塚越 菜々子

運営管理機関手数料0円!iDeCo新規参入のカブドットコム証券を取材しました

いろんなところでiDeCoができるみたいだけれど、どこがいい?それぞれどんな特徴があるの?
そんな疑問をお持ちかもしれません。

それぞれの金融機関がどんな思いで、どんなポリシーでiDeCoを取り扱っているのか、やはり生の声に勝るものはありません。
取材に行って聞いてきた内容をお届けいたします。

 

まずチェックしておきたいのは「iDeCoにかかる手数料」
iDeCoは加入時以外にも毎月手数料がかかります。

【毎月積み立てる場合】
◆国民年金基金連合会(105円)
◆信託銀行(66円)※
運営管理機関手数料(金融機関ごとに設定)★★
(※)一部金額が違うところもあります
この運営管理機関手数料★★が条件なしで「0円(無料)」なのは2019年11月現在9つの金融機関です。
 
  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 松井証券
  • イオン銀行
  • 大和証券
  • 三井住友銀行(みらいプロジェクト)
  • au

そして今回取材に伺った

  • カブドットコム証券

です。

どこも口をそろえて「iDeCoは金融機関にとってはもうからない」というのにもかかわらず、手数料を取らずにiDeCoを提供する金融機関はどう考えているのか、気になりますね。

カブドットコム証券は「受付金融機関」

実は、カブドットコム証券は受付金融機関です。

運営管理機関は「auアセットマネジメント」
auのiDeCoと同じところですね。

auアセットマネジメントのプランが「auのiDeCo」「カブドットコム証券のiDeCo」と二つあるようなイメージをしてみるとわかりやすいかもしれません。そのため、似通ったところもいくつも見受けられました。
一番大きく違うのは商品数です。

画像等参照:
カブドットコム証券iDeCo / auのiDeCo

カブドットコム証券で聞いてみました!

2019年4月に新しくiDeCoに参入してきたカブドットコム証券。
どんな意図・特徴があるのか、FP相談ねっとの山中代表・同じくFP相談ねっとの「ポイント投資」の第一人者の野原FPとともに取材してまいりました。

Q:なぜ今iDeCoに参入したのか?

運営管理官手数料0の金融機関が次々に登場し、それぞれが独自のプランや特徴を打ち出す中で、この時期に参入してきた意図があるのかを伺いました。

この件に関しては

A:あえてこの時期を狙ったわけではない。社内のシステムなどを整えて今の時期になった。

とのこと。

 

Q:リリース後の顧客の反応はどうか?

auのiDeCoは5商品であるのに比べて、カブドットコム証券のiDeCoは取扱商品は27本。
リリース後の反応はどうでしょうか。

A:リリース後の加入件数は好調で、加入者数はうなぎのぼりに増えている。正確なデータはまだ上がってきていないが、公務員の割合が比較的多めだと聞いている。ただ、加入者の「数」としてはまだまだなので、これからも力を入れていきたい。
だそう。
 

カブドットコム証券の既存のお客様は40代~60代で本来の強みである株式売買のお客様が多いとのこと。

これからはiDeCoやつみたてNSAのサービスを提供することで、20代~30代の資産形成期のお客様、とりわけKDDIをすでにご利用いただいているお客様には「投資の入り口」として使っていただくことを目指していくようです。

 

Q:商品ラインナップについて

後から入ってくるプランは既存のプランなどの動向を見ることができるものですが、そのあたりも含めて商品ラインナップについてはどんな意図があるのか聞いてみました。

A:カブドットコム証券は受付金融機関で、運営管理機関はauアセットマネジメントのため、商品の選定については関わっていない。ただ、iDeCoの「運用益非課税」を生かすことができる、リスクの高めの商品などと組み合わせていくことができるようなラインナップになっているとは思う。それぞれが自己責任で組み合わせていけるよう、息の長く多彩なものが商品としてそろえてある。
 

実際に、インデックス型の商品としては、株式(国内・先進国・新興国)、債券(国内債・外国・新興国)、REIT(国内・先進国)、ゴールドとまんべんなくナインナップしてあり、アクティブにはバイオやロボなどのテーマがあるものも入っています。

バランスファンドもリスクの度合いに合わせて5つあり、ターゲットイヤーは5年刻みで6本がラインナップ。
信託報酬だけ見るとややほかの運営管理機関よりは高いものもあるものの、組み合わせるためのパーツは十分そろっていると言えそうです。

具体的な商品についてのページはこちらから

 

カブドットコム証券のiDeCoのウリは?

iDeCo自体は国の制度のため、金融機関が簡単に変えることはできません。
申込書類なども、国民年金基金連合会が間に挟まるためになかなかペーパーレス化が進んでいない現状。
どこの金融機関にお話を伺っても、お客様への利便性と制度自体の縛りの中で色々な工夫をしているようです。

では、カブドットコム証券のiDeCoのウリはどんなところでしょうか?

A:一つはポイントが貯まること。すべての商品ではないが、商品の保有残高に応じてポイントが付く仕組みを導入している。もう一つはスマホのアプリでの管理のしやすさ。パソコンを持たない人が増えている中、アプリでサクサクと様々な手続きができるように工夫してある。
 

カブドットコム証券のiDeCoでポイントが付く商品はバランスファンドの中の2つ「auスマート・ベーシック(安定/安定成長)」「auスマート・プライム(成長/高成長)」です。

老後のためのお金の積み立てに、さらにポイントが付くのは面白いですね。すでにauで通信契約があったり、これらの商品を買おうと考えているのなら、よりお得に利用することができそうです。

スマホでできることが格段に多くなっている中、実際にパソコンを保有していない人も増えてきているよう。そんな場合もスマホアプリの操作性が良ければ利用のハードルは下がるのかもしれませんね。

また、資料請求をしたものの何かお困りごとがあり申し込みに至れない場合は、電話などで困りごとがないかお尋ねするサポートなどもしているようです。

 

今後はつみたてNISAなども合わせて資産形成の後押しを

現状、iDeCoは一般的なサラリーマンで掛け金上限が23000円。公務員は12000円。

会社に企業年金がある場合などはiDeCoを併用して開始することができないケースもあります。
そうなるとiDeCoだけでの資産形成では足りないことも十分に想定されます。

カブドットコム証券はつみたてNISAにも力を入れており、金融庁の基準をクリアしている商品のほとんどをラインナップしています。iDeCoだけではなく、つみたてNISAや端株のつみたてなどを通じて、資産形成の後押しをしていきたいとのことでした。

実はカブドットコム証券は、まもなく会社名が「auカブコム証券」に変更になります。
今後の動向が楽しみですね。