黒木 るみ

投資初心者の私、どちらの制度が向いてる?iDeCoとNISA(つみたてNISA)の違うポイントは?

こんにちは!

投資未経験者の最初の一歩をサポートする、FP相談ねっと認定FPの黒木留美です。


最近よく聞く「iDeCo」や「NISA」「つみたてNISA」
投資したことがない人から「聞いたことあるけど、何が違うのか?よくわからない」という声をよく伺います。わからないと選べませんよね?

まず、両制度の目的から比べてみます。

個人型確定拠出年金であるiDeCo(イデコ)の目的は、ズバリ老後資金をつくることです!

NISA(ニーサ)とは少額投資非課税制度のことで、NISAとつみたてNISAの2種類があります。
NISAは5年、つみたてNISAは20年と積立期間が違うため、目的は人それぞれです。

目的に適した制度を利用するためにも両者の違いからみていきましょう!

iDeCoとNISAの違いは?

1)投資金額の違い

iDeCo(イデコ)の年間拠出限度額は、職業や勤務先の会社の年金制度によって変わります。自営業者(第1号被保険者)は年間81.6万円、会社員(第2号被保険者)は勤務先の企業年金の有無や制度内容によって異なり、企業年金がない会社の従業員は年間27.6万円、企業年金がある会社の従業員はその制度によって年間14.4万円または24万円。公務員は年間14.4万円、専業主婦など(第3号被保険者)は年間27.6万円です。
最低投資金額は5,000円からで、これはすべての人に共通です。

NISAは、日本に住む20歳以上の人が利用できます。年間投資限度額は、NISAは120万円、つみたてNISAは40万円です。
最低投資金額は特に決まっておらず、100円から積立を始められる金融機関もあるようです。
100円からだと気軽にはじめれますね!

2)投資できる商品

iDeCoで投資できる商品には、元本確保型と投資信託があります。元本確保型とは、文字通り元本が減らない商品のことで、定期預金や保険があります。
それに対して、投資信託は、増えもすれば減りもする、価格が変動するタイプの商品です。投資対象となる地域や資産によって、国内株式や国内債券、海外株式、海外債券に分かれます。1本の投資信託で、複数の地域や資産に投資するバランス型と呼ばれる投資信託もあります。その他、金融機関によってはREIT(不動産投資信託)やコモディティなどもあります。

NISAの対象商品は幅広く、ETF(上場投資信託)やREITを含む上場株式と投資信託などがありますが、つみたてNISAの対象商品は、金融庁が定めた基準を満たす投資信託とETFだけです。つまり、国内にある6000本ほどある投資信託の中から、金融庁によって厳選された商品ということです。

3)運用期間

iDeCoで掛金を拠出できるのは60歳までですが、70歳まで引き続き運用することができます。

NISAは種類によって運用期間が違います。
NISAは5年間、つみたてNISAは20年間です。

4)税制優遇の違い

iDeCoには、かなり有利な税制優遇があります。
老後資金対策する人を国は応援してくれてますね~

1つ目は、掛金を積立する時です。
掛金の全額が所得控除の対象となります。
所得控除とは税金がかからないお金になるということです。
その結果、加入者の税率に応じて所得税と住民税が軽減→節税されます。

2つ目は運用期間中です。
通常の特定口座では、売却時に運用益が出ると約20%の税金が課税されます。
しかしiDeCoでは、運用して利益が出たとしても税金がかかりません。
運用中に受け取った分配金や預金の利息なども非課税となります。

3つ目は、運用してきた資産の受取時です。
iDeCoでは、60歳から70歳までの間に一括(一時金)、分割(年金)、一時金と年金の併用のいずれかの方法で資産を受け取ります。

一時金であれば、退職所得控除が適用されます。これは、会社員などが勤務先から退職金を受け取る時の控除です。
会社員は勤務期間が長くなるほど、iDeCoでは拠出期間が長くなるほど、控除額が大きくなります。
20年までは1年につき40万円、20年を超えると1年につき70万円控除されます。長くなるほど控除額が増える仕組みです。
例えば30年勤務した場合は、1,500万円まで税金がかかりません。

年金で受け取る場合は、公的年金等控除を使えます。
これは公的年金とiDeCoの合計額に対して適用される控除です。
控除額の範囲であれば税金がかかりません。

NISAの税制優遇は、NISAとつみたてNISAで共通です。
運用期間中に受け取る配当や分配金、解約したときの利益には税金がかかりません。
この税制優遇は、iDeCoと共通です。

5)損益通算

iDeCoもNISA・つみたてNISAも、解約したときに利益が出た場合でも非課税ですが、損をしたときには、特定口座や一般口座といった他の課税口座と損益通算をすることができません。利益がなかったと見なされる代わりに、損もなかったと見なされるのです。つまり、値上がりして利益が出た場合は非課税の恩恵を受けられますが、損をしたときは損益通算によるメリットを受けられないのです。
この点についてはiDeCoやNISA・つみたてNISAのデメリットと言えるでしょう。

iDeCo、NISA(つみたてNISA)に向くのはどんな人?

iDeCoもNISAも、長期で資産形成をしながら節税もできる制度です。
できれば両方とも利用していきたいですね!
しかし資金的に厳しいという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、どちらかを選ぶ際のポイントをお伝えします。

1)iDeCoが向いている人

税制優遇の面では、iDeCoのほうが圧倒的に有利です。
積立の目的が「節税をしながら、老後の生活に必要な資産形成をしたい」という人は迷うことなくiDeCoを選んだほうがいいでしょう。
ただし加入期間が10年未満になる方は、引き出せるのが60歳よりも後になるので注意してください。

2)つみたてNISAが向いている人

つみたてNISAも、20年という長期運用ができます。
「コツコツ積立をして老後資金を作りたいけど、長い人生で何があるかわからないから、いざという時にお金を引き出せるほうがいい」という人は、つみたてNISAが向いています。
月の積立額が100円からスタートできる金融機関もあります。
「投資は怖い」「続けられるか心配」という人は、いつでも解約できるつみたてNISAから気軽に始めてみてはいかがですか?

3)NISAが向いている人

NISAの運用期間は5年間なので、中長期の運用を考えている人に向いています。
NISAでは投資信託だけでなく、国内株式や海外株式、債券など様々な金融商品を購入できます。
中長期でリターンを得られる商品を運用できる人に向いていると言えます。

「iDeCo×つみたてNISA」の併用

1)老後準備が目的だったら、iDeCoのほうが税制メリットは大きい

目的が老後資金の準備であれば、税制メリットが大きいiDeCoをフル活用するのがおすすめです。
iDeCoを満額で運用しても、まだ資金的に余裕があるのであれば、つみたてNISAとの併用も検討してみましょう。
20年という長期にわたって運用できる制度であり、40代から始めれば60代まで運用できるので、老後資金に間に合います。

iDeCoとつみたてNISAを併用する場合は、年末調整や確定申告によってiDeCoで税金が戻ってきたら、そのお金をつみたてNISAに回すといいでしょう。
戻ってきたお金を使ってしまっては、もったいないです。
ついついiDeCoの還付金を使ってしまう方が多くて、残念だと思っています。
還付された税金を再投資すると、特に長期運用では投資効率が上がりますよ!
ぜひ再投資に回す仕組みをつくってください。

2)資産全体を考えた運用をしましょう

資産形成を考えるときはiDeCoだけ、つみたてNISAだけで考えるのではなく、自分の資産全体のリスクとリターンのバランスを考えることが重要です。

自分の資産のうち、どれだけ投資に回すか、配分を考える必要もあります。
現金で持っておくお金、手堅く貯めるお金、長期的に運用するお金にどう配分するか?
一度立ち止まって考えてみてください。

iDeCoとNISAの違いを理解して、自分に合っている制度から始めてみましょう。
投資が怖ければ、最初は少額からスタートして、慣れてきたら増額するスモールステップでもOK!
まずは、最初の一歩を踏み出すことが大切です。
このコラムがあなたのファーストステップにつながれば嬉しいです^^

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