野原 亮

「積立投資」から「キャッシュ・イズ・キング」へ逆戻りしないための必勝法

こんにちは。FP相談ねっと認定FP、0円投資マスター・野原です。

 

最近は早く寝て早く起きる、深夜まで起きている、そんな日が多くなっています。
株式市場のボラティリティ(変動幅)と僕のアドレナリンが連動しているので、積立投資をしているにも関わらず、特になにもなくとも体がそうなってしまうのです。

本来、自分が抱いてる感情をコントロールするのは難しいので、資産形成については、積立てを仕組み化することで代用しています。

NYダウ一時2700ドル超安 再び売買停止、世界株安加速
※日本経済新聞 電子版 2020/3/16 22:31 (2020/3/16 23:35更新)

 

今回は、積立投資を始めてから、この大暴落を受けて恐くなってしまっている、
せっかく積立てし始めたにも関わらず、「やっぱり現金にしておけばよかった」と思っている、

そんな方々にお届けしたいと思います。

 

想定外!ー 最悪の事態がやってきた

何かあると「想定外だった」というフレーズは良く聞くおなじみのフレーズだと思いますが、僕の中では「想定外」というのはそんなにはあるわけではありません。

たぶん想定している「シナリオのパターン数」が異なっているのかもしれません。
シナリオ毎の現実味や意外感などは温度差が激しくなりますが、イメージがわずかでもあれば、シナリオを描いておくことも無駄とは思えないのです。

一般的に「想定外だった」というのはどうやら「言い訳」ともとれると考えられるので、個人的には「シナリオを描いてなかった」というほうが近い表現のように思えます。

経営者としては、重要な要素であるような気がしますよね。

 

こちらは先月、フィリピン在住の友人の日本人経営者とやり取りした際のメッセンジャーです。
僕は名前から「亮(りょう)」と呼ばれています。

※筆者メッセンジャーより抜粋

 

※出所:日経電子版「SmartChartPLUS」、日経平均株価©日本経済新聞社

 

コロナショックがの話題が出始めたころ、1月末~2月上旬くらいでしょうか、リーマンショック時と同様、当初は株価が全く反応しなかったんです。
僕自身、世界に流行する可能性を市場が全く織り込まないため、自分がおかしいのかとさえ思いました。

我々人間は、どうやら自然の驚異をあまくみてしまう傾向にあるようですね。

 

それでも、シナリオを描くことはやめません。

こんな感じで、シナリオを描いておけば、想定外の事態はまずやってこないのです。
要は「想定外」というのは単純に、事前に「イメージできてなかったこと」ということになります。

 

長年、マーケットと向き合っていると、自然と「想定外」ということが少なくなっていき、この思考は本業などのビジネスでも応用可能です。

もちろん、このような大暴落を望んでいたわけでもなく、国際分散投資をしているにも関わらず、僕自身の資産もいよいよ大きくマイナスになってきています。

※ちょっとしたカラクリがあって、全く問題ありません(汗)

 

積立投資の必勝法は「キャッシュ・イズ・キング」ではない

世界中で株価が大暴落していくなかでは、特にビジネスの世界では「キャッシュ・イズ・キング」ということが言われ、現金をもっている会社ほど、ピンチの時には強いということを表しています。

ところが「積立投資」においては、額面通りに受取る必要はありません。
積立投資家がすべきことは平時となんら変わることはありません。

必勝法は2つ、そしてこれを守ることです。

 

① 積立てをやめないこと

一般的には、毎月積立てるかたが多いと思いますが、ドルコスト平均法(定期定額投資法)により、毎月決めておいた金額を定期的に積立てし続けていれば大丈夫です。

ただし、

資産形成にまわすための無リスク資産(現金、国債、為替ヘッジ付債券)と、リスク資産(株式や外国債券、不動産などが組入れられている投資信託)を、当初決めた通りのバランスで、積立てを継続し続けることが重要です。

リスク資産だけを積立てる資産配分になってしまうと、今回のような大暴落が来たときに、ほんとに単純にリスク資産だけを積立てするだけとなり、相場がどっちにいっても良いように対応できなくなります。

無リスク資産とリスク資産を、自分なりのバランスを保ちながら、同じことを繰り返すだけで構いません。

 

② リバランス(リスクの再調整)をすること

マーケット環境が良い時に、ちゃんとリバランスしてこなかったかたは、もしかしたらいま後悔されているかもしれません。

SNSやブログなどで、全く気にしてないように見える積立投資家もいますが、僕にはそんな風には見えません。
少しくらいは強がっている部分がないと、不自然です。

もし強がってないとするなら、資産運用しようがしまいが、それはきっとお金には困っていない人でしょう(笑)

 

あの時、売っておけば良かった

人間は、過去の株価水準を記憶していると、その株価に対してとても執着してしまう傾向にあり、後悔の念が強くなってしまうのです。(アンカリング効果

最初に提示されたものさし(数字や条件)が基準となり、その後の判断が無意識にそのものさしに左右されてしまう心理。
船が錨(アンカー)を下ろすと、そこからほとんど動かなくなることに由来しています。

リバランスには、この後悔の念を和らげる効果があります。

 

また、マーケット環境が好調の時と、悪い時ではまったく逆に、リスク資産の比率がどんどん下がり、無リスク資産の比率がどんどん上がります。

無リスク資産を売却し、リスク資産を購入することで、当初決めていた資産配分のバランスを保つことができます。

たった1日で5%以上も株価が動く日が続くと、もしかしたらリバランスの頻度が上がる可能性もありますが、自分のペースでやっていただいて構いません。

 

自分にあったリバランスをすることにより、

リスク資産が好調な時・・・リスクの取りすぎを防ぐ

リスク資産が不調な時・・・リスクの取らなすぎを防ぐ

という効果があるのです。

 

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」ー いつまでも下がり続けることはない

2001年の世界同時多発テロ以降、りそなショック、リーマンショック、東日本大震災、コロナショック、などなど多くの暴落局面を経験してきました。

我々は、そんなに強くできていません。

相場が良い時は、これがいつまで続いてくれるのだろうか、
相場が悪い時は、これがいつまで続いてしまうのだろうか、

そんな風に思うことも少なくないでしょう。
そのたびに、この人間らしい感情は、やっぱり杞憂であったということが繰り返されてきました。

まとまったお金で一括投資すると、この感情に押しつぶされてしまいますが、積立投資ならば、その心配もありません。

そして、この資産形成から得られた経験・知恵が、そのまま本業のビジネスに活かされてゆくことでしょう。

 

積立投資には、ひとつも無駄はありません。

いまは、平常時と変わらず積立てを継続しつつ、本業のビジネスに専念したほうが良いでしょう。
そのための積立てです。

不安なこともあると思いますが、仕事に集中していきましょう!

 

ご参考

積立投資に関連するブログは、「積立投資一覧」タグにより、一覧でご覧いただけます。

 

●日経電子版

長期株安でも「必ず夜が明ける」理由
※日本経済新聞 電子版(編集委員 田村正之氏)より抜粋
「オンリー・イエスタディ」、米大恐慌の時代

金融危機と若手医師の夢

「投資が怖い」シンドローム

※日本経済新聞 電子版「長期分散投資の真実」(編集委員 田村正之氏)(2~4)より抜粋

 
 
 
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