こんにちは(^^)
経営者の理想を実現する資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
「株はギャンブルのようなもの・・・」
「上がるかどうかわからない・・・」
このように思われている方が多いことでしょう。
株式投資は、簡単に言えば「他人のビジネスにお金を出すこと」です。
事業を行う際には資金が必要になり、企業がその資金を調達する手段の一つが株式なんです。
株主は自分のお金をその会社に出資することで経営権の一部を持つことになり、そのお金は貸しているのではなく事業を行う元手として、経営者と同じように事業のためにお金を出したということです。
自分で事業を行う際には元手が必要になりますが、株式投資はその元手を調達するためという目的があるんですね。
「他人のビジネスにお金を出す」とはそういうことです。
自分でビジネスを行う際には、社会に必要とされるビジネスなのか、しっかり収益を得られる見込みはあるのか、どのくらいの経費が掛かるのか、客単価はいくらで、何人集客すればいくらの収益になるのか、手元にいくらお金を準備しておけば資金繰りに困らないのか・・・
などなど、このようなことを考えて事業にお金を出すことでしょう。
株式投資は他人のビジネスにお金を出すことなので、基本的にはこれと同じように自分で事業の将来性や経営状態をしっかり読み解くことは当たり前なんです。
とは言え、成長し続けている会社であっても必ずしも株価が上がっている会社ばかりではなく、予想がなかなか難しいんですよね。
株式は上場されて市場で値段がつけられているので、人気投票のようなものなので実態とかけ離れた値段がつけられることがあるためです。
と、このような特徴を持つのが株式投資です。でも、最も確実に、しかも低コストで、自分の采配で超格安の投資が大金に化ける株式投資があることをご存じでしょうか?
今回はそんなテーマでお伝えします。
中小零細企業の株を買う
最強の株式投資とは、中小零細企業の株式を買うことです。つまり、市場を通じて株式を買うのではなく、「非上場株」を直接買うという投資のことです。
新規公開株でもグロース市場の株(東証の新興企業株の市場)でもない、上場など夢のまた夢くらいの規模の、町の小さなお店に投資するというイメージです。
つまり、M&Aのことです。
「え?そんな会社に投資することできるの??」
「中小零細企業に投資するのはハイリスクなのでは・・・」
と思われる方も多いでしょう。
しかし、考えてみて下さい。
あなたが生まれ育った町でもう何十年も続いている町のお菓子屋さん、食堂、割烹、工務店、仏壇屋さん、電気屋さん等々・・・
長年地域に定着している「企業」という言葉に違和感を覚えるくらいのお店や会社はありませんか??
小学生の頃に毎日通っていた通学路にあるお店、大人になってもまだ残っているところも多いのではないでしょうか。
たしかに大企業のように巨大な財務の基盤は無いし、売上も利益も従業員も少ないものです。
しかし、地域に定着し、地域の人達から愛され続けているということは実はかなりの強みなのです。
そして、今そんな地域に定着している中小零細企業が廃業の道を選んでいることをご存じでしたか?
中小企業の廃業を考える理由は・・・?
中小企業白書のデータによると、中小零細企業が廃業を考える理由としてはこのようなものがあります。
さて、いかがでしょう??
「業績が厳しい」「会社や事業に将来性が無い」という回答も多いのですが、同じくらいに
「後継者を確保できない」 「高齢のため」 「従業員の確保」「技能等の引継ぎが困難」
など、このような業績や将来性ではない理由を挙げている経営者さんも多いのです。
地域に定着し、決して業績が悪いわけではないのに、勿体ないと思う方も多いのではないでしょうか。
廃業を考える中小企業の業績は?
廃業を考えている中小企業の業績を見てみると、このようになっています。
小規模企業のデータは無かったのですが、中小企業の売上高経常利益率は、このように65%近くが黒字です。
売上高経常利益率とは、売上高に占める利益(支払利息、受取利息等を含めた事業の利益のこと)のことを言います。
そして、会社の安全性はといと・・。・
自己資本比率とは、中小企業においては純資産(資産ー負債)の資産に占める割合のことを言います。
負債の方が多い状態が債務超過と呼ばれる状態ですが、50%以上の高い自己資本比率の企業が30%で、30%以上の比較的安定している企業は65%となっています。
ここでお伝えしたいことは、まだまだ事業として存続でき、利益を生むことができる企業が廃業を考えているということです。
まだまだ企業としての価値がある企業が廃業を考えている、これはとても勿体ないことですよね。
そして、損益赤字、債務超過状態であっても、地域に定着し「地域のお店」として認識されていることは、実は決算書上はマイナスでも、とても大きな価値があると言えます。
考えてみてください。
あなたがこれから新たに事業を始めようとしても、地域の人達に知ってもらうために一体いくら宣伝広告費を掛けなければならないでしょうか?(FP相談というわかり難い仕事してる私は痛いほど実体験として経験しています)
そして、その中から固定客化させるためにはどのくらいの時間と手間とお金が掛かるでしょう??
いかに損益赤字、債務超過状態であっても、業績が悪い理由を明確にし、改善して黒字化できそうなポイントがあればそれを実行していけば良いのです。
廃業予定の会社の株式を買う
さて、ここまでのことを踏まえ、ちょっと考えてみてください。
廃業を考えている会社、個人経営規模のお店、そのまま廃業したら経営者はどうするでしょう??
法人を解散すると、法人の資産を処分し、負債に対しては支払いを行い、残った財産を出資者が受け取ります。
もし債務超過状態の場合、基本的には株式会社や有限会社、合同会社といった会社は「有限責任」ですので、仮に会社が倒産しても、経営者や株主(出資者)が負担する必要はありません。
しかし、ほとんどの中小企業は融資の際に経営者個人が保証人になっているため、保証人として個人が債務を負うことになります。
債務超過で廃業すれば、経営者個人が借金だけを引き継ぐということです。
ここで、もしその会社をあなたが引継ぎ、単に法人を解散した以上の対価で廃業を考えている経営者さんにお金を渡すことができ、あなたもこれまで今の経営者さんが創り上げてきた事業を引き継ぐことができたら、お互いにWIN-WINな関係で事業を存続できるのではないでしょうか?
投資家であるあなたにとっては、これまで地域で長年定着させてきた看板をそのまま引き継ぐことができるため、これから新規で事業を始めるよりも簡単に売り上げを得ることができるのです。仮に赤字だったとしても、赤字の理由を解消すれば黒字に転換させることも可能なのです。
そして、しっかり収益化できる事業として創り上げれば、後に買い取った金額の何倍もの金額で売却することもできるのです。
極端な話、債務超過状態の企業を無償で受け継ぎ、赤字の理由を分析し、コスト削減、収益率アップの施策を行い黒字化し、利益を生む企業に成長させれば、あなたは役員報酬を受け取りながら、年間の利益の何倍ものお金を手にすることができるようになります。
つまり、極端な話をすれば手元の資金ゼロでも数百万円~数千万円を生み出すこともできるのです。
元手0円でも数百万円~数千万円の利益を生むことができ、しかもそれが通常の上場株への投資と異なり、全て自分の手腕に掛かっています。
実際に、私は400万円の債務超過状態、あと2か月で資金ショートし倒産予定だった会社の再建に携わったことがありますが、新社長と共にマイナスの原因をしっかり見える化し、手元の資金の確保、コスト削減、しっかり営業目標を定めて営業活動の強化を行ってきた結果、黒字化することができたのでした。
既に事業としての基盤ができていて、赤字になっている問題に気が付かないまま赤字が続いて業績不振に陥ってるケースも多いので、そういった企業を見つけることができれば自分でゼロから開業するよりもはるかに資金も労力も掛けずに事業をスタートし、しっかり黒字化して売却することもできるのです。
会社はいくらで売れる?
さて、しっかり事業を収益化し、会社としての体制を整え、売却する場合、いくらで売れるのでしょうか?
上場されている株式は市場で値段が決まりますが、非上場株式は「言い値」です。
売り手と買い手がお互いに納得した金額で決まります。
税金の計算上、非上場株式は下記のように資産として評価されます。
「純資産方式」・・・「会社の純資産=会社の価値」という考え方で、純資産額で買い取るというもの
「類似業種批准価額方式」・・・同様の業種の株価と比較した利益や純資産額等で価格が決まる方式
しかし、これらの計算は価格を算出する基準とはなっても、実際の企業価値とはかけ離れていることもあります。
実際には年間の経常利益の〇倍など、こういった価格で決まることが多いようです。
仮に年間の経常利益を400万円出すことができ、5倍の価格で買い手がつけば2,000万円で売れるということになりますね。
更に、経営者であるあなたは役員報酬を受け取ることができるので、しっかり事業を収益化できれば役員報酬を受け取りながら自分が買った事業の価値を自分自身の手で高め、高値で売ることができるのです。
現在の経営者さん自身が職人であり、本人がいなくなってしまうと同じものを提供できないという場合も多いでしょう。
しかし、これも職人の技を「言語化」「定量化」し、そして「仕組化」することで再現性を持たせ、短期間で技術を承継することもできるでしょう。
このように、数々の課題はありますが、一つ一つ解決していくことができれば地域で愛される企業を失うことなく次代に承継し、そしてご自身も格安で買った会社を高値で売却することができるわけです。
実際に、事業を譲渡したいと考えている経営者さんは一定数いますし、「わからない」と答えた方にも有利な条件を提示すれば譲渡も可能でしょう。
勿論、経営者として会社の全てに気を配り、責任を負い、事業に携わるため時間も労力も掛かります。
しかし、そうやって企業の価値を高め、高値で売ることができたらお金だけでなくそれ以上に大きな満足感を得ることができるのではないでしょうか。
そして、何より経営者であるあなた自身が経験値を積み、経営者としての手腕が格段を各段に高めることでしょう。
これは通常の株式投資では得られない価値と言えます。
起業は「自分のビジネスにお金を出す」、株式投資は「他人のビジネスにお金を出す」、ビジネスにお金を出す点は一緒なんです。
廃業予定の会社も、しっかり現状把握、問題課題を分析できれば格安で手に入れて高値で売ることができる、最強の株式投資となり得ます。
流行りや専門家の言葉に流されてよくわからない上場株式にお金を出すくらいなら、地域で愛されながらも廃業していく企業のリノベーションのためにお金を出し、語弊はあるかもしれませんが「ゲーム感覚」であらゆる問題や課題を解決し、経営を楽しんでみても良いのではないでしょうか。