定できるんです。  

👉  専業主婦がiDeCoを始めるメリットと注意点【子育て世代のお金の教室】 – YouTube

👉  DC?iDeCo?併用?制度改正はお得になる?【子育て世代のお金の教室】 – YouTube

まず基本は、
一時金で受け取るか、年金受取にするのか
どちらか選べるわけです。

一時金で受け取ると、退職金と同じような扱いで
退職所得控除という税制優遇の特典があります。

年金で受け取ると、普通の我々の公的年金と同じ受け取り方で、
税制優遇が使えるようになります。

公的年金等控除で年金と合わせて受け取ると
税制優遇がほとんど効かない人の方が多い。

結論、年金と合わせて公的年金等控除で受け取ると
税制優遇がほとんど効かない人の方が多いです。

なので、あまりメリットは無いです。

退職所得控除を使うと、例えば仮に30年間で
これをiDeCoを積み立てた人がいたとしたら
1500万までは非課税枠
というのを取れるんです。

ただ 別で退職金がすでに1500万あれば、
退職所得控除はこちらで使っちゃうので
基本的にこの制度は無くなっちゃうわけです。

なので、合わせ技を使います。

これって、退職金がない人は有利だったりするんです。

例えば 専業主婦の方って、

「入口の所得控除が使えないしメリットが無いな。
だから私は、iDeCoじゃなくてNISAの方がいいな。

なんて考えていたりしたとします。

そもそも専業主婦の方って、退職金がないじゃないですか。

だからどれだけ増えたとしても、1500万までだったら
非課税枠 って取れるんです。

という風に考えたら、これはこれで使いようによっては
メリットともいえますよね。

逆に給料がすごく高い人って、入口の所得税が高いですよね。

なのでメリットもあるけど、
もしかしたら退職金もかなり多いかも知れないですよね。

という風に考えたら、税金も結構取られるかも知れないよ。
ということが言えるので、iDeCoの出口ってややこしいんですよね。

だから ケースバイケースで人によりますが、
基本的に自分の退職金が、しっかりとあるのかないのか。

この基準で考えていただくのが基本ベースかなと思います。

なので
『 退職金無い人にとっては、iDeCoはすごく有利だけど
退職金ある人は、老後の所得控除はそんなに受けれないかも知れない。』
ということを、覚えておいてください。

NISAは、非課税期間が無期限です。

その点 NISAは、無期限で非課税です。
ここがすごいメリットですよね。

今までは、非課税期間が5年とか20年だったわけですよね。

「20年なら老後ギリギリになるから、それならこっち使っちゃおう」

ってなってたんですけど、もう無期限で非課税になったんです。

すごくシンプルですよね。

僕もiDeCoについてまとめていく内に気付いたんですけど、
iDeCoの仕組みって、とても書く事が多いんです。

それぞれ 色々なメリット・デメリットがあるんですよね。

” うちにピタッとはまる保育料を落としたい。” 
” 入口でもう税金払いたくない。” 
” 途中でもう私はつい引き出しちゃうから出せない方がいい。 ”

という風に
何らかの自分のニーズにピタッとはまる人
と言う人であれば、すごく良いんだけど
内容が色々とややこしいですよね。

今回 NISAの一番のメリットがこれじゃないかなと思いました。

NISAってとにかくシンプルで、入口に何もないんですよね。

普通に自分の税金を払ったお金で運用してください。
その代わり手数料も何もかかりません。
真ん中は、いつでも引き出せる上に非課税です。

出口も非課税という感じですよね。

そして1年経ったら買い戻しも出来ます。

注意点として、色んな良からぬ人も出てくる事って
ありますがとにかくシンプルです。

そして、一応 商品についてお伝えしておくと
iDeCoは、金融機関によるんですけど
大体40本弱ぐらいの中から選ぶようになってます。

つみたてNISAを引き継ぐ、つみたて投資枠は200本ぐらいで
今の一般NISAの引き継ぐ成長投資枠は2,000本ぐらいの中から
選びますから、こちらの商品枠はかなり大きくなるよね。

ということを踏まえて、
要は 自分の人生をどういう風に生きたいのか。

このライフプランをまずはしっかり立てる。
ということが、より重要になってきますよね。

ここでは、わかりやすくiDeCo、NISAを例に取りましたけど
自分の資産全体ってまだまだありますよね。

例えば 預貯金保険 などがありますよね。

今 保険で資産運用が出来る、変額保険みたいなものもありますからね。

例えば 途中で働けなくなったら
iDeCo・NISAも途中でどうするんですか?

そもそも払えないじゃないですか。

でも保険会社は、働けなくなった時に払込免除という制度で
最後までずっと払った事にしといてあげるよ。

みたいな投資方法も出していたりします。

制度はどんどん変わります。
自分のライフプランに合った資産形成を
頼れるアドバイザーに相談して下さい。

ですので、iDeCo・NISA 共にそれぞれ良さがあるんです。

結局 自分の人生を自分はどんな風に生きたいのか。

というのをしっかり考えた中で
現金預貯金・保険・iDeCo・NISA
などの自分のリソースをどういう風に割いていくのか。

これが、やはりすごく問われる時代になっているな。
と思います。

そしてやはり、このあたりのことを自分1人で考えるのって
かなり難しいんじゃないかな。

という風に思いますので、
頼れるアドバイザーを是非
見つけて頂いたら良いんじゃないかな。

という風に思っております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日のコラムはこちらのYouTube動画でご案内してます。