こんにちは。
FP相談ねっと認定FP 寺田紀代子です。
保険販売系FPとして、青森県弘前市で保険にまつわるお悩みを中心に相談承ってます。
「病院の領収書捨ててしまったみたいなんですけど、今入っている保険の保険金請求できませんか?」
こんなお電話がかかってきました。お勤め先の団体保険にも加入されていて、領収書を出してくださいと言われて慌ててしまったようですが、大丈夫です、請求はできますよとお答えしました。
保険に入るときは商品の説明はたくさん聞いたけれど、入院や手術をした時どんな書類が必要か、説明を受けていない場合もありますね。
保険金の請求については、保険会社各社、保険金の額、請求する保険金の種類によって提出書類が変わってきますが、一般的にどんな書類が必要になるかお話しします。
生命保険給付金の請求には原則診断書が必要です
入院給付金や手術給付金の請求には、保険金を請求する請求書と、入院や手術の内容を病院の先生が証明してくださる診断書が必要です。
診断書料は病院によっても違いますが、概ね5,000円位。日額5,000円の医療保険で1泊2日の入院をし、手術もなく、入院給付金以外支払う項目がなければ、2日分1万円の給付金です。5,000円の診断書料自己負担は大きいですね。差引5,000円は手許に振込まれるとは思っても、手間を考えると面倒だから請求しないという方もいるはずです。
短期入院が多くなっている昨今、原則は診断書提出ですが、いろいろな要件を満たしていれば、診断書の提出を省略することができ、他の書類で請求することができるようになっています。
どんな書類で請求できる?
領収証
治療費を払った時に受取る領収証です。
領収証には、入院・外来の区分欄があり、日帰り手術をした場合、日帰り入院なのか外来なのか、判断できる書類となります。手術料という欄では、点数が入っていることで、手術給付金の対象となるかの判断ができます。冒頭のお問合せの方のように、うっかり捨ててしまっても、領収書は病院にお願いすれば再発行も可能です。診断書は有料になりますので再発行してもらいましょう。
診療明細書
領収証と同時に受取る診療明細書です。
明細書には、投薬や検査名などが記載されていますが、手術があった場合などには手術名が記載されている場合が多く、手術給付金を支払える手術か判断できる書類です。
退院証明書、入院計画書、手術説明書
入院、手術の場合、入院中の計画を説明するため、入院時に計画書を渡し説明してくれる病院もあります。
入院計画書や手術説明書には病名や手術名が明記されているので、診療明細書に詳しい術式が書かれていない場合でも、この書類の提出で請求ができる場合もあります。また、計画書も手術説明書も書面としてはもらわなかった場合は、病院に退院証明書を発行してもらいましょう。診断書と違い料金がかからず、病名なども記載されているので、代わりの書類になります。
どんな時に省略できる?
これは、各保険会社で要件が違いますので、加入している保険会社の担当者、またはサポートデスクに詳しくは聞いてみるしかありません。
参考のために1社例をあげてみます。
入院給付金を請求する(三井住友海上あいおい生命)場合
*退院後の入院給付金の請求である
*1回の入院日数が30日以内の入院である(病気で保険に入ってから2年以上経っている時)
*三大疾病一時金、脳卒中一時金、がん診断給付金、抗がん剤治療給付金、女性特定がん初回診断給付金 の請求ではない
*がん保険、がん入院特約など、がんのみを保障する契約の初回請求ではない
例えば、保険に入ってから3年経っていて、子宮筋腫をとるために1週間入院した場合は診断書省略に該当します。ですが、子宮がんのため入院し、がん診断給付金も請求する場合は診断書の提出が必要となります。
生命保険は長い契約になるので、加入した時の担当者が変わってしまい、誰に連絡すればいいかわからないという場合もあるかもしれません。その場合でも、請求書類はHPやサポートデスクから取り寄せることはできますし、保険金請求の手順もだいぶ詳しく書かれています。まずは問合せをしてみましょう。
診断書を出す場合
手順通りに確認したけれど、書類を省略できる要件に該当しなかった場合、診断書を病院で書いてもらいましょう。診断書はすぐには書いてもらえず、大きな病院では思いのほか時間がかかります。入院が決まり、保険金請求できる保険に入っているようでしたら、事前に保険担当者に連絡し、どのような書類が必要になるか確認してみることをお勧めします。診断書が必要になるようでしたら、早めに請求書類を保険会社に依頼しましょう。診断書の用紙は各保険会社所定の用紙になっています。入院中に病院へ診断書を依頼しておけば、退院の時に受取ることができるかもしれません。費用もいろいろかさむ入院。一日でも早く保険金が手許に入るよう早めに連絡しましょう。
請求漏れのないように
自動車事故の請求と違い、生命保険の請求は、センシティブな内容が含まれています。担当者にも知らせたくない。自分で全部請求したいという場合もあるでしょう。そんな場合は、診断書を取付けて、請求書類を出してしまうのも一つの方法です。診断書料は自己負担になりますが、もし、支払い対象外で保険金が支払われなかった場合は、診断書料はお返しします。また、診断書を取付けることで、入院に至る経緯や治療の経過などを申告する自己申告書を提出する必要がなくなります。診断書には必要項目がすべて書かれてあるからです。面倒だなと思う時は、原則の診断書で請求することもありかもしれません。
いずれにしても、せっかくの保険、お守りではなくきちんとした契約です。請求漏れのないようにしましょう。そのためにも、1年に1度送られてくる契約確認のお知らせを見て、自分はどんな保険にはいっているのか確認することが大事です。