マンションは贅沢ですか?戸建てとマンションで夫婦で意見が分かれ、迷っています

ご相談様データ

辰野 幸様(仮名)
【年齢】37歳
【職業】会社員
【性別】女性
【家族構成】夫(40歳)・長女(8歳)・次女(6歳)
【世帯年収】およそ900万円
【資産合計】880万円

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

最近気になるマンションのチラシを見つけました。
下の子が大きくなってきて家が手狭になってきており家賃がもったいないので家を買いたいと考えていますが、マンションと戸建てで夫と意見が分かれました。

マンションと戸建てでどのような点が違うのか、総合的に比較したいと思い、いろいろと検索するうちに内田さんのコラムに行き着き、実際にお話を聞いて見たかったため予約しました。

ご相談内容

お庭の手入れなども大変だし、将来は実家のある地元に戻る可能性もあるので売却しやすそうなマンションがいいかなと思ったのですが、夫は戸建てが気楽でいい、建売住宅がいいんじゃないかと言います。
わたしも夫も実家は戸建てです。
下の子は来年小学校に入学するので、入学前の幼稚園への送り迎えがいらなくなるタイミングで引越できたらいいなと考えています。
上の子は校区に関係のない小学校に通っており、下の子も同じ小学校に入学させるつもりです。

だからエリアは現在住んでいるエリアから離れても問題ありません。
下の子が生まれる前からしばらくお仕事をしていませんでしたが、今年仕事に復帰しました。
専門職でこれから徐々に就業時間を増やしていきたいと思っています。
今のうちにできることはしておきたいです。

家計にそれほどゆとりはありません。
大きな金額の書かれたチラシを見ると怖くなります。
住宅の購入で失敗したくありません。

夫はマンションなんて贅沢と言います。

でも、チラシだけをみるとかかる費用はそんなに変わらないように見えます。

マンションは費用がかかるのでしょうか?戸建ての方が経済的ですか?

ご相談でお話した内容

ご依頼ありがとうございます。
マンションと戸建てで迷われているのですね。
マイホームは大きなお買い物です。
悩まれるお気持ちも、失敗したくないとのお気持ちも、とてもよくわかります。
ご夫婦で意見が分かれてしまうと、本当に困ってしまいますよね。

マイホームの費用は建て方によって違う

戸建てとマンション、どちらが経済的なのか、気になるところですよね。
マイホームに関する費用は取得する時のみ必要になるわけではありません。
保有中にかかる維持管理費もあります。

しかも戸建てかマンションかによって必要となる項目や内訳は変わってきます。

ご自身でざっくりと天秤にかけられるよう、
「取得する時」、「保有する間」の2つに分けて、マンションと戸建てそれぞれの場合にかかるお金を洗い出しながら比較していきましょう。

マイホームを取得する時の費用(新築戸建てvs新築分譲マンション)

まずは、住宅を購入する際にかかる費用を確認していきましょう。
以下のようなものがあります。

(土地/建物取得時の費用)

  • 仲介手数料
  • 地盤調査費・式典費用(土地を取得する場合)
  • 設計料(設計監理料)
  • (住宅診断料)
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 登記手数料
  • 司法書士等報酬
  • 不動産取得税

さまざまな費用がありますが、すべてをお伝えしますと混乱されると思います。
そのため今回は、マンションと戸建て(いずれも新築)で負担が変わる費用を2つ挙げご説明します。

仲介手数料

仲介手数料は、注文住宅を建てる場合に土地を購入する際や、建売住宅を購入する際に必要となる費用です。
取引が成立した場合、仲介してくれた不動産会社に支払います。

ただし、仲介する不動産会社を通さず、売主と直接のやりとりをして売買取引が成立した際には、仲介手数料の支払いはありません。
ちなみに、仲介手数料には法律により以下のように上限が決められています。

200万円以下:取引物件価格(税抜)×5%+消費税
200~400万円以下:取引物件価格(税抜)×4%+消費税
401万円以上:取引物件価格(税抜)×3%+消費税

この計算式にあてはめると、3000万円の物件を購入した場合、およそ106万円の仲介手数料が必要になるということとなります。

大きな金額ですよね。

こちらは法律で決められた上限額ですが、たいていはまず上限額で提示されるようです。
支払いが必要であれば、交渉を持ちかけることも可能でしょう。

一方新築マンションの場合、一般的には売主であるディベロッパーとの間に「販売会社」が入り、販売を担います。
そのため、新築マンションでは仲介手数料が必要ないケースがほとんどでしょう。

設計料(設計監理料)

設計料は新築するとき、設計から監理業務までの対価として設計事務所に払います。
一般的な木造戸建住宅を建築する場合なら、建築工事費(本体工事費+別途工事費)のおよそ10%前後が多いようです。
建築工事費が2500万円の場合なら、250万円ですので、こちらも大きな金額ですよね。
中には設計料不要とのハウスメーカーもありますが、実はその裏側で別の費用に上乗せされているという場合もあります。

辰野様は建売住宅も検討されているとのことですが、建売住宅の場合は、注文住宅よりも設計料が抑えられるケースが多いようです。

ちなみに、分譲マンションでは価格にすでに見込まれていますから、取得時にあらたに負担が発生することはありません。

マイホームを保有する間の費用

次に、マイホームを取得後、保有する間かかる費用について見ていきましょう。
こちらもマンションと戸建て(いずれも新築)で負担が変わる費用を3つ挙げご説明します。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災・地震保険料
  • 駐車場代(戸建ては多くの場合不要)
  • 維持・修繕費用
  • 住宅ローン返済金
  • 団信保険料

固定資産税

マイホームを保有している間、納める税金です。
土地にかかるものと建物にかかるものがあります。

支払う固定資産税額の基本的な計算式は以下の通りです。

固定資産税の税額=固定資産の評価額(課税標準額)×標準税率(1.4%)

土地・住宅それぞれの面積が広い戸建ての方がかかるのでは、と思われるかもしれませんが、マイホームの建つ土地の場合は1戸あたり200㎡以下であれば6分の1に評価額を減額できるという特例があります。
加えて、評価額は3年ごとに見直され、建物部分は木造や鉄筋コンクリート造りなど構造によって違う経年劣化が加味され減点されるようになります。
木造家屋の場合は20年で約20%の水準まで評価額が減点されることとなりますが、鉄筋コンクリート造りの場合、20年経っても45%程度までしか評価額は減点されません。

建物部分の評価額は再建築価格をベースとしています。そのため鉄筋コンクリート造りの方が木造よりも、そもそもの評価額は高い水準となります。

戸建ての固定資産税の負担は徐々に減っていくことが期待されますが、マンションの場合、固定資産税の負担はあまり減らないでしょう。
固定資産税は保有する間ずっと納めなければいけない税金です。
同じ取得費用をかけても居住期間が長くなるほどに、固定資産税の負担額には差が出てくることが考えられます。

火災保険料

火事や水災、風災やひょう災など自然災害による住宅と家財の万が一の費用を補うことができる保険のためのお金です。
万が一の際の生活再建を考えると必要な費用ですが、戸建てよりもマンションの方がご自身の負担は抑えられる場合が多いようです。
その理由は2つあります。

  • マンションでは、共有部分は一般的に組合で加入し、専有部分と家財のみの補償の用意ですむため。
  • 火事に強い構造の住宅の方が火災保険料は低くなるため。

戸建ての場合、非耐火構造のものと耐火構造のものに分けられますが、同じエリアに建つ住宅とする場合、非耐火構造の戸建の1年あたりの火災保険料の負担は、耐火構造の戸建のものよりもおよそ倍になるケースもあります。
最も負担を抑えられるのはマンション構造で、非耐火構造の戸建てと比較する場合、その差は4倍程度にもなります。

火災保険料の負担もまた、マイホームを保有する限り続きます。
保有期間が長くなるほどに、負担額には差が出てくることが考えられます。

修繕・維持費用

住宅に住み続けるために必要になる修繕のための費用です。
戸建ての場合、すべての設備や建築物がご自身保有のものとなりますので、マンションよりもご自身が負担する修繕費用はかさむ場合が多いようです。
例えば、外壁の修繕や、屋根の防水シートの改修、給排水管の修繕などは20年程度で修繕が必要になりますし、シロアリは5年程度の定期的な対策が必要です。

戸建ての修繕費は、築30年で800万円程度かかるとも言われています。

ただし、マンションの場合も修繕費用はあなどれません。
マンションの場合は、毎月修繕積立金を支払う必要がありますが、最初は低く設定して、10年後に2倍、15年後に3倍に上がり、最終的には月3万円弱で落ち着く物件が最近は多いようです。
足りない場合は一時金として支払いを求められるケースもあります。

戸建ての場合、修繕のための積立ができず、修繕をぎりぎりまでしたくないという方は案外多いです。
しかしぎりぎりまで先延ばしするとかえって高くつくケースも少なくありません。
今後の長生きを想定すると、戸建てもマンションもしっかりと今後の生活設計に組み込んでいきたい費用です。

戸建てでもマンションでも無理のない予算を

マイホームは大きなお買い物です。
取得する際だけではなく住んでいる間かかる費用も多くあります。

だからこそ、どんなときにも失敗しない魔法のようなマイホームプランはありません。
残念ながらいざとなったら、結局はなんとかしていかなければなりませんが、万が一の時にもご自身に選択肢を残し、リスタートを切りやすい無理のないマイホームプランは作ることができます。

そのためにはご自身で叶えたい暮らしを描きつつも、トータルコストを見通すことが大切です。

ご相談を終えて

「マンションが贅沢とかではなく、戸建てであってもお金がかかるんだよねって、すっきりして、もやもやがなくなった気がします。買った後の修繕費のことまで考えていなかったのでお話しを聞けてよかったです。コストをはっきりと示してくれたことも大きかったです。」

ご相談後、こんなメッセージをいただきました。

辰野様はご面談後家族会議をされ、あらためて住宅の取得プランを夫婦で話し合いされたそうです。
その後家計診断コースをご利用いただき、住宅ローンも含め物件にかけられる予算の総合的な診断を実施、家計づくりを応援させていただきました。

この記事を書いた人
内田 英子

家計簿を使わない“わたしタイプ”の家計づくり ブレない自分と家計をつくる。 家計の総合医。

相談事例をフリーワード検索で探す