こんにちは(^^)
経営者の理想を実現させる資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
「借金」って言葉を聞くと、悪いイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
しかし、事業においては実は真逆です。
「借金はしろ!」(基本的に)
です。
その理由はなぜか、私自身の失敗経験も踏まえながら解説していきます。
①宣伝広告費にお金を掛けられる
事業が上手くいかない理由の一つに、集客に困る場合があります。
その理由の一つが、必要な宣伝広告費を掛けていないことです。
いくら良い商品、サービスを提供できても、それが伝わらなければ商売にはなりません。
「宣伝広告にお金を掛けるより安く良い商品(サービス)提供したい」
よくこんなお考えの方もいらっしゃいます。
はい、昔の私です(^^;)
対面営業が得意だったり、自分で工夫して集客ができるならばそれはそれで良いでしょう。
しかし、そうでなかったら宣伝広告にお金を使わなければいつまで経ってもお客さんは来てくれません。
そして、宣伝広告費はスタートアップの段階で数万円~数十万円といった金額が掛かります。
毎月15万円とか、サラリーマン時代の自分のお給料の半額くらいを宣伝広告費に投じなければならない場面があるのです(^^;)
それを聞くと
「いや~、そんなに出せないよ・・・」
って思って、何とか宣伝広告費を掛けないで済む方法を探し、安い媒体使って「このくらいだったら無理なく払えそうだし・・・」と思ってやってみて効果が出ずにやめてみたり・・・。
自己資金だけで事業を始めると宣伝広告費をあまりかけないように考えてしまい、このようなことになりがちです。
なので、金融機関から融資を受け、しっかり資金を確保してから行うことが重要です。
ココで重要なのが、ただ闇雲に宣伝広告費を掛けるのではなくしっかり戦略を立てて行うことです。
大きなお金を投じる先だからこそ、事前にきっちり計画しておく。
宣伝広告費をしっかり戦略的に行うことによって、ビジネスの成長速度は何十倍も差が出る場合もあります。
しかし、「失敗したらどうすんだ!」
と思われるかもしれません。
でも、そもそも事業をしっかり作り込んで、しっかり宣伝広告を行っていて、それでも成果が出ないのならばそのビジネス自体必要とされていないということですので続けていても上手くいかないんです。
それがたった数十万円~100万円程度の投資額を増やすことで早期に判断できるならば、早い段階でビジネス自体を見直すこともできます。
その程度の金額でしたらビジネスを早い段階で見直して軌道に乗せることができれば数か月で取り返すことができる金額ですし、仮にそこで起業を諦めて会社員に戻っても、会社員として働いていればすぐに稼げる金額です。
それを早期に判断し、損切りできないと収益が出ないビジネスをいつまでもズルズルと引っ張ってしまい、貴重な時間を浪費してしまうことになります。
早く気が付いて修正、方向転換ができれば宣伝広告費で損をしてもその分を早い段階で取り返すことができるのです。
しっかり計画し、宣伝広告費にはしっかりお金を掛ける
本気で事業を成功させたいのならばこれは非常に重要です。
②資金繰りの悩みを解消
月末近くになると取引先への支払いや、お給料の資金調達に頭を悩ませる事業主さんもいらっしゃいます。
この原因は手持ちの資金に余力が無いからなのですが、まずその点は運転資金を借り入れて手持ちの預金に余裕を持たせることで解消できます。
手持ちの資金に余裕がない理由は売上不振に原因がある場合も多いため、買い入れすると同時にその原因をしっかり追究していく必要がありますよね。
お客さんの数が少ないことが理由なのか、また客単価が低すぎるのか、支出が多過ぎるのか、原因はいずれかにあります。
それをしっかり分析し、経営を改善していくことが前提ですが、手元のお金を確保しながら行っていくことが大事ですね。
また、「黒字倒産」という言葉があるように、仕入れのタイミングと売掛金の回収にタイムラグがある場合には売り上げが悪くなくても手元の預金が足りないという状態になりやすいものですのでやはり手元の資金に余裕を持っておくことは重要ですね。
③銀行の担当者さんのネットワークを活用できる
金融機関側のホンネとしては、「お金を返してくれる信用のある企業にはどんどん借りて欲しい!」と必ず思っています。
特に、日本はここ30年ほど経済が停滞した状態が続いており、企業も事業拡大のための投資が減っているため銀行からお金を借りる企業が少なくなっているのです。
それに加え、安倍政権時代から行われてきた量的緩和(日銀が銀行の国債を買い取り、銀行の預金を増やすこと)と、マイナス金利政策のおかげで銀行は深刻な金余り状態です。
そんな状況もあり、銀行としてはとにかくお金を借りて欲しいわけなんですよね。
まず、経営者としてこの銀行側の立場を理解しておくことは重要です。
②でお伝えした通り、その結果手元の現預金にゆとりを持っていられるのであれば貸し手と借り手双方の利益と言えるでしょう。
そして、お金を借りることでもう一つ良い点は、銀行の担当者さんが他社とのマッチングを行ってくれることです。
ココも実は銀行の担当者さんと上手く付き合っておくポイントと言えるのですが、銀行は当然たくさんの企業と付き合いがあります。
そして、融資先企業の業績が向上することで事業の拡大により更に融資が増えるため、融資先企業の発展は銀行にとっても利益になるのです。
仮に私の様なFPビジネスで、初期投資もあまり掛からないビジネスであった場合、200万円を借りて、年利1%で5年返済すれば返済当初の支払い利息は1600円程度で、利息は年々低減していきます。
つまり、超低コストで顧客を紹介してくれるネットワークができるわけです。
また、業績は悪くないけど廃業を考えている企業のM&A等の紹介を受けられる場合もあります。
新規事業を立ち上げるのはゼロからのスタートなので膨大な時間とお金が掛かりますが、M&Aではすでに収益を生んでいるビジネスモデルができている事業を買い取ることができます。
そんな紹介を受けることもできますので、今後の事業の発展にも有利と言えますね。
④良い借金をするコツ
ここまでお伝えしてきた通り、事業を成長させたいのであれば、借金はできるだけした方が良いと言えるでしょう。
しかし、我々は「借金は悪だ」といったような誤った洗脳を受けてきた人も多いことでしょう。
では、トヨタは直近の決算では26.5兆円以上の借金(短期、長期の有利子負債の合計)を抱えていますが、危険な状況なのでしょうか??
そんなことはありませんよね。
資産が67兆円以上あり、純資産高27兆円の優良企業です。
だから、借金は良くないのは大間違いなんですね。
悪い借金とは、無計画、もしくは計画が甘いまま借りることです。
しっかり資産と負債、余裕を持って返済できることを意識していけば決して悪いものではありません。
計画的に、余裕を持って返済でき、しっかり戦略を立てた借金はむしろすべきなんです。
問題は、返済計画に無理があったり、収益の見込みが甘かったり、在庫の仕入れと売上の回収の時期のタイムラグを考えて借り入れをしていなかったりするせいで返済が苦しくなってしまうことです。
①事業計画をしっかり立てる
いくらくらいの売り上げを(客単価がいくらで、何人集客するか?)、どんな戦略で集客し収益商品に繋げ、コストはいくら掛かり、支払いと入金のタイミングのズレはどうなっているかをつくり、その上で無理の無い金額を借りること。
②売上が目標通りになるように、日々の売り上げをみながら乖離があれば増やすための行動を取る(宣伝広告費を増やす、自分で営業に出る等)
③毎月必ず予測値と実績値の誤差をチェックし、銀行に報告する。
④予想、実行、分析、修正を繰り返しながら実績値を予測値に近づける
地道で継続が大変ですが、大きなお金を借りるのならばこれをしっかり実現できるように覚悟しておかねばなりませんね。
こんな風に、ちゃんと実績をマメにチェックして報告してくれる事業主さんは銀行にとってはとても有難い存在です。
本業があって収入減が既にある状態で、副業から地道に始めている場合は例外ですが、思い切って独立して事業を早く収益化したい人は戦略的にお金を借りることを考えていきましょう。