2025年といえば、経済産業省が出した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』というIT関係の問題を取り上げた言葉もあるようですが・・・。
75歳以上人口が急増
今回は、戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題を指します。
平成27年(2015年)には、65歳以上人口が3,387万人だったのが、10年後の2025年には、3,677万人になると予想されています。
同じように、75歳以上人口は1,632万人から2,180万人になると予想されています。
日本人の約3人に1人が65歳以上で、約5人に1人が75歳以上になると予想されています。
2015年 | 2025年 | 増 減 | |
65歳以上 | 3,387万人 | 3,677万人 | 290万人増 |
75歳以上 | 1,632万人 | 2,180万人 | 548万人増 |
例えば、平成27年度の年齢階級別1人当たり医療費(医療保険制度分)をみると、60歳から 64歳で約37万円であるのに対し、75歳から79 歳で約79万円、80歳から84歳で約94万円となっています。
60歳から64歳までの1人当たり医療費に比べて、75歳から79歳までの1人当たり医療費は約2倍、80歳から84歳までだと約2.5倍になっています。
その75歳以上が、約550万人増えると言う事は、当然、日本全体の医療費も上がることになります。厚生労働省の推計によると、2025年の保険給付は総額約54兆円と、現在より12兆円以上増える見通しです。
そうなると、現在75歳以上の医療費に関しては、基本的に1割負担(現役並所得者は3割負担)ですが、わずか5年後でさえ、1割負担(現役並所得者は3割負担)は維持されているでしょうか?
75歳から年間80万円として、現在なら自己負担は8万円、3割負担なら24万円になってしまい月平均2万円の出費になってしまいます。
そして、最近は入院日数が短くなってきたと言われますが、35歳から64歳までの平均入院日数が21.9日に比べて、75歳以上は43.6日と2倍以上になっています。 平均なので、ほとんど入院しない人もいれば、その分たくさん入院する人もいるでしょう。
老後2000万円問題が話題になりましたが、貯金だけではなく、保険の見直しも急務ではないでしょうか。
アインシュタインは「問題がわかれば答えは半分わかったと同じだ」と言ったそうですが、残りの半分は解決できるのでしょうか?
次回は更に深刻と思える、介護について考えてみたいと思います。
出典:厚生労働省保険局「医療保険に関する基礎資料」
厚生省老健局 都市部の高齢化対策の現状、公的介護保険制度の現状と今後の役割
公益財団法人 生命保険文化センター