iDeCo調査隊レポート公開中!

iDeCo調査隊 調査レポート公開中!

調査のきっかけ

公益財団法人生命保険文化センターの生活保障に関する調査では、国民の8割以上が「老後の生活に不安を感じている」と回答しています。6月に発表された金融庁レポートに端を発した「老後2000万円不足する」問題も、まさにお金の寿命に対する国民の不安が現れた社会現象と言えます。

そんな中、ますますの普及が期待されるのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。2017年に加入資格者が拡大され、多くの方が利用できるようになりました。しかしながら、制度の整備拡大とはうらはらに、一般生活者の認知度はまだまだ低いと言わざるを得ないのではないでしょうか。

私たちFP相談ねっとに所属するファイナンシャルプランナーは、日々お客様のライフプラン相談あるいは金融セミナーを通じて、お客様の将来の不安を解消すべくご提案を行っております。

セミナー参加のきっかけや相談の目的を伺うと、老後に備えたいという方が多いのですが、iDeCoについては全く知らなかったというお客様が少なくありません。現状iDeCoに関する情報はインターネットでの発信が多いため、そもそもネット情報に疎い方は触れることができません。またインターネットの情報は一般論で語られるため、「実際私の場合、iDeCoをどう利用したらよいのだろうか?」と疑問を抱く方もいます。命の次に大事なお金のことですから、ネットだけではなくリアルに納得いくまで対面で相談したいというご要望が多いのは理解できます。

さらに、直接話がきけるコールセンターは、「質問に答える」ことが目的なので、「漠然とした老後の不安の解決策」をアドバイスしてくれるわけではありません。最近では、「とりあえずiDeCoに加入はしたものの、運用方法がよく分からず不安」といった理由で、ご相談にお見えになる方もいらっしゃいます。つまり現場では、将来の不安を専門家に直接相談したいというご要望が非常に強いのです。

iDeCoは金融機関(運営管理機関)により商品ラインナップや手数料が異なりますから、複数の金融機関を比較検討することはもちろん大切です。しかしながら、それにも増して、何か分からないことがあった時に、親身になって相談にのってくれる、そして長期間にわたってサポートしてくれる窓口が、多くの方にとって必要なのではないかと感じます。

もちろん私たちFPが全ての方のお力になれれば良いのですが、残念ながら力が及ばないのが現状で、やはり多くの生活者にとって、身近なお金の専門家は金融機関の窓口であるだろうと考えています。

2019年7月1日施行の「金融機関等の営業職員における運営管理機関業務の兼務規制の緩和」によって、金融商品の販売等を行う金融機関の窓口において、営業職員が確定拠出年金の運用の方法を説明することが可能になりました。

iDeCoの説明を金融機関の窓口で対面で受けることができるようになったら、これは利用者にとって、利便性を大きく向上させる画期的な変化になる。日々のくらしの中で、金融機関に出向いた際に、iDeCoに関する適切な情報提供があれば、お客様の老後の不安の解消に向けた大きな一歩になるのではないだろうか。

私たちはそう考え、できる範囲ではありますが金融機関の窓口を訪れ、iDeCoの説明がどのようになされているのかを調査することにしました。金融機関でもiDeCoの情報が得られる、相談に乗ってもらえるという情報を広くお伝えすることで、iDeCoの健全な普及のお役に立ちたいという思いで、今回の調査をスタートさせました。

調査について

調査概要

実施期間2019年9月(1ヵ月)
調査員(FP)8名
地域1都1府5県(青森、千葉、東京、神奈川、岐阜、大阪、岡山)
窓口数25金融機関55窓口

調査方法について

調査は以下の方法で行いました。

  • iDeCoの専門知識を持ち、個別相談にもあたっているファイナンシャルプランナー(以下FP)自身が金融機関へ実際に訪問し、iDeCoの案内を受ける
  • FPである事は伏せ、加入検討をしている人を装う
  • 予め決めたチェック項目に従いチェックし採点

チェック項目について

【窓口調査 採点評価基準】

①iDeCoの資料が目立つところに

あった2点
なかった×0点

②加入資格のヒアリング

確認があった2点
一般論で1点
確認無し×0点

③制度説明(所得控除・運用益非課税・受取時)

3つとも2点
2つ1点
1つだけ×0点

④商品の説明(元本確保・運用商品)

2つとも2点
1つだけ×0点

⑤手数料の説明(加入時・毎月・信託報酬)

2つとも2点
1つだけ×0点

⑥商品選び

初心者でも選べるサポートあり2点
初心者では難しそう×0点

⑦加入手続き時のサポート

窓口でサポートあり2点
コールセンター一任1点
ほぼ案内なし×0点

⑧窓口でのiDeCo歓迎具合

積極的に加入を推進している2点
説明はするが、という感じ1点
窓口では加入を勧めていない×0点

⑨増税後の手数料について

案内があった2点
案内がなかった(間違っていた)×0点

⑩長期・積立・分散についての基本的な説明

しっかりと説明された2点
一部説明があった1点
説明がなかった(間違っていた)×0点

※全20点を5倍にして100点満点で評価

ご了承事項

  • 今回の調査レポートは、同一のチェック項目に基づいた調査といえども、調査員個人個人の見解によるものです。また、これだけで特定の金融機関の絶対的な評価をするものではありません。
  • 全ての金融機関を調査し総合的な判断をしているわけではありませんので、あくまでも参考として下さい。
  • 様々なお考えもあるかとは思いますが、お客様の利便性の向上という観点から、店頭でのiDeCoの説明等を限定しているところにつきましても、同じチェック項目で採点させていただきました。
  • そのほか、レポートの内容に関してお気づきの点がございましたら、当レポートの発行責任者である山中までお問い合わせください。
    お問い合わせ
  • 山中伸枝(レポート監修)www.nobueyamanaka.com
2019年10月18日