【FP対談企画第14弾】iDeCo、iDeCo+研究会
2017年に全国民がiDeCoに加入できるように法改正が行われて早2年が経過しました。相談ねっとのiDeCo研究会では、運営管理機関さんに取材にいくなどより深く調査を進めてきました。その成果を踏まえ、これまでと今後を、忌憚なく話してみました。
※当コンテンツは各FPの個人的な感想です。あくまで参考として楽しんで読んで頂けますと幸いです。
【Youtube】FPが本音で語る!【第14弾】iDeCo、iDeCo+研究会
参加者
山中 伸枝(やまなか のぶえ)
山中 伸枝のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
竹内 美土璃(たけう ちみどり)
竹内 美土璃のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
竹内 誠一 (たけうち せいいち)
竹内 誠一のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
水野 和人(みずの かずひと)
水野 和人のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
- では、よろしくお願いします。
- よろしくお願いします。
- ではですね。今回は、イデコの振り返りと2019年の展望みたいなことで話をしていきたいと思っているのですけれども、まず、今日はですね。イデコ研究会からお二人をお迎えしておりまして、また、イデコプラスの研究者も来ています。では、先に自己紹介からしてもらっていいですか。みどりさんから。
- イデコ研究会でマネージャーをさせていただいております竹内みどりと申します。
- イデコ研究会って、どういうことをしているんですか。
- イデコ研究会はですね、加入者が無料で入れるところを中心に、加入者目線で、運営管理機関にお訪ねしていって、取材をさせていただいて、どういう考えでイデコを無料にされたのかとか、どういう手続きをしていったら、加入者さんがスムーズに入れるかっていうのを研究して、加入社を増やしていく活動をしております。
- では、運営管理機関さんを比較して、ユーザー目線で評価しているみたいな感じですかね。
- はい。そうです。
- なるほど。では、竹内さん、お願いします。
- 私は、イデコプラス研究会。
- いろんな研究会がありますね。
- そうですね。こちらはですね。中小事業主掛金納付制度、平成30年5月に新たに導入された制度ですが、こちらを私は社会保険労務士という目線、人事労務担当者という目線も含めて、研究会に参加させていただいております。
- そうですね。イデコプラスのマニュアルをつくってもらったりとか、今、私たちのホームページ「確定拠出年金相談ねっと」からは、資料をダウンロードできるようになっておりますので、またよく見ていただければと思います。
では、水野さん、お願いします。
- イデコ研究会の水野と申します。よろしくお願いします。今、イデコ研究会では、6社ほど訪問を予定しておりまして、そのうちの5社ぐらいは、訪問予定は終わりました。
私たちに対応してくれる担当者さんは、どちらかというと、商品に詳しい担当者さんよりは、マーケティングの方に重きを置いている担当者さんが多いです。どういうふうに広めていこうかというところで、ネット証券さんを中心に今回取材をさせていただいておりますので、店舗がないところの証券会社さんが多いんですね。そうすると、実際にお客様と接しない営業マンの方が多いので、どうやって加入者を広げていこうかというところで、共有して、現場ではこんなことが起こっていますよとか、こういうふうにできないですかとか、こんな今私たちは悩みを持っていますといったところを一緒に共有して、加入者をどんどん増やしていこうというような活動をしています。
- 加入者って、今何人でしたっけ?
- 107万人を突破。
- 100万人を突破したということが、2018年の秋ぐらいに発表になって、100万人突破っていうことでいうと、確定拠出年金って、2001年から始まっているので、過去10年の歴史から考えると、ものすごい勢いなんだけれども、実際は加入対象者からすると、何割ぐらいになっているのかしらね。
それほどは、多くない?
- 多くない
- そうですね。
- 1%から2%ぐらいで、実際の加入対象者が6700万人といわれている中で、まだまだ全然加入者は多くない。
- そうですよね。
- ただ、人数だけでいえば、2016年12月末時点では、30万人だったんですよね。
- それからするとね。
- ご承知の方もいるかと思いますが、2017年のところで、対象範囲が大幅に拡大されましたので、そこから約2年が経過して、現在100万人になったのですが、拡大されて相当人数が増えた割にはというところはありますよね。
- 激動の2年ではあったにしても、ただ、その中で加入率が一番多かった層というのがありますよね。何号被保険者っていってましたっけ?
- 第2号被保険者。会社員の方と、公務員の方が多分多いんです。
- 公務員さんが、やっぱり多いですよね。なるほど。
みどりさんね、いろいろ訪問されて、いわゆる運管手数料が0円のところをピックアップして、運管さんを調べているって、さっきおっしゃっていましたけれども、今、運管手数料0円って、何社ぐらいあります?
- 7社ですね。
- それを順番に訪問しているんですね。7社というのは、ここはぶっちゃけでいっちゃっていいので、具体的にいうと。
- SBIさんと、楽天さんと、マネックスさんと、松井証券さんと、大和証券さんと、auさんが新規で入られて、あとイオン銀行。
- そうすると、大手証券さんが1社で、銀行が1社で、auさんは本当の新規の新規で後発ですけどね。でも、バックはみずほさんでしたっけ?
- そうですね。
- あとはネット証券が多いって、ところですよね。取材は何社ぐらい、いままで行ったんですか。
- SBIさんに明日行って、auさんがまだもうちょっと先になるんですけど、あとの5社は行きました。
- すでに行ったところは?
- 松井さんと、マネックスさんと、楽天さんと、イオン銀行さんと大和証券さん。
- 全部訪問されて、感触ってどうですか。マーケティングの方って言っていたけど。
- 各社さまざまなんですけど、情報共有をしていただくということでは、ウェルカムな感じでして、現場の声を聞かせてくれという反応もありますので、実際にどんなことが現場で起こっているのかという生の声を聞ける運営管理機関さんはチャンスと、捉えていただけているのかなという感想はもっていますね。
- そうですね。
- 反対からいうと、運営管理機関さんは、あんまり現場の声をひろっていない感じ?
- しますね。
- はい。大和さんとイオン銀行さんとかは、お客様が目の前にいらっしゃるので、そういう方たちはまた別の話なんですけど、ネット銀行さんやネット証券さんでされている方とかは、やっぱり現場の声を拾いたいっていう気持ちがすごく大きいですね。
- なるほどね。それがやっぱり口座開設の申込書の書き方とか、ホームページのつくり込みとか、あのあたりにでてきているのかしらね?
- そうですね。
- 私もある会社さん、これはちょっとなかなか社名がいえないんだけれども、ある会社さんの営業推進室の方と、この間、情報交換をしたんですけれども、やっぱり現場というところをちょっと構えて考えていらっしゃるのかなって、私はちょっと思っていて、例えば、私の話をしたのは、その方の奥さんとか、ご主人さんとか、お友だちとか、イデコ加入しているかっていったら、加入していない方も多いと。じゃあ、その方たちに自分の会社のイデコをおすすめしているのかっていうと、そうでもないこともやっぱりあって、現場といっても、身近にいる人がその人がいわゆる現場のね、サンプルなわけだから、もう少し話を聞いたらいいのになっていうのは、あったんですけれどもね。
いろいろ、キャンペーンとかも一生懸命やっていますよね。
- そうですね。キャンペーンとかもやっていますし、ネットから配信するときに、どういうふうにお客様をキャッチしようかなというところも、やはり大きな大手はユーザーがいるわけですよね。
- ああ、そこに、まあ口座をもっている人とかね。
- あとは、カードをもっているお客様とか、例えばある会社さんは、1万ユーザーがいるという形で、そこにひとつメールを発信すれば、1万人に対してメールを発信できると。イデコをやっている半数のお客様が、カードをもっているお客様、あとは新規のお客様という形で、やってられますので、その点では、マーケティングとしては、全然苦労していない。
- 母数があるからってことよね。
- 広い母数があって、ある会社さんに訪問しましたら、全然うちは知られていない。なので、認知度を上げるためにどうしたらいいのか。さらには、うちの商品はいいよね。ですけど、おたくの会社さんは10年、15年もちますかっていうところも、認知度が低いので、お客様が心配されるところだという危惧はされているらしいです。
- それは加入者目線でいうと、運営管理機関さんの知名度がないということは、20年、30年とその運営管理機関が存在しないんじゃないか。
- 大丈夫なんですかっていうような質問をされるという形も言われていましたね。
- そうすると、ネット証券というのはちょっと、そういった意味では劣勢な感じがするのかしらね。ある一部のユーザーからみれば。
- そうですね。いままで投資をやっていないお客様が入ろうとしたときに名前を聞いたことがないので。
- なるほどね。そうすると、地元の銀行とか、そういったところに行っちゃう可能性がある。
- やはり地元で毎回顔を合わせるので、そちらと比べたときに、いつも来てくれるしっていうところもあるみたいなので。
- 知られるようになるまでが大変ですよね。
- 大変ですね。
- やっぱり認知度ということですね。そもそもイデコってさ、商品じゃないから、制度だから、そこの違いがね。わからないのかもね。でも、よく知っている窓口だからといって、月々600円とか払うのはもったいないよね。
- もったいないと思います。
- 運管手数料が0円なのが7社でしょ。他のところは最大のところで600円ぐらいはかかるわけだから、ここの差は大きいよね。そうだよね。
- 公務員さんとかだと、12000円しかできないので、その600円、毎月600円の支出っていうのは、資産形成のうえで、すごいウエイトになっています。
- そうですよね。たしかにね。12000円の600円って大きいわよね。掛金からひかれているからね。12000円を積んでいるわけではないからね。それはもったいない話ですよね。
イデコプラスなんか全然知られていないですものね。
- 知られてないですね。やはり先ほど言ったように、今年の5月に制度がスタートしたのだけれども、あくまで制度がつくられたというだけであって、厚生労働省にしても、国民年金基金にしても、周知に対して、精力的とか、積極さが、残念ながらあまり見られません。積極的に発信しているのは我々、確定拠出年金相談ねっとと、りそな銀行さん、ぐらいしかでしょうか。
- りそなさんは、イデコプラス加入者向けのプランを出していて、それは運営管理機関の手数料が0円ですものね。
- そうですね。
- 給与天引きになっているから0円ってことになっているけれども。他のところはそういった動きは全くない?
- そうですね。例えば、検索したとしても名前も出てこないですし。私も周囲で、制度が出たという形で話をしたとしても、あまり興味や関心が寄せられることがないですね。
- イデコプラスは、100人以下の会社さん限定で、できる特典じゃないですか。内容的には、従業員さんで、イデコに加入している方に対して、会社がいってみたら、退職金みたいな形で、積み立てを援助してあげるので、すごくいい人事のしくみ、福利厚生制度になると思うんですけど、社労士さん自身も、あまり知っている方が多くないんじゃないですか。
- いないでしょうね。そうですね。あまり、いないですし、まあ、そもそも、企業型DC、確定拠出年金自体を知っていて、クライアント先に提案できる社会保険労務士もあまりいないと思います。
ただ、先ほどから出ているとおりに、これからの時代、100人以下規模の中小企業で、退職金制度を十分に制度として整備できるだけの余力がある中小企業というのが、なかなか少ないのかなと思うので。そういった部分でも、人材難が叫ばれている中で、これからどうやってすべきか、採用とか、雇用とか、職場定着について、どのように人材の確保を目指していくのかなっていうことを考えるとどのようにして、魅力のあるような会社をつくっていくのかなってことを考えると、こうした制度を積極的に導入をしていく必要があると思います。
- まず私たちは制度のスペックで話すじゃないですか。例えば、イデコの場合だったら、掛け金が所得控除です。運用益が非課税です。それで退職所得控除が使えますみたいなスペックで言ったとして、スペックで動いた100万人だと思うんですよ。今回のイデコ加入者って。スペックで動いた特徴的なところが、公務員さんたちの加入率が圧倒的によかったというのは、スペックがよくわかっている人たちは、あたりまえに使う。だけれども所得控除とか、そういった部分が、ちょっと遠いような方たちにとっては、まだまだ情報が届いていないかなって思うんですよね。
- そうですね。
- だって運管さんのホームページなんかも全部、節税シミュレーションが出ているわけでしょ。大体同じですよね。節税シミュレーションをあれだけやっていても、全額所得控除で響かないっていうのは、なんか違う展開が必要なんだろうなあって思うんだけどね。
- 今回、訪問した中で、店舗型がある運管さんは、職場でイデコってことで、職域を活用している企業さんがありまして、そこに行って、企業型確定拠出年金じゃないんですけど、個人型確定拠出年金をすすめるっていう活動を。
- それこそ、イデコプラスが使えればね。
- そうですね。なので、認知度を広める点ではネット型も必要なんですけれども、やはり店舗型で、各地域で、手の届くところで、人がいて、人に接してというところが。
- 人対人がやっぱり必要かなと。
- そうですね。今、職場に行ける(訪問する)ことが、セキュリティもあるのでなかなかない時代で。
- そうですね。
- そこで、セミナーだったり、呼んでできるっていうのは、すごく強みだっていう印象はもちましたね。
- あと、そういう節税とかに、あまり重きを置いていない人は、60歳になるまでおろせないっていうのが、すごくハードルが高く感じているので、職場でNISAのほうが職場でイデコより関心があるようです。
- 結局、60歳までおろせないことに対する恐怖心というのは、お金の管理ができていないということになりますよね。
プランニングができていないから、要は目的に合わせて、運用するハコ、例えばNISAを使ったり、イデコを使ったり、目的に合わせて用途を使わなければいけないのに、それが理解できていないんですよね。積立NISAにしても、イデコにしても、そもそも論として、FPが入っていかなければいけない部分って、すごく多いと思うんですよね。現役のときに老後資金貯めないでどうするのって感じでしょ。
- そうですよね。
- 私たちからするとね。
- はい。
- そうなんですよね。先ほどからの話のとおりに、イデコの加入者の割合で、圧倒的に2号被保険者が多いっていう話が何度も出ていますけれども、私自身が約3年前まで、公務員として働いていたので、公務員や大企業だと、人事総務のそういった部署が充実しているので、そういった職員に対する制度とか周知というのが十分に対応することができるのですが、多くの中小企業の皆さんで、人事担当とか、そういった庶務とか、総務の方々が、そこまでそういう部分に、
- できないよね。
- できないと思うんですよね。そうすると大企業とか、公務員の方々は、そういった情報があたりまえのように目にふれることができるんですけれども、そうじゃない多くの中小企業の皆さんは、そもそもそういった情報にふれることができないので、日常的ではないので、今、おっしゃられたように、そこで、そういったところには、我々FPがどうやって、いかにして、そういった人たちに、たくさんの機会で接することができるかなっていうところが、来年これから以降、必要になるかなって思いますよね。
- 私は事業主さんの責任って、結構大きいんじゃないかなって思っていて。そういう2号被保険者に関していえばね。やっぱり大企業さんで、企業年金がある会社さんは、12000円のイデコ枠を会社が推奨していらっしゃって、給与天引きでイデコやられたりとかね。おっしゃるとおり、情報がものすごく充実していて、お金に余力があるのもあるかもしれないけれども、まずは情報量が全然違う。
- そうですね。情報が何もなければ、そもそも考えることができないし。
- 所得控除がいいとか思わないもんね。
- 検討することもできないですからね。
- 私はイデコプラスの登場で、すごい国が危機感をもって推奨しているなって思うんですよね。
イデコプラスって、例えば、みどりさんが社長で、従業員が二人だとしますよね。二人がイデコの加入者です。そこに対して、みどり社長はですよ、掛金を会社が負担して応援してあげようというわけじゃないですか。例えば1万円ずつ従業員に掛金を会社が出します。というと、給料として出す1万円だったら、それに対して社会保険料を会社として15%負担しなければいけないのよね。だから、実際は15%だから、一人に対して、11500円負担しなければいけないところを掛金だったら1万円ですむという話でしょ。これって厚労省からみたらね、15%に相当する一人当たり1万円の昇給だったら、1500円保険料の徴収が行われるわけじゃない。その保険料を徴収しなくてもいいから、従業員に掛金を出してって、言っているわけでしょ。
社会保険料を徴収する厚生労働省が、社会保険料の徴収よりも、むしろそれを従業員に出してあげてっていうところに、国の危機感はすごい大きいと思うんですよね。
- こういう制度、政策っていうのは、いままでなかったですからね。
- ないですよ。ただ、退職金は引当できる、できないはありますけれども、普通の退職金の積み立てよりも、全額損金計上でしょ。会社としては。ということを考えると、事業主さんも、こういった福利厚生として使ってほしいですよね。
- そうですね。
- なんかまわりで、そういった話とかない?
- 今回、動いていて思ったのは、都会じゃない、東北の福島の、企業型を、会社が導入しましたっていうご相談が増えているんですよ。企業型で、うちの会社が入るので、どういうふうな形のものが、確定拠出なんですか。どういう商品を選べばいいですか。っていう質問も増えています。地方でも、企業が、社員の福利厚生として導入する会社さんっていうのは増えていますし、あともうひとつは、実際に今年、手をあげてイデコに加入されたっていうのが、アンテナが高い、意識の高い人たちがいますけれども、実際には、もうすでに、やりたいけれども、どう手を出していいのかわからないという、くすぶっている人たちが結構いるんですよね。
- そうですね。
- 資料請求したけれども、まだ、ここにあるんです。っていう人たちもいらっしゃって。
- 資料請求の保管率、高いだろうねえ。賞味期限切れてるだろうね。(笑)
- いろいろ変わりましたからね。
- いやー。絶対切れてる。
- これは、今回訪問させていただいたときに、資料請求をして、どれだけ戻ってきたかっていう資料請求した加入率も出ているんですよ。実は、運営管理機関さんも把握していらっしゃって、一番高いところだと、資料請求されて7割の方が加入に結びついているとおしゃってました。敢えて言わせていただくと、もう、その人たちは、この会社に決めたから資料請求をして、出しますよっていう方もいるので、決定事項がまわりでやっている方と、FPから聞いたからっていう方と、いろんな形で情報を手にいれているっていう方が。
- 決め打ちでやっていた。
- そうですね。そういった情報もありますが、まだ、いまだに、僕たちがご案内している5社、6社があっても、自分たちでは、どの5社、6社、3社から、どこを選べばいいんですか。絞り込んでどこを選べばいいんですかっていうところで選択できない。制度概要もあるじゃないですか。骨組みは説明して、骨組みはわかりました。骨組みはわかったけど、どの会社を選んでいいのかの選定もやってくださいよっていう、実情はあります。
- ありますよね。絞り込んだとしても、最後で決められないし、あと、資料請求のところでくじけたりとかね。難しい言葉が多いものね。
- それで、一般的に日常働いていますと、そこまで時間もとれないし、気もかけたくない。
- 帰ってきてから、あの難しい言葉を調べるのも大変です。
- 地雷が多いしね。本当ね。例えば、2号被保険者って言葉も、私たちにとっては、あたりまえだけど、普通の人って、「えっ。2号?」みたいなね。わからないじゃないですか。あとね。よく言われるのは、2号被保険者の説明文で、会社員、公務員って書いてあるんですよ。すると「社長は何?」みたいなね。「社長って、会社員じゃないから、自営業?」とか。「厚生年金に入っている人は、全員2号ですよ」っていうのが、やっぱり、わかりにくい。
- 社長さんが中退共とかに入れなかったりするから、そこらへんで誤解されることがね。社長は入れないもんだみたいな感じで思われている方もいらっしゃいます。
- 社長さんの資産形成の目線で考えていけば、イデコはものすごくいいものだし、イデコプラスもいいし、だったら企業型でもできるしってことを考えれば、ちょっと経営者目線でっていうのもありだと思うけれどもね。
- たくさん情報が発信はされてはいたとしても、発信している情報の内容、中身によって、せっかく仕入れた情報をみたところで、そのままストックしたままにしているところも結構ありますものね。せっかく貴重な情報を入手したんだから、次のアクションに動かせるためには、どういう情報を発信するのか。
- まあ、フォローも必要ですけどね。そのあたりはね。
今年の大きな傾向としては、若い経営者さんから、いわゆる従業員さん向けの金融教育をやってくれというオーダーが、結構いくつかあって、イデコを含めてね。なので、非常にこう若い方たちの資産形成意欲は増えている。また経営者ね。やっぱり事業を起こして5年から10年ぐらい経った経営者さんっていうのは、福利厚生制度としてもいいんじゃないかと注目はされているかなと。従来の退職金って、辞めていく人に払うじゃない? 正直、辞めていく人に払うのって、ねえっていうのが今あって、だったら、今、従業員が、頑張っているときに、掛金出してあげたほうが、インセンティブだよね。という若い経営者さん、多いですしね。
- 企業型なんですけど、1つ経営者さんにとって、喜んでもらえるような情報があります。私のところは法律事務所なんですけど、事務員さんを雇ったときに、募集要項に、「企業型の選択制DCをやっています」って書いたんですね。そしたら、上場企業にお勤めだった人が、ちょうど「法律事務所に就職したい。法学部を出たら、もう一回、法律のことを勉強したい」って方がいらっしゃって、そういう方が、「探してみたら、法律事務所で企業型選択制DCをやっているところなんて、ほとんどないので、ここに来ました」って言ってくださった方がいるので、本当に福利厚生で企業型DCやっていますよ」って言うと効果絶大です。
- 大きいよね。モチベーションとしてはね。
- そうなんですよ。本人もよくわからないんですよ。これ、もっていても。持ち運びできるよって言われても、実際にどう処理していいのかわからないから、会社がやってくれるんだったら、じゃあ、ここにしようかなみたいな感じです。
- そうなんだよね。やっぱり、イデコだと、自分がすごいやる気になって、運営管理機関も選んで、手間がかかるところが、会社がやってくれるだけでも、随分、ステップが違いますものね。特にイデコプラスなんて、22000円をを社長本人が会社掛金として出せるから、すごい節税にもなるし、そういったものはぜひ使いたいですよね。
さあ、イデコなんだけどね。いろんな運営管理機関が増えている中で、特徴ってあります?例えば7社訪問しているって、言っていたじゃないですか。やっぱり、特徴的なものってあると思うので、ぶっちゃけ順番に、ここはどんな特徴があるとか、教えて。例えばこれから運管を決め打ちしたいと思ったときに、その人たちの示唆になるようなものってあります?
- ありますよ。
- おー。じゃあ、ちょっとお願いしていいですか。
- 大手からいきましょうか。
- では、研究会、お願いします。
- じゃあ、マネックスさんからいきます。マネックスさん、すごく対応が良かったですね。
そもそもマーケティングに力を入れていて、これからどういうふうに広げていこうかというところで、投資では認知度が高いんですけど、素人(投資をしたことないという人たち)にとっては、「何なの?」っていう存在。聞いたことない。ましてや、田舎に行ったら、何も聞いたことがない。店舗がない。というところでは、自分たちは劣勢だと思っていますけれども、商品ラインアップと中身をみていったときに、すごく充実している。
- インデックスでも、信託報酬のものすごく安いのを揃えていますものね。
- そうですね。もう始めてる人たちと、投資信託のブロガーの人たちからみれば、商品ラインアップはいいよねっていう声はかかるかもしれないですけど、ズブの素人さんからみたら、そういうところをピックアップする材料が、まだまだ少ない中で、すごくこれから頑張っていこうと、発信していこうとするのは、やっぱりいいのかなというところなんですね。
- マネックスさんのロボアドを使うと運用商品も全部名前が出て、それが何%まで出るから、ポートフォリオを組むにしても、やりやすいかもしれませんね。
- そうですね。
- なるほど。マネックスさん、出ました。あとは?
- あとは二子玉川にある楽天証券さん。
- 人気ですよね。
- まあ、人気ですね。こちらは、僕も最初に、相談ねっとをやり始めるときに、実際に、二子玉川のセミナーに出ています。最初は30人から50人ぐらいの小規模なセミナーが、1年後、2年後には、300人から500人の規模になっていますので、その点では、やはり楽天カードがありますから、ユーザーがかなりいるということで、集客には困っていないと。
- そうでしょうねえ。
- 商品ラインナップも、ちょっと後発なので、すごくより優れた28本が選ばれていますので、その点ではやりやすいのかなと。楽天カードのポイントをためますよね。そのカードをまた、投資信託に投資できるっていうことが画期的な形なので、生活の中で、全て楽天でまわせていけるというのが、すごくいいのかな。
- なるほどね。口座もね。特定口座も一緒に管理できて、見やすかったりとかね、しますよね。
- 僕たちが、お伺いしたときには、他の口座は全部見れますけれども、確定拠出だけはとんじゃうっていうところで、だけどそんなに苦にならないとびかたなので、総合でまとめて管理はできるのかなってところで、一括管理がしやすい。預金もそこで、楽天銀行でおいておいて、証券も同じところにおいておいたら、全部ポートフォリオ見やすいのは、楽天証券さんは、全体的に一括管理がしやすいのかなっていう印象はありますね。
- 所得控除のメリットがない専業主婦の方だったら、ポイントでっていうのは、ありかもしれませんね。
- そうですね。生命保険も楽天カードを使って。
- 楽天市場で、お買い物をしたポイントも、使えるという意味では。
- 所得控除をあんまりメリットに感じない人とかでも使いやすいかもね。
- 生活に身近ということですね。
- 密着。すごい密着していますね。
- なるほどね。あとは?
- あとは松井証券さんですね。
- 松井さん。松井証券さんはどうだった?
- 松井証券さんは、格式が高いのかなって。
- 格式高かった?
- かなり、株式に強いのかなってイメージがあったんですけれども、これからは投資信託と確定拠出に力を入れていくということで、どんどん引っ張りたいと。今いるユーザーさんにも宣伝をして、まだまだ発信が足りないということを考えているらしいので、松井証券さんを知っていただいて、個人型の確定拠出年金をして、呼びこんで、(? 8:17)さらには投資信託につなげていくと。いままで投資信託をやってなかったという経緯がありまして。
- そうですね。投信工房とか出したしね。新しいコンセプトでやっていますものね。でも、松井さんは、せっかくインデックスのめちゃくちゃ信託報酬の安いものをセレクトして、各資産クラス1個ずつ設定してるじゃない? バランスも1個ってやっているのに、なんか1個だけねー。ひふみさんが悪いわけじゃないんだけれども、なんで、あそこでコンセプトがわかれちゃうのかなって、すごく残念な気がするんですよ。
- ひふみさんが選んだ理由っていうのは、市場のユーザーさんからの要望が大きかったみたいです。
- でもコンセプトとして、あんだけインデックス全部一本ずつ揃えて、要は打ち出すものが、インデックスで、きちっと低コストでいきましょうっていうものを言っているのであれば、そこで通したほうがよかったんじゃないのかなと、個人的には(思う)。特徴ということでいうとね。
- かなり目玉商品としては引き込めると。
- そういうコンセプトだったみたいですね。
- でも、正直、イオン銀行でもあるじゃん。ひふみさんって。今どこでもひふみさんはあるので。ちょっとひふみさんがデフォルトみたいに入っちゃうのって、私的には残念だったなって。コンセプトを考えるとね。
- そうですね。おっしゃるとおり。
- インデックスファンドで、ポートフォリオを組んでいきましょうっていうのが、松井さんのコンセプトであれば、低コストの投資信託をって言っているのだったら。
- 打ち出し方は、わかりやすいほうがいいですもんね。
- わかりやすいほうがいいと思う。選ぶときにね。
OK。松井さんいきました。あとは?
- あとはやはり、イオン銀行さん。イオン銀行さんは、地方、地方に大きなモールを持っているじゃないですか。ですので、主婦層を取り込むには、イオン銀行さんは、かなり大きいですね。
- そうだよね。WAONとかなんか連動しているのがあった?
- WAONは、まだ連動していないですね。なので、地方にあるイオンモールの中で、イオン銀行さんがあったときに、そこに都内から出向いていって、セミナーとか。
- なるほどね。直接話せるというのは大きいね。
- それで、少人数制のセミナーを開いていて、実際に人と話せる。お客様も実際にそこで相談にいけるというところでは、かなり大きいのかなあと思いますね。
- イオン銀行の定期預金も金利が若干いいですしね。そういう意味では、定期預金派もいけるかもね。
- そうですね。女性は定期預金をそちらに移す形の女性も。
- 今の定期預金を移すだけでもメリットがあると。
- いらっしゃいますんで。
- それだと、年払いだね。
- そうですね。
- そうですね。
- 手数料を若干でも低くするんだったら、年払いで定期預金。
- 実際に私のお客様も、イオン銀行に定期預金を預けて、イデコを聞いてきましたというところで、僕と相談をしてるっていう。
- 親しみやすいですよね。本当に、毎日お買い物にいくところから、商品を紹介されるっていう、そのメリットっていうのは、やっぱり、やっていない人にとっては、すごい安心感はあるんじゃないかなって思います。
- なるほど。あと残りは? SBIさんと大和さん。
- 大和さんは、店舗もありますし、それなりの老舗ですので。
- ネームバリューからいったらね。
- ですので、職域が大きいと思いますね。あと、地方、地方に店舗をもっているじゃないですか。その点では、人と接してマーケティングができるという点で、すごくいいですね。
- 信託報酬はちょっと高めなんですけど、No.1にならなくてもいいって言っていました。
- なるほど。ブランド力もあるし、インデックスもいいし、結構アクティブが面白いものが入っているしね。大和さんはね。
- 6番目ぐらいでいいって言ってました。
- 6番目ぐらいで。なるほど、余裕だね。確かに職域では強いかもね。
- 強いですね。
- じゃあ、SBIは? セレクトプランを出しましたよね。どう? オリジナルと比べて。
- 実はそれは、明日の午前中に訪問する予定なんですよ。
- じゃあ、のちのちまた、コラムでもアップしてもらって。まあ、たしかに、オリジナルに比べると、オリジナルが若干古くなったものね。
- そうですね。
- 信託報酬も、日本株のインデックスも信託報酬0.5とかね、あって、そういう意味では刷新されて、いい感じになったんじゃないかなあと。
- そうですね。はい。
- 期待ですね。
さあ、auさんは?
- auさんが、これが12月26日に訪問予定です。
- auさんもね。無料だし、スマホでサクサクって感じで、商品も4種類だよね。バランスファンドで、松竹梅じゃないけど、そんな感じのね。さっくりいくのがいいかもね。
- いままでだと、20代、30代のお客様が、イデコっていうのは、かなり遠のいていたっていうイメージなんですけど、やはり携帯を持ってられることで、20代、30代の方も、商品説明を店舗に行ったら聞けるっていうのは、かなり大きいのかなって思いますね。
- スマホで使えるかどうかって大きいですものね。
- まずは気軽にやってもらうってことだと思うんですけどね。でも、まあ、この7社のお話をしたけれども、7社にたどりつける方と、たどりつけない方もいるし、そもそもイデコとは何かとか、あとやっぱり忘れちゃいけないのは、税金が得だからイデコをやるんじゃないと思うのよね。自分の将来のためだから、大きな目的が異なってしまうと、途中で飽きちゃうだろうし、目的しっかり持ちたいよね。
- そうですね。あとは掛金が1年の間に変更できるというのは、すごく大事なことだと思います。例えば、子育てをしていて、保育料が4万円、5万円かかっていると、自分たちのしっかりとしたライフプランを組むんだけど、生命保険を用意したいのもちょっとままならないという方も、実は老後資金をちゃんと貯めたいから、イデコの話を聞いたら、私たちやりたいけど。
- 所得控除になって、ほら保育料もね安くなるし。
- そうですよね。ですけど、今、お金が捻出できないから、あと2、3年待ってやり始めたいっていう方も、結構いらっしゃると思うんですよね。ですから、本当は、いっぱい説明を聞きたい方と、やり始めたい方っていうのは、まだまだいらっしゃいますね。
- 興味がある方って、すごくいっぱいいる。そこにFPが出かけていって、お話をすることは、すごく大事かなと思うし、一方で、一番最初に戻るんだけど、金融機関がますますやりにくくなっちゃう。イデコ。つみたてNISAもそうだけど、やればやるほど、マイナスになっちゃうところがあって、何十年もプラスにならないことを考えると、本気になってやってくれる運営管理機関って、たしかに私たちは見極めしたいなと、実は思っていて。
- そうですよね。窓口とかでもあまり見ないですよね。
- 見ない、見ない。でも、とりあえずやってますっていうスタンスのところと、じゃあ、今一生懸命やっている運管手数料0円にしている7社。これはどこまで頑張ってくれるのかなっていうのも、正直あるし、頑張るんだったら、徹底的に頑張ってほしいなあと思いますよね。
そうですね。じゃあ、これからイデコの取材もして、情報発信をしていただける。
- みんなで分担して、はい、します。
- 運管さんが、ちゃんと本当にやってくれるのかとか、信念をもってやってくれているのかっていうのは、やっぱり聞きたいところだと思うんですよね。正直。なので、ぜひ、そのあたりは、続けてくださいね。
あと、社労士さんとしても、イデコプラスね。
- そうですね。先ほど先生がおっしゃったように、私のまわりにも、30代、40代の社長、経営者が本当に最近すごく増えてきているので。30代、40代の我々の世代だと、最近まわりでやっているとか、自分の知り合いでもやっているというものについては、比較的柔軟に対応することができるので、そういった人たちに、どんどん積極的にアピールをしていく。あとは、今、話にあったように、我々のような社会保険労務士も、資格はもつ、もたないはないですけど、FPスキルをある程度は持ちよせたうえで、柔軟な提案ができるような関わり方は必要ですよね。
- うーん。そうだと思いますよね。やっぱり、私たちって、お客様の人生に関わる仕事をしているわけだから、短期的な視点ではなくて、長期的な目でね、やっぱり資産形成とか、ライフプランとか考えていくようにしたいなとは思いますね。
ということで、そろそろお時間なので、終わりにしたいと思いますが、運営管理機関さん、また取材に行ったときには、ぜひご協力を
- よろしくお願いいたします。
- 私たちも応援していますのでね。
はい。では終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
- ありがとうございました。
対談動画
今回の対談に参加された皆さん
山中 伸枝(やまなか のぶえ)
山中 伸枝のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
竹内 美土璃(たけう ちみどり)
竹内 美土璃のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
竹内 誠一 (たけうち せいいち)
竹内 誠一のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ
水野 和人(みずの かずひと)
水野 和人のiDeCo(イデコ)ポートフォリオ