野原 亮

セゾン投信「積立王子」中野会長解任劇で、積立投資家にとって専門家やアドバイザーの解説よりも重要なこと

すでにご存知の通りですが、セゾン投信の中野会長について、6月に入り大きな動きがありましたので、備忘録をかねつつ重要なことをお伝えしておこうと思います。

(以下、日経新聞電子版記事を古い順から並べたものです)

セゾン投信中野会長退任へ 親会社と経営方針巡り対立か

セゾン投信、中野晴啓会長が退任へ 直販モデルに転機

セゾン投信「積立王子」解任劇 揺らぐ顧客本位

「積立王子」が問う 長期投資を続ける心構え

セゾン投信「直販中心から転換」 路線対立で会長退任

退任予定のセゾン投信中野会長、新会社設立も選択肢

「セゾン投信、投資方針変わらず」 クレディ水野社長

新NISA、投信直販には試練 セゾン系は販社経由に転換

セゾン投信が運用する投資信託のうち、セゾン・グローバルバランスファンド(※1)については、拙著「1時間でわかるiDeCo」にて、おすすめ投資信託ベスト10のひとつ(※2)としてご紹介してきました。

そのため、やはり説明責任があるとの判断によっておりますので、他意はないことをご了承ください。

※1)略称・グロバラ。旧:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド。提携運用会社・バンガード社の日本撤退により改称
※2)「1時間でわかるiDeCo」第3章P86・87参照

結論として、僕がおすすめ銘柄の一覧に入れた理由は、中野会長のお人柄と想い、普及活動等に尽力されている姿勢が、積立投資家の皆さまにとってもなにかしらメリットになるという判断基準がありました。

これは、相対的に高い信託報酬を払ってもあまりある価値だろうという想いです。

そうでなけければ合理的に考えて、グロバラをおすすめする理由は、自動的にリバランスしてくれるという点を除くと、ほとんどないと考えています。

また、商品の特徴としては拙著に記載ある通りです。

僕にとってのその前提条件が、今回大きく変化を迎えることになったのです。

迷ったら、まずはここから!

セゾン投信の創業者であり、長期積立投資の普及活動において、圧倒的に中心的な存在であったこともり、個人投資家の間でも熱狂的ファンが多く存在していたセゾン投信。

今回のニュースをどう解釈するか、投資家としてどう判断していくかには様々な意見があり、それぞれご参考にしていただくと良いと思います。

ただ、「結局、私はどうしたら良いの?」という疑問に対して、自分なりに結論を出すには、まずこれを再確認しておかなければいけないという点をご紹介します。

それは・・・

そもそもなんでセゾン投信の投資信託を買ったの?」ということです。

これには様々な理由が想定されますが、どんな理由でもかまいません。

まずはこれを思い出す、原点に立ち返ることが重要です。

あるいは、理由がぼんやりしているかたであれば、いま考えてみても良いでしょう。

Whyより始めよ!

僕が大切なかたがたへお伝えし続けてきたことが「原点に帰る」ことです。

原点に帰って、「なぜそうしようと思ったのか?」と、その理由や目的を思い出すことです。

これはビジネスの世界においても、プレゼンや打合せ、ヒアリングなど色んなシーンでも共通することですが、時間の経過とともに気づかずに、そもそもの原点やテーマから離れたり、脱線したりしてしまうことが、どうしてもでてきてしまいます。

そんな時は、軌道修正するために、最初に掲げたテーマや目的などにたち帰る必要がでてくるでしょう。

その原点が、まさにあなたの判断基準や行動のベースとなるのです。

そして我々専門家やアドバイザーが陥りがちなワナとしては、この原点を無視して、正解か不正解かを「ジャッジをしたがる」点にあります。

あるいは、知らず知らずのうちに良いか悪いか、メリットがあるかデメリットか、勝手にジャッジしてしまうのです。

正解か不正解か、明らかに間違っていることもありますが、今回の件のように、個々人の価値観によるところが大きいようなテーマだと、一概に言えない部分も多いため、「私はこう思う、だけどあなたはそう思うのね」というケースが多くなってきます。

なので、原点によって変わってくる正解は人それぞれなので、安易にジャッジできないし、してはいけないのです。

そのかわり、やるべきことは明確です。

それは「判断基準を明確にすること」です。

その結論を導くための材料に、ものさしをどうあてるか、決めておく必要があります。

その参考になるかわかりませんが、次の動画は2014年に教わって以来、ずっとご紹介してきたもので、「Whyより始めよ」や「ゴールデン・サークル」といったら、まさにこの方!というほどの有名な動画です。

サイモン・シネック「優れたリーダーはどうやって行動を促すか

僕の周辺にも、熱烈なセゾン投信ファンがいますが、この「Why」の部分がしっかりとしていたかたは、結論をだし、行動するのに、そんなに時間はかかりませんでした。

正解を求める教育みたいになってはダメで、自分で答えを導き出せるベースをしっかり持っておくことです。

これを踏まえて、積立投資家はどうすれば良いのでしょうか?

経営者(意思決定者)になったつもりで判断!

積立投資家のなかには、会社員のかたもいれば、オーナー経営者のかた、専業主婦(夫)のかたもいらっしゃると思います。

どのお立場であれ、まずはWhyを大切にしていただきながら、そのうえで、客観的を意識しながら情報収集し、継続か解約か、様子見か買い増しかなど、スパッと結論を出していっていければ良いでしょう。

結論を出すのは、誰か専門家やアドバイザーではなく、あなたしかいません。

そもそも僕の投資方針は、「なるべく他者・他社に依存しない」しくみをもっておく、ということを明確に実践していますので、それが皆さんの参考になるかはわかりません。

どちらにしても、Whyが明確になることで、判断基準が明確になり、あまり迷わなくなることは間違いありませんし、より小さな概念に依存すればするほど、より多くの不確実要素が増えてしまいます。

次の図は、「0円投資」の実験をしていた時に、僕が意識していた投資方針のイメージ図です。

今後の皆さまのご参考にしていただければ幸いです。

(おまけ)資産運用ノウハウを取り戻す

元手0円とか少額投資が普及して、学べるコンテンツもいっぱいある。

あまり意識して自ら情報をとりにいかなくても、それなりに学べるようになってきた、、、

時代の変化が凄いと思うとともに、その危うさや脆さをも同時に感じています。

僕が起業したのが2017年ですが、その数年前まで、パソコンをほとんど使えませんでした。

いまじゃ、PCをあたりまえのように使っています。

投資も同じです。

  • 銀行預金
  • 投資信託
  • 株式投資
  • 日本国債

なにを学んだか、なにに投資しているか、それは人それぞれ。

ミクロな投資に社会性や社会貢献のイメージをもつ人もいれば、僕のように、

ミクロな投資は自分のためマクロな投資はみんなのため

株式投資や積立投資は自分のため売上への貢献はみんなのため

と、ミクロ金融よりマクロ経済に、より興味をもつ人もいる。

とかいいながら、毎日のように株式市場や世界情勢をチェックする、、、

僕がそもそも当初から考えていたのは、PCオンチの僕が、最低限は使えるようになったように、

  • 少しでも損したくない
  • まとまったお金がない
  • 学びかたがわからない

という投資初心者のかたが、どうやって自然と自分でできるようになれるか、

  • 週末投資家
  • 月末投資家
  • 年末投資家

どれくらいの頻度で自分の口座やマーケットをチェックするかは関係なく、もっと世の中の出来事に興味をもっていただいたり、入ってきた情報を、どうやって受けとめていったら良いか。

その結果、どのように行動につなげていくか、そんなキッカケをつくりたいと思っていました。

いままで、何年も前から発信していたいくつかのことが、いままさに目の前で現実になってきています。

基礎や本質をおさえておくのって、やっぱり大切ですよね。

  • 0円投資
  • 積立投資
  • 株式投資

僕にとっては、たいした意味をもちませんが、その先にいくためには、欠かせない、重要なステップです。

資産運用ノウハウを取り戻す

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