こんにちは(^^)
経営者の資産を最大化し、お金と時間のゆとりを創る資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
NISAの制度改正が話題になっていますね。
「もっとこうなったら・・・」
と私が思っていたことが現実になってくれました(^^)
しかし、そんな制度改正されたNISAを超えると言ってもいいほど、強力な資産形成のアイテムが登場していました。
今回はそんな資産形成のアイテムを紹介します。
変額個人年金
そのアイテムとは、とある生命保険会社さんの変額個人年金保険のことです。
変額個人年金は、生命保険商品の一つですが、その運用は通常の生命保険商品とは異なり生命保険会社が用意した「特別勘定」と呼ばれる投資信託商品によって行われます。
iDeCoやつみたてNISAのように、ラインナップされた投資信託を自分で選び、組み合わせて将来の資金を創っていきます。
しかし、生命保険商品のデメリットとしては「保険関係費」というコストが保険料の中から引かれて運用されるため、運用の効率が悪いのが難点でした。
生命保険商品には死亡・高度障害時の保障などの保障の機能や、募集人に支払われる手数料があるため、コストが高いのがデメリットです。
保険商品には保険商品の税制のメリットや、支払い方法の柔軟性、解約返戻金の一定割合で借り入れが可能な点などがありますので、単に投資信託と比較することはできないのですが、単純なリターンで言えばやはりiDeCoやNISAを使った方が有利と言えます。
そのため、やはり将来の資産形成の主役としてはiDeCoやNISAが主役となっていました。
ところが、そんな構図を見事に打ち壊してくれたのが、商品がリニューアルされて新しくなったとある会社の変額個人年金保険です。
保険関係費がほぼ掛かっていない
下の図はつみたてNISA、今回テーマにしているA社の変額個人年金、よく話題になっているB社の変額保険(有期型)を、毎月2万円ずつの積立額で、同じ3%で運用した場合の返戻金のシミュレーションです。
経過年数 | 積立額 | つみたてNISA | A社変額個人年金 | B社変額保険(有期) |
1年 | 24万円 | 24万円 | 11万円 | 3万円 |
3年 | 72万円 | 75万円 | 64万円 | 48万円 |
5年 | 120万円 | 129万円 | 121万円 | 95万円 |
10年 | 240万円 | 279万円 | 271万円 | 226万円 |
30年 | 720万円 | 1157万円 | 1124万円 | 931万円 |
いかがでしょうか??
B社の商品は、積立開始からすぐに死亡してしまった場合にも最低の死亡保障が付帯されているため単純に比較することはできないのですが、長期になればなるほどつみたてNISAとの差額は大きく開いていることがわかりますね。
一方で、A社の変額個人年金保険はというと、つみたてNISAには劣るものの、あまり大きな差が開いていないのがわかります。
この会社の変額個人年金保険は以前よりも保険関係費で差し引かれる金額が少なく、私も募集人をしていた頃には資産形成の目的で何軒か販売していました。
しかし、商品の改正により更に低コストで運用の効率を高めてきました。
生命保険商品の税金
そして、生命保険商品の税制は、使い方次第で実質非課税で利益を得ることもできるのです。
変額個人年金は、60歳や65歳など、指定した年齢まで積立を行い、10年や15年、20年など、決められた年数で積み立てた資産を分割して受け取ることができる金融商品です。
その際は、
計算式:資産の総額 ー 支払った保険料 = 運用益 ÷ 受け取る年数
このような計算で受け取る年の「雑所得」としてカウントされて税金が掛かります。
なので、通常通り変額個人年金で年金を受け取るのならば税制上はやはりNISAの方が有利と言えます。
しかし、途中で「減額」を行うことで、一時所得として税金が計算されます。
生命保険の一時所得について
計算式:
一時所得の金額 = 満期保険金 – (支払保険料総額 – 剰余金) – 50万円(50万円に満たない場合にはその金額)
課税の対象となる金額 = 一時所得の金額 × 1/2
No.1903 給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合|国税庁 (nta.go.jp)
このようにして計算されます。
つまり、支払った保険料に対する利益の分が50万円を超えなければ非課税、50万円を超えた分も1/2を乗じて所得に上乗せになります。
そして、それは毎年50万円の控除を使うことができるため1年間に50万円までの利益を取りくずせるように減額しながら受け取ることで実質非課税で受け取ることができるのです。
例えば、支払った保険料の累計が500万円で、解約返戻金が1000万円の場合、利益は500万円ですね。
このとき、1年で100万円を取り崩したとすると、元本にあたる部分が50万円、利益にあたる部分が50万円ですので、非課税で受け取ることができます。
つみたてNISAには非課税投資の上限がありますが、変額個人年金には生命保険会社が定める金額まで上限はありません(個別にご確認ください)。
契約者貸付が使えるメリット
そして、生命保険商品の大きなメリットとして、契約者貸付が使える点があります。
契約者貸付とは、生命保険の解約返戻金の内の7割~8割程度まで、いざ資金が必要になった場合に無条件で貸し付けを受けることができる制度です。
例えば、老後の資産形成のためにつみたてNISAを使いたいという方も多いでしょう。
しかし、その途中でお子さんの進学資金が不足するような場合もあります。
そんなときに、貸付を受けることで一時的に資金を用立て、いつ返済しても良いので返済のゆとりができたら返済するということも可能です。
また、資金が必要になった際に、相場が悪く運用実績が思わしくないという場合も想定されますね。
そんな場合も、一時的に契約者貸し付けを受けて資金を用立て、相場が回復し運用が回復したような場合に貸付金を返済することも可能です。
その際に金利は発生しますが、このようなテクニックを使い緊急時の資金を用立てたり、運用の状況が悪いときに相場の回復を待ちながら資金を引き出すことも可能なのです。
これはNISAにもiDeCoにも無い、保険特有の有利な制度です。
万が一本人が売買の手続きができないような場合
将来の資金を積立している場合、認知症になってしまったり、脳血管疾患など意識不明になり、投資信託の売買ができなくなってしまう事態も考えられない話ではありません。
そのような場合にも生命保険商品はその力を発揮してくれます。
この生命保険商品には、被保険者本人が意識不明になってしまったり、認知症になってしまった際には代わって指定したご家族が解約や契約者貸付などの手続きを行うことができる特則が付保されています。
通常、投資信託の場合であれば本人員外は手続きを行うことができません。
万が一認知症になってしまったり、意識不明の状態になってしまっても、ご家族だからといって勝手に売買することはできないのです。
運用が好調で、今の内に資金を引き出したいといった局面でそれができないのは残念ですよね。
認知症になってしまった場合には家族信託か、後見人をつけて手続きすることになります。
特に高齢者の方の資産運用の盲点になるのがこの点で、運用している資産がせっかくあるのに思うように運用したり引き出すことができなくなってしまうのです。
その点、生命保険商品であればご家族が代わって手続きできるため、そういった場合にも対処できます。
収益性、流動性のバランスに優れた商品
このように、受け取り方を工夫すればNISAのような非課税運用ができ、資金が必要なときには貸し付けを受けることができるという、収益性、流動性のバランスに優れた商品がA社の変額個人年金保険です。
そして、保険商品特有の安心な機能まで備え、とてもバランスの良い商品へと生まれ変わりました。
NISAはNISAでしか選べない商品を選ぶために使い、この商品を資産形成の主軸に置く戦略も良いでしょう。
こういった商品が日本の生命保険会社から出てくれるのは個人的には本当に嬉しいことです。
私個人の意見ではありますが、「変額保険」と名の付く日本の生命保険会社の商品は高コストで運用の効率がどうしても劣るため、やはりiDeCo、NISAを優先に考えてきましたが、そこにもう一つ優先的に検討すべき選択肢を加えていただいたように思います。
まとまった資金を運用する一時払いの変額個人年金保険も大変優秀で、特段選びたい商品が無ければ本当にこの商品一つで良いのではないかと思わせるくらいです。
「保険=高コスト、低効率」
おそらく私のような独立系FPはこのように考えておられる方も多いかと思いますし、インターネットの情報では「保険で資産形成はダメ」というような話は多くあります。
しかし、中にはこういった商品もあり、その構図も崩れつつあります。
設計書を見ながら保険で運用することとNISAを利用し投資信託を選ぶこととの違いを知り、どちらが自分に合っているのか比較して選ぶと良いでしょう。
また、経営者さんにとってはいざというときに契約者貸し付けを受けることもでき、ご自身の将来の退職金を積み立てるための手段として活用できるため、ある程度キャッシュフローに余裕が持てている企業様ならば検討してみても良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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