ファイナンシャルプランナー井内 義典

2021年 07月 21日

年金の時効に注意!手続きはお早めに!

ご覧の皆さま、こんにちは。

年金というフィールドで、相談業務、教育研修、制作(執筆・編集等)、調査研究という4領域で活動中、年金のポリバレント・井内(いのうち)です(※ポリバレントとは、サッカーで複数のポジションをこなせる選手として使われている言葉です。)。

週刊社会保障』(法研様)7月5日号の「スキルアップ年金相談」で執筆した内容になるのですが、年金の受給には5年の時効があります。

受給する権利が発生して5年を経過した後に手続きを行った場合は、5年を過ぎた年金は時効によって受け取れなくなってしまいます。

老齢年金に関しては、支給開始年齢になっても、

今は働いているから年金が受けられない。

と思って手続きをしていない方も多いです。

在職老齢年金制度で年金がカットされるから手続きをしていないということでしょう。

しかし、受けられないかどうかは請求してみないとわかりません。

全く年金が支給されないと思っても支給されることもあります。

もし支給される分がある場合、支給開始年齢・受給権発生から5年以内に手続きをすれば、さかのぼってその分を一括で受給できますが、5年よりさらに前はさかのぼれないことになります。

ただし、厳密には支払日の翌月1日から起算して5年経過すると時効となります。

年金は偶数月の後払い制となります。

本来であれば、4月分・5月分6月15日6月分と7月分8月15日8月分と9月分10月15日10月分と11月分12月15日12月分と1月分2月15日2月分と3月分4月15日、に支払われることになります。

例えば、3月に65歳を迎えたことで老齢基礎年金の受給権が発生する場合、その翌月・4月分から受給の対象となりますが、4月分と5月分は6月15日が本来の支払月です。

そして、6月15日の翌月1日である7月1日から時効を起算しますので、5年後の6月30日までに手続きをすれば、時効にはかかりません。手続きが5年を多少過ぎても全てさかのぼれることになります。

しかし、5年を少しでも過ぎてから手続きをすると「年金裁定請求の遅延に関する申立書」を書かなくてはなりません。1枚さらに書類を書くのは煩雑ですね。

時効の問題は老齢年金だけではありません。障害年金については、障害年金制度について知らず、受けられるはずの年金を受けられなかった方もいます。

手足や視覚、聴覚などの障害だけでなく、内臓の障害や精神の障害でも対象になることがあります。

初診日から1年半が経過した日である障害認定日で年金制度上の障害等級に該当していれば年金の請求が可能なのですが、その障害認定日から5年が経って時効にかかった分は受け取れないことになってしまいます。

また、時効制度とは別ですが、障害認定日に障害等級に該当していなくてもその後悪化して年金を請求する場合(事後重症請求の場合。請求時に65歳未満であることが条件。)、請求した月の翌月分からでないと受けられないため、たとえ障害等級に該当しても手続きをしていないと受け取れず、1か月請求が遅れるごとに1か月分受給開始が遅れてしまうことになります。

年金が受けられるかどうか、年金事務所等で相談することが大切で、請求可能な場合は早めの手続きが大切です。

また、年金を受給する時に備え、保険料の納付等で受給資格を満たしておくことが必要であるのは言うまでもありません。

【これまでの実績】——————-●個別相談、金融機関の相談会等を含め年金相談は合計4000件以上経験、●教育研修は地方自治体職員向け、年金事務担当者向け、社会保険労務士向け、FP向け、社会人1年生向けなど。●執筆は通算250本以上!『週刊社会保障』の「スキルアップ年金相談」(法研様)、「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社様)、「Finasee(フィナシー)」(想研様)、「ファイナンシャルフィールド」(ブレイクメディア様)、月刊『企業年金』の「知って得!公的年金&マネープラン」(企業年金連合会様)。●調査研究活動は研究論文「老齢年金の繰下げ受給の在り方-遺族厚生年金の受給権がある場合-」(日本年金学会編『日本年金学会誌第39号』)など。●取材協力先として扶桑社様、日本経済新聞社様。●その他、動画「人生とお金の悩みを解決!たった5分のお金の学校」、Clubhouseルーム「【FP井内】いのっち公的年金語り部屋」に出演。

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