こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 代表の山中伸枝です。
世の中無料セミナー、無料相談が多いですよね。
おまけにお菓子付きとかいうのもあります。
どうですか?みなさんはやっぱり無料セミナー、無料相談が本当にいいですか?
スーパーの食品売り場で、試食品がおいてあることがあります。まあ、ほんのお味見程度ですよね。
販売員さんが出て、目の前で調理をしたりして、まさに「大盤振る舞い」していることもあります。
試食だったら、ちょっとしか口に入れていないから、まっ、素通りもできますよね(笑)
でも、上手な販売員さんなら、これもおいしいから食べてって!とか、奥さんこういう料理も子どもさん喜ぶよ!とかわんさかモノや言葉のサービスをするから、なんか買わなくちゃな~って思ったりすることないですか?
結果、おいしいもの、価値のあるものなら、ハッピーな買い物で問題ないですが、あとから「あ~のせられて買っちゃったな」って思うようなことがあればとても残念です。
それでも「モノ」がある商売は分かりやすい。対価を測りやすいから。また他の類似と比較しやすいから満足感も得られやすい。
でも一見「モノ」の価値が見えにくいものはどうですか?
例えば金融商品、保険商品など。価値が分かりにくいですよね。また価値が測れたとしても、時間差が必ず生じます。何年も先にならないと良かったのか悪かったのか分からないケースもあります。
金融の世界では、分かりにくい「モノ」を売る時、お客様サービスと称して「無料」のサービスを提供し「親切な良い人」を担保に「信頼」で「見えないモノ」を売るビジネスモデルが当たり前です。そして、売れた分の手数料(コミッション)を仕入れ先から受け取ります。
この流れに金融庁が待った!をかけています。関連記事「全保険の手数料開示要求、金融庁」
個人的には乗り合い代理店ではなくすべての金融機関が手数料をクリアにしても良いと思っていますが・・・
私が、金融業界において手数料販売がダメだと思っているのは、「相対」での商売をしている感じが薄れるから。正当な手数料を受け取るのはいいですよ。それがビジネスだから。でもね、「相対」での取引をしている意識が薄くなっている金融の現場はかなりマズイと思うんです。
例えば無料セミナー、無料相談。
あれなんでやるかというと、50人セミナー集客して、30人無料相談を申し込んで、10件の新規金融商品を販売するというビジネスモデルだから。金融商品は保険でも投信でも同じことです。
つまり、お客様が「件数」になるんです。これ、意識が大分低下しますよ!!
目の前のお客様から、今自分が行った行為に対して「相対」で「対価を受け取る」ということをしていないと、お客様はただの「件数」になるんですよ。それをまとめて上に報告してお金をもらう。パチンコ屋さんの景品交換のようなもんです。
なんだっけ?あれ?小さな箱をパチンコ屋さんで受け取る時って価値をあまり感じませんよね。ましてやそこにお客様一人一人の顔や人生を映せますか?(私のパチンコ屋さんの知識は昔見た刑事ドラマがMAXなので、事実と違ったらごめんなさい)
お金ってそのお客さまから受け取るから、価値なんですよ。
だから食品売り場の販売員さんの大盤振る舞い方が、正直金融機関が行う無料○○より私は好きです。
私はプロのビジュアルブランディングの方にお洋服を見ていただいたり、プロのカメラマンに動画やプロフィール写真を撮ってもらったりしますが彼らの仕事ぶりは実に気持ちいい。
例えば、私は定期的にビジュアルブランディングの斉藤さんに同行ショッピングをお願いして、仕事用のスーツとかまとめて購入するんですが、彼女の働き方は気持ちいいを通り越して快感です(笑)
彼女はいくつものお店を下見した上で、私に合いそうなお洋服をチェックしてくれます。そのうえで、私と一緒にたくさんのお店を回り目的にあったお買い物をしてくれます。もちろん似合うかどうか、どういうシチュエーションでどう自分を演出するのか、予算にあうかなどあらゆる角度から満足のいくお買い物をしてくれるわけです。
彼女はお店から一切コミッションなどは受け取っていません。私が支払うコンサルティング料が彼女の売り上げです。
つまり、彼女は私と「相対」で私のためだけに働いてくれているのです。
この関係性はものすごく気分を高揚させてくれます。ある種恋愛感情のような高ぶりです
私を救うために危険を冒して戦ってくれる王子様ってこんな感じ?みたいな錯覚を起こしてしまいそう(笑)
彼女に限らず、プロのカメラマンもそんな感じですよ。限られた時間でクオリティの高いものを創ろうと自分の全てを出し切って「私」のために働いてくれている。この満足感は本当に価値のある喜びです。
金融の世界だって本当はそれができるはずです。
私はこれまで紆余曲折もありましたが、ようやくコミッションを受け取らないビジネスモデルにたどりつくことができました。(FP業界では、こういうビジネスモデルをしている人、少ないんです)
相談は有料、講演も有料。
裏から受け取るコミッションは一切なし。
だからこそ、目の前のお客様のために全身全霊、私の全てを出して、信念をもってアドバイスさせていただく。
少しずつですが、私のようなビジネスモデルに切り替えたいと願う同業の方も増えてきました。
でも、お客様にもそういう業界裏事情を少し理解して欲しいなと思うこともあります。
無料のサービスは、お客様自身も「無料」としてしか扱ってもらえない危険性がありますよってこと。
お金を払ってプロの時間を買う。
とってもフェアでスマートな行為だと思います