ファイナンシャルプランナー野原 亮

2022年 05月 01日

【FP困惑】事実と感情を使い分けて「投資は社会貢献」という言葉をちゃんと使いこなし、投資への理解を深めよう!

最近、男性Aさんの妻Bさんが積立投資を始めています。お子さんが生まれて数年たち、友人と一緒に参加したセミナーをきっかけに、「投資は社会貢献」と楽しそうに積立てしているようです。

そんな夫Aさんが妻Bさんに言ってしまったあることがきっかけで軽くケンカ中のようで、飲みの席でそんな話になりました。

妻が「投資は社会貢献」というから、ほんとは違うよと、FP野原に教えられたことをそのまま言ったら、なんかケンカになっちゃったよ。

ありゃりゃ・・・奥さんがせっかくやる気になってるのに、否定しちゃったんだね。

「投資は社会貢献」って崇高な理念だと思うし、とても大切なとらえ方だと思うけど、この言葉自体が抽象的すぎるし、事実と感情にわけないと取扱い注意なキーワードだと思うよ。

事実と感情?
どう違って、どうやって使いこなせば良いの?

まずさ、「投資は社会貢献」ってどういう意味で使ってる?あるいは使われてると思う?

投資は、その経済や企業の成長を資金面で支え、よりよい暮らしのために商品やサービスを手に入れることができて、自分も儲かるって感じかな?

まぁそんな感じだよね。

でもやっぱりまだザックリしすぎていてよくわかりにくいと思うから、「投資」と「社会貢献」を、事実と感情にわけてみようか?

詳しく聞かせて!

そもそも「投資」とは?

「投資」といっても本来の意味は、大小様々。ここでいう投資とは、設備投資や研究開発ではなく、投資信託(投信)を通じた株式投資や、個別の株式投資のこと、つまり金融商品への投資のことを言ってるんだと思うけど、どう?

そう、金融商品への投資!

だとすると、投信を経由した投資や、個別の株式投資については、厳密には「所得の移転」という要素が大きくなるね。株式市場などを通じて、買いたい人と売りたい人との間で、お金がいったりきたりする部分がほとんどで、これが事実だね。

もちろん、会社の決算や業績が安定したり、規模拡大の資金調達がしやすくなったりするメリットはあるから、そういった部分では、自分が応援したい会社のための投資、社会貢献になるともいえるけどね。これは影響度の小さい事実ってとこかな。

大部分が所得の移転にしかすぎないということは、経済成長や企業成長に貢献する部分は多くないから、自分が儲けるためにやっているか、社会全体のためにやっているか、という気持ち・感情はともかくとして、本音では投資したお金が増えてかえってくることを狙ってるということなんじゃない?

お金が減っても良いから投資したい人なんていないんじゃないかな?

そりゃそうだ!

やっぱり社会貢献というにはちょっと無理があるよね。金融商品への投資を通じて、経済や企業の成長を応援したいし、結果的に自分も儲けたいと素直にいってくれたほうが好感がもてる気がする。

ははは、たしかにね。

投資は自分のためというより、社会貢献っていったほうが、金融商品とかサービスが売れる気がするよね。

とはいえ、所得の移転だけではない投資もあるんだ。

例えば、株式会社の新規上場・新規公開(IPO)、公募・売出(PO※)は資金調達の手段で有名だけど、なんらかの目的があって実施されるから、これについてはその会社を直接的に応援することになる。

※既上場企業が新たに発行する株式(公募株式)や既に発行された株式(売出株式)を投資家に取得してもらうこと。

「所得の移転」という要素が多い投資と、ほんとに応援することになる「資金調達」という面での投資をごちゃ混ぜにしてしまうと、ちょっと無理のある解釈になっちゃうんよ。

じゃあ、結論として結局、投資は社会貢献なん?

積立投資は社会貢献ではない部分が大きいが、広い意味での投資なら社会貢献と言い切っても良いんじゃないかな。

ただ、投資先の銘柄が一定数に絞られていて、個別企業への視察やコミュニケーションをとっているようなアクティブファンドなんかは、その会社の株式を組み入れている運用会社を通じて、その会社の宣伝にもなるし、より応援している感はあるよね。

どちらにしても、投資は社会貢献というキーワードさえ使ってれば良いってことにはならないから、取扱い注意だね。

そもそも「社会貢献」とは?

「社会貢献」ってのも意味があいまいだよね。

そうだね~。この社会貢献の解釈は人によってそれぞれ違うで良いと思うけど、投資に対して、ちょっと綺麗事しか言ってない感じはするかな。

それにほんとに社会貢献したいなら、我々のために頑張ってほしい会社の株式を買うというより、消費をして売上に貢献するのがストレートだと思うよ。

我々も、本業の売上に貢献してくれるお客さまって、とてもありがたい存在だよね。

確かにね。株式を買うより、本業に貢献したほうが、社会貢献に近い気はするね。

それにしても世の中、綺麗事だけじゃないってことね。恐い世界だね。

そうだね、今はね。だからこそ、現実から目をそむけて綺麗毎ばかり言うのではなくて、事実をちゃんと認識して、自分で考える力をつけていくことが大切かもね。

すぐに世の中をより良くすることは難しいかもしれないけれど、僕らや子・孫の世代以降も、時間がかかってもしょうがないから、着実に良い世の中を残すように、作れるように努力することが大切なんじゃないかな?

個人的には、投資は社会貢献と言い切れるような人にこそ、投資について深く考えてみてほしいと思うよ。

そうだよな。事実はひとつ、解釈は無限大。

事実を事実としてちゃんと認識しておくためにも、政治とか経済の勉強をして、そしてもちろんお金の勉強もするってことが必要なのかもしれないね。

さすがA!

成長の可能性に賭ける

そんなこんなで、「投資は社会貢献」という言葉をたまに使うFP野原ですが、「投資とは、成長の可能性に賭けること」という表現を好んでよく使っています。

金融業界の中と外から20年ほど見てきて、さらに過去の歴史なども勉強していくなかで、この数年、結論として使っている表現です。

経済が発展する、企業が成長する、自分が儲かる・・・何にどれくらい自分のお金が貢献できるかは僕にはわかりませんし、お金を出すからには応援したいという気持ちももちろんあります。

どちらにしても確実に言えることは、確証のない世界で、投資先や自分の成長の可能性にお金を使っているということです。

経済や企業であれば、成長を目指すような仕組みに、事実としてなっているし、自分もそうありたいと願っています。

我々人間は、確実なものには興味を示さないことが多く、不確実であればあるほどなぜか気になる生き物だと考えています。

成長する可能性、増える可能性があるからこそ、そこにお金を出したくなるんです。

不確実な可能性こそ、我々の行動を促す原動力になっているはずです。

まずは事実と感情にわけてみて、他人のいうことを鵜呑みにせずによく考えて、その上で自分に合った、自分が好きな方法を取捨選択していっていただくことを願っています。

いま、編集で関わらせてもらっている書籍でも、「投資」という概念はそのテーマにおいては、一般的に関係ないと思われていますが、「広い意味での投資」で世の中を見るヒントをどうやって盛り込むか、悩ましいところです。

拙著「0円投資」の「p157~p161」や「あとがき」にその原型を記載しておりますが、まだまだ完成度が不十分でした。

あと数ヶ月で高みを目指せるのか、自分の可能性に賭けてみます(笑)

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