森次 美尊

年金ヤバい説答え出ました!適用拡大・マクロ経済スライド 我々の年金がどう変わる?

こんにちは!
ファイナンシャルプランナー もりつぐ先生です!

前回のコラム ▶ 年金ヤバい説は本当!?高齢者・配偶者の働き方が鍵!103万の壁130万の壁??
前々回のコラム ▶ 年金ヤバい説は本当!?物価上昇・マクロ経済スライド いくらもらえるの??

5年に一度の財政検証が2024年に行われました。
そこで、年金制度も悪くない、といった話が出た一方で問題点も見つかりました。
どのような問題点かということを説明していきます。

厚生年金被保険者、2号被保険者が増える代わりに、1号被保険者と3号被保険者が減ると言いました。
年金というのは2階層の制度になっていて、
1階部分は国民年金、基礎年金で基礎なので全員が持っています。
1号の人も2号の人も3号の人も持っている基礎年金、こちらの財源が少し厳しいのです。
でも2号が増えているから厚生年金の財源、2階部分の財源は結構余裕があります。

マクロ経済スライドで、物価上昇した時に少しずつ年金を実質化してカットする、ということを
所得代替率を見ながらやるという説明をしましたが、厚生年金は早々に終われるのではないか、と言われています。
ただ基礎年金はもう少し続けないといけない、ということになっています。

ということは、会社員としてバリバリ働いた方が有利になります。
報酬比例といって、たくさん給料をもらったらたくさん社会保険料を払うので
たくさん年金もらえるという仕組みになっています。
人によって違います。
バリバリたくさん働いてたくさん給料をもらってたくさん支払った人は、
2階部分がどんどん大きくなるわけです。
マクロ経済スライドを発動しなくてもよくなるくらい財布に余裕があります。

一方で、基礎年金に頼らなければいけない、例えば自営業の人やずっと専業主婦をやっていた人、
報酬比例の2階部分も少しはあるけど少ないという人の基礎年金は、
マクロ経済スライドでもう少しカットしなければいけない、といった話になっていて少し厳しい。
このままいくと不公平感出るのではないか、といった問題が出てきています。

そこで、厚生年金の方の財源を基礎年金に回しましょう、といった話も出ています。

少し前にニュースになって、会社員が自営業の人や専業主の人の年金のためにお金を取られるのか、
といったことで少し話題になりましたが、厚生年金の方も基礎年金部分はあるので同じなのです。
また、やはり年金制度というのはあくまでも助け合いの制度なので、全体でどうなのかという視点が重要になってきます。

国もそれだけではなく、いろいろな年金制度で対策を打っていこうという案を出しています。
大きく3つあるので紹介したいと思います。

①納付期間の延長

まず1つ目ですが、今、基礎年金は20歳から60歳まで40年掛ける制度ですが、
これを45年65歳までかけましょう、と制度改正しようという話になっています。

おそらくこのように制度改正になると、このようなニュースが出ると思います。
「年金が100万円増税だ」みたいなニュースです。
税ではないですが、100万円値上がりする、100万円たくさん納めなければいけない、
このような感じでニュースで出ると思います。

確かに月1万7千円なので、1万7千円の12ヶ月の5年なのでだいたい102万円、
これを多く払わなければいけなくなります。
ただ、これを払うことで今の計算でいくと65歳からもらえる年金が毎年10万円多くもらえることになります。
たくさん支払った分、たくさんもらえるわけです。

つまり、65歳から年間10万円ということは、75歳で10万円×10年なので100万です。
76歳、77歳になってくると、多く払った102万円を追い抜きます。
ちゃんと回収はできる制度であるということ、まずはこれを知っておいてください。
多く払わなければいけないが、多く払った分のリターンも考えてくれているということです。

そもそも年金は65歳からもらえるものです。
それなのになぜ60歳までしか払わないのか、5年間の空白があるのです。
過去は60歳まで払って60歳からもらう制度だったものを、もらう期間だけを65歳からにしました。
なので、これはいろいろと歪なのです。
個人的には65歳まで払うとした方が分かりやすくて良いと思っています。

例えば厚生年金を払っている人の給料が30万円とすると、
30万円に対する厚生年金保険料はこれだけです、と毎月天引されます。
基礎年金部分は、20歳から60歳までの40年だんだん積み上がっていきます。
基礎年金部分も報酬比例部分の厚生年金も2つとも積み上がります。

60歳以上になった時に給料が同じ30万円でも引かれる社会保険料は一緒です。
でも基礎年金は20歳から60歳までの40年しか積み上がらない制度なので、基礎年金はもう増えません。
払っている社会保険料は一緒なので、厚生年金の報酬比例部分だけ増えていきます。

とても歪です。

こういう歪なところもあるので、
一概に、100万円多く払わなければいけない、国は何をしているのだ、ということは絶対に言わないでください。
すごく素晴らしい制度だと思います。
払うだけはなくもらう部分もちゃんとあるということを、ぜひ考えていただきたいなと思うわけです。

②在職老齢年金の引き上げ

2つ目は在職老齢年金の引き上げです。

今、65歳以上でもバリバリ働いている人がいると思います。
ですが、あまり働きすぎると年金がカットされます。
いやいや、自分が一生懸命働いているのに、なぜ年金カットされるの?という話ですが、そのようなルールなのです。

働く意欲を削ります。
そこで、この在職老齢年金の引き上げです。
今はある一定の金額以上働くと、年金がカットされるというものがありますが、
これをガンガン引き上げていこうというものです。

当然のことだと思います。
絶対やればいいなと思っています。

③標準報酬月額の上限引き上げ

3つ目は標準報酬月額の上限引上げです。

年金というのは、今皆さんが毎月給料をもらい、もらった分に対して決められた社会保険料を引かれ、
老後に積み上げてきたもので支えてもらえる、という制度ですが、
給料をたくさんもらっている人は社会保険料もたくさん引かれるとなっています。
一方で、給料をそれほどもらっていない人は社会保険料も少しで良い、その分老後にもらえる額も少し、
という制度です。

これは比例しているのですが、65万円以上はいくら稼いでも引かれる社会保険料は同じという上限が決まっています。
100万円から200万円まで多く稼いだとして、社会保険料もその分の倍の額を取られて、
老後も年金を倍もらえるのか?というと、もらえません。
たくさん稼いでいる人ほど老後の振り幅が大きい。
社会保険料の上限があるので、その分手取りが多くなるということを考えておかないといけません。

この話も、今は物価が上昇していって給料がどんどん上がっている時代です。
それを考えるとそろそろ限界ではないか、この65万円もおかしい、上限見直そう、といった話が出ています。
当然だと思います。

これら3つのように、すごく真っ当な対策が案として出ているということです。
このようなことを考えると、やっぱり日本の政治家は賢い、日本の政治は本当に素晴らしいなと思います。
我々の年金はこのような専門家によって、5年に1回ちゃんと検証を行われて皆さんに発表されています。
これだけクリアで、これだけいろいろな人が考えてくれている制度だということを知ってほしいです。

最後にまとめます。

年金制度というのは余裕のある人が余裕のない人を助けましょうという制度です。
あえて自分で弱者にならなくても、余裕のある人は自分は余裕があると思って気持ちよく社会保険料を払っていきましょう。
だって、皆さんが今余裕があるとしても、その余裕は一人で作ったものではないと思います。
この社会の中でいろいろな人に生かされて、いろいろな制度を使わせてもらって、
その中で余裕をもらっているわけなので、そこに対する感謝の気持ちとして余裕のない人を救っていきましょう。

年金制度は感謝のバトンです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日のコラムはこちらのYouTube動画でご案内してます。


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