こんにちは、品川(高輪)の確定拠出年金相談ねっと認定FP、野原です。
先日、5億円の資産を運用している不動産投資家にお会いしましたが、その会話のなかで「REIT(不動産投信)ってどうですか?」という質問をいただきました。
僕が以前より、分散投資のひとつとしてインデックスファンドを活用し、日本と世界のREITを組み入れていたのと、最近の堅調なREIT相場を受けて気になっているようでした。
国内に限っていえば、空室率低下・賃料上昇・借り換え利息の軽減などにより、分配金の上昇が見込まれるのと、海外勢や日銀の買いにより、指数そのものも堅調となっています。
不動産投資家からすれば、新規物件の取得に苦しんでいるなかで、全REIT平均分配金利回りが4%程度というのがとても魅力的に映るのでしょう。
景気が良くなってくると、賃貸需要のしっかりしている物件、競争力もある物件で、手残りの実質利回りを2%以上とすることは至難の業ですから、それも良くわかります。
ただ、REITの値動き自体は株式に比べてそんなに上下に大きく動くものでもなく、大きな値上がりは全く期待していません。
また、現物不動産に比べて運用効率を大きくあげることもできません。
僕が分散投資に採用している最も大きな理由は、不動産市況の動向や資金の流入状況、借金の活用法としてではありません。
REITそのものがもっている仕組みが、資産形成にとても有効だと思っているからです。
REITが最も魅力的なのはその仕組み!
リートは「不動産投資を目的とする特別に認められた法人」であることから、一定の条件の下、税金を免除されています。リートは賃貸ビルなどを保有している会社であり、それらの不動産から賃料等の収入を得ます。そして、賃貸不動産に関わる各種費用を負担しなくてはいけないので、これらの費用などを支払います。この賃料収入から費用を引いた当期利益の90%超を投資家に分配することを条件に、リートは税金が免除されることになっています。したがって投資家の皆さんは税金を引かれる前の利益を分配金として得ることができるのです。
つまり、一般的な株式会社の株主は、その会社が法人税を支払った後の配当を受け取るのに対し、リートの投資主は、法人税を引かれることなく利益の配分を受けることができるのです。これらが、リートが比較的安定的に、かつ高い分配金を実現できる仕組みであり、実際に利回りも高めとなる理由なのです。
実は僕はまだ不動産を所有していませんが、いずれはこのREIT資金を頭金として活用して、物件を取得していきたいと思っています。
積立てのREIT残高 → 現物の不動産取得、というように投資対象が同じようなものへ資金をシフトしていく方法を「リレー投資」といい、長期の資産形成においては、ポートフォリオを崩さずに運用を継続できる点で利にかなった方法となります。
代表的なインデックス(東証REIT指数)の動き
REITに関する情報はなかなかまとめて取得しにくいのが現状ですが、こちらのサイトで確認できます。
Tokyo Stock Exchange REIT Index
そもそもREITって何?
不動産投資信託。Real Estate Investment Trust の略です。たくさんの投資家から資金を集めて「不動産」を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に分配する商品です。
一般的に、営業収益の全てが不動産賃貸収入(売却益を含む)であり、不動産の開発行為を禁止されているため、既に安定稼動中の物件をスポンサー企業などから購入し保有しています。利益90%以上を配当しなければならず内部留保はわずかな金額に留まります。また、賃貸事業の生み出す不動産キャッシュフローは安定し事業リスクは低くなります。資産運用については、関連業務を資産運用会社に委託し、執行役員と監督役員のみで構成され、従業員のいない外部運用となります。外部運用は運用コストの透明性や効率性などの面でメリットがある一方で、スポンサー企業との潜在的な利益相反懸念が課題として挙げられます。
このサイト内の動画もわかりやすいです。
REITには、東証REIT指数のような全体の動きを表したものや、それをインデックスとした投資信託もあれば、個別のREITもあります。
個別資料はこちらです。
不動産投資とREIT投資、どっちを優先する?
不動産投資に興味はあるものの、経済的に余裕がない場合はREITへの投資を優先されると良いと思います。
もし、どちらも投資可能な経済状況であれば、現物の不動産投資を優先されて良いですが、特定の物件に依存するリスクが過大となってしまうため、同時にREITへの投資もしておくと良いかもしれません。
不動産投資は世間一般のイメージほど、簡単ではないと思います。せっかく物件を取得したのに、それが家計を圧迫するような無茶な投資だけは避けてくださいね。
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