ファイナンシャルプランナー大地 恒一郎

2021年 06月 10日

【コラム掲載】「MINKABU(みんかぶ)」の「投資信託」サイトに、『「つみたてNISA」のタテヨコナナメ(2)』がリリースされました。

こんにちは、FP相談ねっとの大地恒一郎です。

「MINKABU(みんかぶ)」の「投資信託」サイトにて、先月から『「つみたてNISA」のタテヨコナナメ』を書かせていただいていますが、その2回目のコラムが、6月9日にリリースされました。

今回は、前回に続いて、「つみたてNISA」の対象ファンドとなるための基本的な要件の一つ、「毎月分配型は除外」されていることについて解説しています。

ここで簡単に、投資信託の分配の仕組みについてご説明してみます。(単純化した説明なので、追加設定などはないという前提)

例えば、1万口あたり10,000円でスタートした基準価額が、市況の低迷や波乱などから、10,000円を下回ってしまうことは、投資信託では決して珍しいことではありません。

このような場合は、分配金の元となる「配当金や利息、(有価証券の)売買益」がプラスの金額としてファンドの信託財産内に留保されていたとしても、ファンド全体でみると基準価額が10,000円を下回っていますので、「(有価証券の)評価益」のマイナスの金額の方が大きくなっていて、コストなども含め、先のプラスの部分と差引きすると、「分配可能原資」はマイナスとなり、それはゼロとカウントされることから、分配金を出すことは難しくなります。

原則として、投資信託は年に一度は分配することとされていても、このような「元本割れ」の状況では、「配当金や利息、(値上がり益のうちの)売買益」などを原資とする「普通分配金」を出すことは難しくなるのです。

ここで、どうしても分配金を出したい場合は、元本の払戻にあたる「元本払戻金(特別分配金)」として分配することが可能です。

しかし、非課税扱いの元本払戻をしてまで分配する必要はないと言えますし、もし「普通分配金」を出すことが可能であっても、その「原資」がごく少額であったり、或いは、市況がとても不安定な状況であったりすると、基準価額水準を維持するために、無理に分配金を出すことをためらう場合もあります。

通常、譲渡益には課税されますが、譲渡損の場合は課税されませんし、投資信託は信託財産の成長をめざすことが目的だから、ということもできます。

そこで投資信託の「分配方針」には、通常、次のような一文が書かれています。
「委託会社の判断により分配を行なわない場合もあります。」

つまり、委託会社(=運用会社)は、投資信託では年に一度の分配が原則ではありますが、分配を見送るという判断もできる、ということなのです。

ただ、運用成績が好調で、基準価額が10,000円を大きく上回って、15,000円、20,000円…と値上がりを続け、その基準価額水準が何期にもわたって続いている場合は、通常、そのファンドの「分配可能原資」は潤沢なのではないかと考えられます。

ここ数年、追加型の投資信託でも、設定以来(運用開始してから)一度も、収益分配を行っていないファンドがありますが、1年という計算期間を経た決算時に、潤沢な「分配可能原資」がありながらも分配を行わないということは、投資信託の持つ課税の導管性から考えると、議論の余地が大いにあるのではないか、と個人的には思っています。

それはさておき、今回のコラムでは、ファンドの目論見書から引用する形で「元本払戻金(特別分配金)」についても説明していますので、投資信託をよりよく理解するために、お読みいただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

itf.minkabu.jp/news/1000


関連記事はこちら