2011年、リーマンショック~欧州債務危機、円高で大不況の真っただ中だった頃の話
一般住宅の施工を主に手掛けていたとある工務店は、不況により新築、リフォーム共に受注数が激減し、経営が危ぶまれる状態でした。
「このまんまじゃ首吊らんきゃなんねーてー(首釣らなきゃいけない)」
まだ40代、家族を持つ工務店の2代目として就任して間もない社長は、本気で言ったわけではないにしろすっかり弱気になって発した言葉だった。
景気が回復しそうな見通しは無く、自身の役員報酬を減らしても預金は減り続け、金融機関からも運転資金の融資については要検討な状態であった。
そんな時、社長の元に一件の仕事の依頼が入った。
地元の保険代理店の二代目、保険営業駆け出しの若者からだった。
保険営業の若者「うちのお客さんの家の外壁が強風で一部剥がれてしまって・・・。修理代保険で出せそうなんですが、修理お願いしていいですか?」
あまり大きな金額ではなく、マイナスの補填としては焼け石に水にもならない金額だったが、「仕事無かったからありがたいよ」と社長は保険営業の若者にお礼を言い、修理することになった。
その後、修理見積を渡すために保険営業の若者に連絡し、若者は工務店に見積もりを受け取りに行った。
話をしていく中で、社長は若者に愚痴のように経営の状態を話始めた。
「このまんまじゃ首つらんきゃなんねーてー」
その時に発したのがこの言葉だった。
そんなときに若者は社長に問いかけた。
保険営業の若者「ちなみに、生命保険って見直ししました?」
社長「いや、みんな父親の代から付き合いのある保険屋に任せてて、あんまり考えてなかったな・・・。電話するとまた保険売り込まれるっけさ(笑)」
保険営業の若者「ちょっと証券見せてもらっていいですか?」
社長「ああ、ちょっと待ってな・・・」
社長はゴソゴソと棚の中を探し始め、計5枚の証券を取り出した。
証券を若者に見せると・・・
若者「・・・社長、今すぐ500万円くらいなんとかなりそうですよ?」
社長「ん?なんで・・・?」
若者「これ、解約するとお金が返ってくるタイプの保険ですよ。保険料が半分損金になって、たぶん節税になるからとか言って勧められたんじゃないですかね?もう結構長く続けてるので、今解約するとたぶん500万円くらい返ってくるはずなんですよ。」
社長「マジか?!いや~、保険屋のおばちゃん何も言ってこなかったぞ?」
若者「すぐ確認した方がいいですよ。で、これ全部で毎月10万円くらいの保険料払ってますよね?このくらいの保障、掛け捨てだったら1万円ちょっとでなんとかなります。1年で100万円くらいの支出の削減できますよ?」
社長「おぉ、そんだけ減ったらだいぶ楽だわ。どうしたらいい?」
若者「今の契約を解約する話して、保険会社さんで掛け捨ての安い保険に切り替えてもらっても良いです。ただ、一応ボクも営業なので、同様の保障で設計書作ってくるので、それと見比べてみてもらってから決めてもらえたら嬉しいです。勿論、お付き合いも大事だから無理にウチで契約してくださいなんて言いませんから。」
・・・
そして、生命保険を解約して500万円の資金を手にし、その後の保険料も年間100万円近く節約し、2年間売り上げの低迷を耐え、景気が回復し工務店の売上げは無事に戻ってきたのでした。
これは実話を元にしたお話です。
そして、この保険営業の若者とは当時26歳の私です(笑)
このように、生命保険は「よくわからないまま」契約されているケースがとても多いものですが、見直しをしてみることでこの例のように思わぬところから資金を調達することができ、また大幅な支出改善も可能なのです。
物価高、コロナ禍の影響で売上が低迷しているという企業様も多いことでしょう。
しかし、この事例のように現在の契約を見直し、現状に合った契約に変えることで経営が改善する事例も多数存在しているのです。
もしあなたがこの工務店社長のように思わぬところから資金を調達し、大幅なコスト削減ができたら資金繰りの不安も大きく改善するのではないでしょうか?
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