森次 美尊

新NISA!米国債!ドル建て一時払保険!為替と物価に与える影響と対策【前編】

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

昨年くらいから、すごい円安になってきていて、このコラムでも過去何回か取り上げてきました。
この円安の原因について、詳しくはそれらのコラムを読んでみてください。

過去(2022年6月13日)の記事 ▶ 1ドル=130円!何が起こっている?昨今の為替事情

簡単に振り返ると、アメリカと日本の利回りの格差です。
これが大きな原因になっています。

アメリカは11回連続で利回りを上げていっています。
景気がとても良いので、落ち着け落ち着けと言って利回りを上げます。
利回り上げれば、人はお金を使いにくくなる。
例えば借金をしにくくなり、住宅ローンは高いからやめておこう、となります。
これを狙って利回りをどんどん上げています。
景気が良いから利回りを上げていけます。

一方、日本は景気が良くない。
景気が良くないのに利回りを上げてしまうと、ますます人はお金を使わなくなります。
なのでどんどんお金使ってもらえるように、今は利回りを上げられない状況です。

円安はこの先も当分続くのでは?という見方があります。
今、1ドル150円ぐらいですが、円安になると海外から輸入する物の値段が上がります。
それによって日本の物価は3%くらい上がっていっています。
海外から輸入している物でいうと、エネルギー関係もあります。

コストプッシュ型のインフレと言って、アメリカのように景気が良くて物価が上がるのではなく、
景気は関係なしに、海外のものが高い値段で輸入されるから、物価を上げざるを得ないという状況です。

もう一つは人件費です。
少子高齢化で働き手が少なくなっているので、人を雇うためには賃上げをしなければいけない。
これもまたコストプッシュ型のインフレで、物価上昇につながっています。

円安というのは、私はドルを持ってないし関係ない、と思うかもしれませんが、
結果的に物価上昇につながっていて、我々の生活にはかなり影響を与えています。
そして、これからもかなり影響していきます。

では、その時にどうすれば良いのか。
今回はそのお話をしてみたいと思います。

コストプッシュ型のインフレに見舞われている
この日本でどうすれば良いのか⁉

今1ドル150円くらいになって、物価がどんどん上がっていっています。

この先どうなっていくんだろうか、ということを考えてしまうと思います。
今1ドル150円ですが、さらに円安に振れていくのではないか、という見方があります。

その原因は何なのか、というと、NISAです。
NISAは関係ないのでは?と思われたかもしれませんが、意外に大きく関係しています。
今年に入ってからの新NISAの影響は大きく、数多くの人が新NISAの口座を開設していっています。
昨年から口座の上限金額も増えたので、皆さん何を買おうかな、となります。

そこで、一番売れているものは何か。
2024年2月度で一番売れたものが、いわゆるオルカンと呼ばれる全世界株式です。
世界全体に分散しておこうぜ、平均値取ろうぜ、というものです。
2位が米国株式ファンドのS&P500というアメリカの大きな企業を上から順番に並べて、
その500社をまとめて買っておこうぜ、というものです。

3位から下は桁が1個変わるぐらい、この2つに集中しています。
2024年2月度の投資信託の購入ランキング、1位がオルカンで1892億円、2位がS&P500で1415億円です。
ものすごいお金が動いていることが分かると思います。

今後、このようにどんどん買い付けをしていきます。
私たちの何千億円ものお金が投資信託に行きます。

この投資信託は預かったお金で、世界中の企業の株を買ったり、アメリカの上位500社の株を買います。
例えばアメリカの企業を買う時、日本円では買えません。
我々は円で支払いますが、この投資信託は円を世界の基軸通貨ドルに替えます。
そこから世界中の買い付けを行っていきます。

つまり円を売ってドルを買うという作業を、これからもたくさん行っていくということです。
2024年2月だけでもそれが何千億円と行われた、ということです。

このペースでいくと年間で最大3.9兆円のお金が海外のドルを買うために使われるという試算があります。
それだけドルがたくさん買われる、ということです。
そして、みんながドルを欲しい欲しいとなるとドル高になり、
円はいらない、円を売る売るとなると円安になります。
つまり、ドル高、円安になります。

新NISAは最短で積むと5年なので、この状況が4年は続く可能性が高いです。
この状況が4年間続くとしたら、約6円ぐらいの円安効果になると言われています。
この新NISA効果で海外のドルをいっぱい買って、そこから海外の投資信託、海外の企業の株に回るとなると、
この4年の間に1ドル150円がもしかしたら156円ぐらいになる可能性がある、と言われています。

ただ、円安の一番大きな要因というのはアメリカの景気が良くて、物価が上がることです。
こうなるとお金を持ってる人は良いですが、お金を多く持っていない人はとても困ります。
飢え死にしてしまうわけです、
それを防ぐために落ち着け落ち着けと言って、アメリカは11回連続で利上げをしてきました。

住宅ローンが例えば、1%だったものが3%に増えれば今は借りるのやめとこうかなとなり、景気が冷え込む。
そうやって利上げを11回してきましたが全然効果がなく、物価はどんどん上がってきた。

一方の日本もアメリカと同じように物価は上がっています。
ただこれは円安による海外の輸入品の値段が上がるコストプッシュ型のインフレです。
エネルギー関係のインフレだったり、人件費の高騰だったり。
これはかなり苦しい状態で、決して景気がいいとは言えないのに物価が上がっているという状態。

とにかく景気を良くするのが最優先と考えると、これ以上金利を上げたら困ると政府は考え、
アメリカがずっと金利を上げている間に日本は上げられなかったわけです。
この差が一番大きい。

では、この先どうなっていくのか。
もちろんアメリカがもうこの辺でいいです、景気が落ち着いてきましたと言って利上げをやめるかもしれません。
もしくは日本もいよいよ利上げをするという話も出ています。
これだけいろんな物の値段が上がっていけば、いよいよ利上げもしていくのでは、と言われています。

どうなるかは分かりません。
今この円安というものがかなり世間を騒がせています。
そして、この先さらに6円ぐらいの円安になれば、さらに物価も上がる可能性があります。

景気は良くないけどどうしたらいいの?という問題を抱えています。
円安と物価上昇、大変な時代に突入しています。

円安ドル高の仕組みを紐解くと
日本の円安は根が深い‼
次回は、自分の資産を守る術‼

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日のコラムはこちらのYouTube動画でご案内してます。


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