“預金だけ”では資産が目減りする時代へ…「金利がある時代」の「日本国債」と資産運用

長く続いた日本のデフレ環境が変わり、ここ数年で「インフレ」を実感する場面が増えてきました。

そんな中、日本国債の金利も大きく上昇し話題になっています。

かつては「ほとんど利息が付かない」と言われていた国債ですが、今では年利2~3%台の利回りで運用できる商品も登場しています。

今回は、改めて「債券とは何か?」という基本から、株式投資と組み合わせた資産形成の考え方まで解説していきます。

1.日本国債とは?

日本国債とは、日本政府が発行している「債券」です。

債券をわかりやすく言えば、「借用書」のようなものです。

日本国債であれば、私達個人や、銀行、生命保険会社等が日本政府にお金を貸し、毎年(基本年に2回)利息を受け取り、満期になれば額面の金額が返還される仕組みです。

たとえば、償還期間が10年で、年利2%の国債を100万円分購入した場合、毎年2万円程度の利息を受け取りながら、10年後に満期が来るときには100万円が返ってくるというものです。

債券には、企業が発行する「社債」もありますが、社債は会社が倒産したり、財務状態が著しく悪化した場合、「デフォルト(債務不履行)」となり、元本や利息が約束通り支払われない可能性があります。

一方、日本国債は、日本政府が発行しているため現時点ではその可能性は極めて低く、むしろ預金や保険商品よりもはるかに安全性が高い資産と考えられています。

「絶対安全」はありませんが、少なくとも現在の日本において、非常に信用力の高い金融資産の一つであることは間違いないでしょう。

2.国債にはどんな種類がある?

個人が購入できる国債として、基本的にはこの3つです。

・3年固定金利型

・5年固定金利型

・10年変動金利型

これらは「個人向け国債」と呼ばれています。

しかし、実は金融機関や機関投資家向けには、さらに長期の国債も存在します。

例えば、

・10年国債(固定)

・20年国債

・30年国債

・40年国債

などです。

長期国債では年利3%を超える水準も見られるようになっています。

つまり、「満期まで保有すれば、約束された金額が返還される可能性が極めて高い金融商品で、年利3%前後を長期間固定できる」

という、実に30年ぶりくらいの高い金利の水準になっているのです。

そして、最近ではこういった個人向け以外の、本来は金融機関向けの国債も購入できるようになってきました。

例えば、こちらはSBI証券で販売している債券ですが、2046年3月20日に満期を迎える国債は、税引き後でも2.857%のリターンが期待でき、2056年3月20日満期のものは3.135%が期待できます。

これまでは主に機関投資家向けでしたが、個人がこういった高い安全性で確実性の高いリターンを得られる国債を買うことができるようになってきています。

3.国債の「リスク」は?

「安全」と言われる国債、「無リスク資産」と言われることもありますが、厳密にはリスクは存在します。

まず一つ目は、「途中売却による価格変動リスク」です。

債券は、新しく発行される国債の金利が上昇すると、現在買った国債の価格が下落します。

例えば、年利1%で購入した国債を持っているときに、新たに年利2%の国債が発行されれば、当然これから買う人は2%の方を選びます。

すると、以前の低金利の国債は同じ価格で売却することができないため、途中で売却するには価格を下げなければ売れません。満期まで保有していれば約束通りの額面を償還してもらえますが、途中で売却すると元本割れする可能性もあるのです。

反対に、新規で発行する国債の金利が低下した場合には、高い利率の既存国債の価値が上がるため、売却益が出ることもあります。

二つ目は、「インフレリスク」です。

債券は、約束された利率で利息が支払われ、満期時には決まった金額が返ってきます。

しかし、物価が大きく上昇した場合、お金そのものの価値は下がります。

仮に30年後、物価が現在の2倍になっていたとすれば、満期で返ってきた100万円は、今の感覚では50万円程度の価値しか持たないことになります。

つまり、「元本は守られていても、実質的な価値は目減りしている」ということです。

なお、デフォルトリスクについてもゼロではありませんが、仮に日本政府が債務不履行になるような状況であれば、普通預金や現金そのものの価値も大きく揺らいでいる可能性が高く、現時点では意識する必要はないでしょう。

4.適した保有期間の国債を選び、外国債券や株式と組み合わせる

では、こうした債券をどのように活用すれば良いのでしょうか。

まず重要なことは、途中で売却しないように、適した満期の国債を選ぶことです。

例えば、10年間は使う予定が無いが、10年後には取り崩して使う可能性があるような場合には、10年国債を選ぶと良いですし、20年間全く使う予定がなければより利回りが高い20年程度で償還を迎える国債を選ぶと良いでしょう。

また、今後も金利上昇が続く可能性を考えるなら、10年程度で満期を迎える国債を選び、その時点で再度金利環境を見直すという方法もがあります。

一方で、「20年、30年は使う予定がない資金だから、今の高金利を長期間固定したい」

という考え方で、超長期国債を選ぶ方法もあります。

そして、もう一つ重要なのがインフレ対策です。

債券は安定性がありますが、インフレには弱い面があります。

そこで有効なのが、株式投資や外国債券との組み合わせです。

個別株の選定は難易度が高いですが、日本株や米国株等の外国株式の投資信託等と組み合わせ、分散された形で株式市場全体に投資できます。

また、外国の国債を保有することで、円安リスクに対応し利息を得ることができます。

つまり、

・国債で安定した利息収入を確保する

・株式投資信託や外国債券でインフレ対応力を持たせる

という、資産を分散させて組み合わせを行うことで、資産全体のバランスを取ることができます。

5.まとまった資産は株式投資に頼らずに

NISAがブームになり、株式投資信託に人気が集まっていますが、株式投資信託には不況の際に大きく価値が下落してしまう可能性もあります。

その点、日本国債は確定でリターンを得られる極めて安全性の高い金融商品です。

しかし、そんな国債にも価格変動リスクやインフレリスクはありますので、「何にどれだけ配分するか」という資産分散を改めて考えてみることです。

日本国債を組み合わせながら、自分の年齢や使う予定の時期に合わせて資産を配分していくことが安定的にリターンを得ながら、インフレリスクに備えることもできます。

まずは、ライフプランを考え、自分のお金を「いつ使うのか」「どのくらいリスクを取れるのか」を整理し、預金・債券・株式をどう組み合わせるべきか、国債の条件が大きく変わって来た今、見直してみてはいかがでしょうか。

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