こんにちは、経営者のキャッシュを増やし、資産を増やす資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
日頃より中小企業経営者さんにクレカの活用法についてお伝えしており、ご好評いただいております。
さて、今回はそんなクレカのメリットを大きくしてくれる『出張旅費規程』との複合技について解説していきます。
これにより中小企業経営者さんの可処分所得を大幅に増やすことが可能です。
そんなテクニックを、イタリアンレストランを経営するオーナーとの対話形式でご紹介いたします。
1.出張旅費規程とは?
先日はクレカのお得な使い方を教えていただきありがとうございました。
私が修行してきたイタリアに毎年0円で行けることができると思うとワクワクします。
そういっていただけると嬉しく思います。
社員さんの研修のためにマイルを使うこともできますので、是非上手に活用されてくださいね。
あと、マイルの価値を更に高めるテクニックがあるんですが、出張旅費規程ってご存知ですか?
出張旅費規程ですか・・・
そういえば税理士さんに作ってもらった気がするんですが、どんなのでしたっけ・・・?
出張旅費規程というのは、会社の業務で出張した場合に、会社から社員や役員に対して支払う①日当②宿泊費③交通費などの旅費のことを言います。
通常であればそれぞれ領収書をもらい、会社の経費として実費精算するのですが、予め定めておいた出張旅費規程に従って、実費精算せずに日当や必要な旅費を支払うことができるんです。
そして、それらは非課税で法人から個人に支払うことができるんです。
なるほど・・・
いちいち精算しなくていいし、非課税なんですね!
もう少し具体的に教えてもらっていいですか?
はい、まずは①日当について解説します。
日当というのは、出張に行った際のご飯代や身の回りのものを買うお金として支給します。
例えば、弊社の場合ですと日帰り出張で一日あたり5,000円出すことができる規程にしてあり、片道50km以上離れた地域に面談や講演、研修に行く場合などに支払うことができる規程にしてあります。
通常、役員報酬は毎月定額支払うルールになっており、役員報酬を上げれば税金や社会保険料が掛かるのですが、出張旅費規程で支払う日当については税金、社会保険料の算定の対象外で非課税で受け取ることができるんです。
非課税なんですね!
それはありがたいです。
じゃあ、私がイタリアに視察に行っても出るってことなんですか??
勿論です。
弊社の場合だと海外出張の場合の日当は一日あたり15,000円で設定してますので、仮に○○さんがイタリアに行って7泊8日で行ってきた場合などは15,000円×8日分ですので12万円を非課税で受け取ることができるということです。
12万円も非課税で?!
それはいいですね!!
早く作っておけばよかった~~~
お得ですよね。
そして、交通費や宿泊費なども個人で立て替えていただくことになるんですが、これも決められた規程に従って支払うことができます。
例えば、旅先でホテルに泊まる場合には1泊20,000円までという規程を設けておくと、実際の金額に関わらず2万円を受け取っても良いのです。
あまりに差があり過ぎると税務調査で指摘を受ける可能性もあるということなのですけどね。
なるほど・・・
領収書を保管する義務はないから、それでも通じるわけですね。
そうですね。
ただ、どの程度までが妥当なのかとか、事前に顧問税理士さんに相談されてから実用化されることをオススメします。
明確にどの程度まで認められるというルールは無いので、社会通念上の金額だったり、会社の状況にもよって異なってきますので。
事例として弊社の規程をお見せしますね。
2.出張旅費規程×マイル活用の威力
で、出張旅費規程のことは分かったんですが、マイルの価値を高めてくれるってどういうことなんですか?
例えば、○○さんがイタリアに視察旅行に行こうと思ったら、数十万円は必要になりますよね?
それだけお金を払おうと思ったらそんなに頻繁に行こうとは思えないかもしれないですが、マイルを使って0円で、しかもビジネスクラスでゆったりと座っていって来れるとしたら、どうですか?
いや~、そりゃ行きたいですよ。
お店を少し休まなきゃだけど、向こうに昔お世話になったホストファミリーもいるし、0円で行けるんだったらもっと行ける回数を増やしたいですよね。
そうですよね。
これがポイントで、0円で行ってこれるようになるので、もっと積極的に視察旅行や研修旅行に行ったりすることができるようになります。
そうすると、先ほどのお話に戻って、出張旅費規程でもらえる金額を増やすことができますよね?
なるほど!
どうせ旅費は0円だから積極的にあちこちに研修や視察で行くことができるようになって、その分出張旅費規程から受け取れる金額を増やすことができるってことですね?
そうですね。
海外じゃなくても国内でもOKで、全国のイタリアンレストランを視察しに行ったり、経営の勉強に行くために使っていただいたりできます。
そうやってあちこちに視察に出かけることでご自身のビジネスに反映させることができ、事業を成長させることができ、非課税収入を増やすことで税金や社会保険料の負担を軽減し、会社と個人のキャッシュをより残すことができるようになるんです。
奥が深いんですね・・・。
クレカにまさかそんな活用方法があったとは・・・。
あと、○○さん奥さんがよくお店手伝われてますけど、役員にされてましたか?
いえ、妻は役員にはしてないんです・・・
そしたら、ちゃんとお店を手伝ってくださってるわけですし、しっかり対価をお支払いしても良いと思いますよ。
それに、出張に行く際に奥様と一緒に視察旅行に行けば当然奥様の分の出張旅費規程に基づいて旅費規程から支払ってもらうことができますから。
そういうことか・・・
それすごいですね。
妻も喜びます!
ただし、ご家族で行かれる場合にはただの家族旅行だと勘違いされないように、しっかり視察に行ったお店のレポートを作成したり、どんなことを学んできたり自社に活かそうと思ったのかなど、レポートにしてみると良いかと思います。
面倒だとは思うんですが、文字に起こすことで自分の頭の中も整理されますし、しっかり学んだこととしてこれからに活かすこともできますので。
ところで、貯めたマイルを使うのは良いとして、これって税金掛かるんですか?
一応、国税庁のHPにはマイルやポイントについては付与された時点では課税対象にはならないと記載されてはいますが、いざ使ったときに課税対象となる旨がしっかり記載されています。
じゃあ、法人で貯めたマイルをしれ~っと個人で使ったら、課税対象になっちゃうってことですかね・・・
税法から解釈するとそうなっちゃいますが、その辺は顧問税理士さんとお話してみると良いですね。
3.税金、社会保険料を適正化するには・・・?
あと、税金だけじゃなくて、社会保険料の適正化もできるって前に言ってましたけど、これってどういうことなんですか?
社会保険料って、基本的に4~6月の平均の月収で決まるんです。
経営者さんならば毎月の役員報酬ですね。
ご自身の役員報酬の月額が下記の等級のどこに当て嵌まるかを考えてみます。
令和5年度保険料額表(令和5年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
例えば、役員報酬の月額が50万円の場合には標準報酬月額が50万円になり、40歳以上の方の場合だと健康保険料は会社と個人合計で55,750円で、厚生年金保険料は91,500円となり、合計約15万円くらいになります。
でも、もし毎月40万円に減らすことができたら、標準報酬月額は41万円となり、健康保険料は45,715円、厚生年金で75,030となり、合計で12万円ちょっとになりますね。
すると、毎月約3万円の社会保険料の軽減効果があるということになります。
そっか、出張旅費規程から報酬をもらえる分、役員報酬を引き下げてあげれば社会保険料が安くなるということですからね・・・。
税金も安くなるわけですよね?
はい、仰る通りです。
旅費規程から支払われるお金は個人の所得税や住民税は当然かかりませんし、更に消費税も控除対象となるんです。
役員報酬で支払った場合には消費税は控除対象にはなりませんが、出張旅費規程で支払うと消費税まで安くなるということです。
それ大きいですね・・・。
出張旅費、宿泊費、日当等に係る仕入税額控除の適用要件|国税庁 (nta.go.jp)
4.まとめ
ということで、今回は出張旅費規程と、マイル活用についてお伝えしてきました。
出張旅費規程もクレカ活用も、どちらも活用すればお得なものですが、この2つを組み合わせることで、税金、社会保険料の対象とならない非課税の収入を増やすことができ、その価値を最大化することがでいます。
インボイス制度のスタートで消費税の課税事業者になったという人も多いでしょうが、出張旅費規程を活用してもこういった消費税の負担までも減らすことが可能です。
また、ここではお伝えしていませんでしたが、個人で貯めたマイルを活用したテクニックもあります。
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