小川 洋平

独立開業したい・・・。そんな時に何から考えればいい??

こんにちは(^^)

経営者のお金と時間の自由を創る資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。

「独立開業したい・・・」

今は会社員だけど、このようにお考えになる方も多いでしょう。

「独立して自分で事業を始めるなんて危険・・・」

「会社員のままが一番いいよ・・・」

と、周りの方にそんな話をしてみると、こんな答えが返ってくるかもしれませんね。

はい、確かに独立開業には会社員時代には無かったリスクが伴います。

事業を始めるために融資を受ければ、事業が失敗した場合には多額の借金を背負ったまま廃業しなければならない可能性もあります。

自分が提供した商品、サービスがきっかけで何かトラブルが起きてしまったら、ある日弁護士からいきなり損害賠償請求を受けることもあるかもしれません。

退職金もありませんので、自分で積立しなければなりません。

ケガや病気で仕事を休んでしまったら収入が途絶えてしまうこともあります。

そもそも、売り上げが思ったように増えずにお金に困ることになるかもしれません。

・・・と、このように書いてると

「やっぱり会社員のままの方が安定してていいよね」

という声も聞こえてきそうですが・・・

実はそれは違います。

「自分で事業を始めたら売り上げがどうなるかわからない・・・」

と言いますが、そもそもあなたが毎月安定してもらってるお給料を支払う会社だって売り上げは不安定なのです。

(上場企業であれば決算書がHPで開示されてますので是非読んでみましょう)

不安定な売り上げの中からあなたのお給料を安定して支払ってくれているんですよね。

仮に、その会社がこれから先売り上げが低迷し、人員整理を始めることになったらあなたのお給料は保証されますか?会社に今の立場でいられますか??

辞めざるを得なくなったとき、あなたは今の収入を維持したまま他の会社に移ることができますか??

どこの会社に行っても安定して収入を得られるような技能や資格があればそれは一番安定しているのかもしれませんね。

でも、その会社が無くなってしまったら同じ条件で働くことができないといった状況であれば、自分や家族の生活をその会社一社に依存してしまっている状況ですので、それも危険なことなのです。

鬼滅の刃の第一話に「生殺与奪の権を他人に与えるな」というセリフが出てきましたが、会社にあなたやあなたのご家族の生活を全て委ねてしまっている状況になってしまいますよね。

会社員のままいるのも、自分で独立してやるのも、どちらもリスクはあります。

なので、周りからもしもそんな理由で反対されたからといって一切気にする必要はありません。

どちらが良い悪いの問題ではなく、どちらが自分に合っているか、あなた自身が本当にどうしたいのかが一番のポイントなのです。

ただし、事業計画が甘々なままスタートしてしまったり、必要なところに投資できていない、そもそも事業で最も大事なことが曖昧なままスタートしてしまうと、失敗してしまう可能性は高い、無謀と言えます。

なので、どんなことを考えることが必要なのかを知り、独立開業前に理解し自分に落とし込んで、しっかり考えておきましょう。

起業で最も大事な事とは・・・?

では、起業する際に最も大事なこととは一体何でしょうか?

マーケティングができていること?お金の知識があること?営業が上手いこと?良い商品を提供できること?

どれも大事なことではありますが、それらは実は枝葉のことでしかありません。

最も大事な根っこ、幹になることとは・・・

「あなたはなぜその仕事をしようと思ったの?」

という、創業の動機です。

考えてみてください。

世の中色んな仕事があって、単に収入を得たいのであればどこかの会社に就職すればお給料もらえるんです。

なのに、なぜわざわざ自分で事業を始めたいと思うのでしょう??

「稼ぎたいから!」

という方もいらっしゃるでしょうが、なぜわざわざその仕事なのでしょう??

その理由は、あなたができることでお客様の困りごとを解決できるからですよね。

誰かの困りごと、苦手としていること、してあげたら喜んでくれること、お客様の理想を叶えてあげられること・・・・

これがお客様のニーズです。

それをあなたができることで助けたり、実現してあげたりできるからお客様はお金を払って下さるわけです。

今世の中にある商品やサービスではどのような問題が起きている?」

→ 「そんなお客様のために○○で○○な人に向けて、○○で○○な私の商品サービスで解決し、お客様をもっと幸せにすることができます。」

これが最も大事なことです。

そして、商品、サービスもそんなお客様の立場で何をしたら価値を感じてくれるのかを考えて組み立てていくことができますし、単価設定もそんなお客様がしっかり価値を感じて喜んでお金を払って下さる価格設定にしていきます。

そして、宣伝広告もそんなお客様が目にする媒体は何かを考え、どんな言葉を投げかけられたらお店に期待、商品が欲しいと思ってもらえるのかを考えます。

SNSマーケティング、WEB広告など、集客においては様々な手法がありますが、それらは全てパーツであって、部分的に考えても上手くいきません。

どんなお客様を幸せにしたいのか?役に立ちたいのか?

全てはここを基準に設計図を作り、お客様に知ってもらい、興味を持ってもらい、買ってもらうまでの導線を引き、そのパーツとしてそれぞれ適したものを適した箇所に組み立てていくことが必要です。

そしてそれが事業計画となり、今後の行動計画になっていきます。

なので、動機が最も大事なものなのです。

マインドセットが超重要

そして、独立開業の動機が大事な理由は「上手くいかないときも続けることができるのか?」 「お客様に自信を持ってサービスを伝え、価格を提示しYES,NOをしっかり答えを聴けるか?」という点です。

どんなにしっかりビジネスプランを考えても、上手くいかないときはあります。

実際やってみなきゃわからないことなんて山ほどありますので、それを最初から完璧に作り込んで始めることなんて不可能なんです。

なので、実際に動いてみると想定外はたくさん発生します。

しかし、その想定外に対処し、修正しながら何度も繰り返しやってみることが必要なんです。

成果が出始めるまでの間、段々減っていく預金を見ながら不安になることもあるでしょう。

そんな不安になる状況でも、成果が出るまで何度も試行錯誤を続けていけるかどうかが成果を決めます。

そこで「マインドセット=ヤルと決めること」ができていないとそこで諦めてしまったり、別の儲け話にフラ~っと傾いてしまったりします。

本業がいまいち振るわず、そんなときにMLM(ネットワークビジネス)のセミナーに誘われて、「何となく儲かりそう・・・」みたいな話に乗せられてやってみる・・・と、負け路線まっしぐらです。

そして、自分の商品をいまいちお客様に自信を持って伝えられなかったり、お金を払ってもらうことに躊躇したりと、こういうことが起きてしまいます。

極端なことを言いますと、マーケティングの基本から全く外れ、セールスの基本から全く外れたたことをしていても、このマインドセットができてお客様に自信を持って商品を売り込むことができてしまうと売上は伸びてしまうんです。

生命保険のゴリゴリの営業さんがデタラメな売り方しても売れてしまうのはこういうことです(笑)

良くも悪くも彼らは「必ずやる」と決めて、行動しているから成果が出るんですよね。

そして、お客様にしっかり自分の商品の価値を伝える、自信を持って価格を提示するのもこのマインドセットが重要です。

そして、そのマインドセットができるには、やはり「なぜその仕事を始めようと思ったのか?」創業の動機があるからこそなんですよね。

私自身、保険営業時代は押しが弱い方でしたし、お客様に現在契約されている保険契約の内容を聴くことすら「嫌われるのではないか」と悪い気持ちになってしまいなかなか言い出せなかったものでしたが、FPとしてしっかりそれがお客様のためだと思えるようになってマインドセットができてくると決算書も預金通帳も遠慮なく見せて下さいと言うようになっています。

マインドセットがしっかりできているかどうか、結果が出ないときにもやり抜くため、経営判断のため、大切なことです。

スピーチするつもりで動機を書いてみる

創業の際の融資や、補助金の申請の際には「事業計画書」が必要になります。

例えば、政策金融公庫の事業計画書には、第一に「動機」があります。

そして、それに対して何をしていくのかが商品、サービスです。

なので、なぜあなたが事業を始めたいと思ったのか、誰かにスピーチするつもりで良いのでまずは書いてみましょう。

事業計画書に書く際には短い文章にまとめたものになりますが、それをまとめるためには長い文章をまず書いてみて、要約していくと書きやすいものになります。

そうやって、まずは自分の頭の中で思っていることをしっかり言葉にして書き出してみることが大事です。

それをホームページにて代表者の想いとして載せることもでき、それに共感したお客様が集まりやすくなりますよね。

忘れてはならないのは「お客様目線」

そして、あらゆる場面で忘れてはならないのは「お客様目線」です。

これは本当によく勘違いされがちなところなのですが、プロ目線でいくら「お客様のため」と思って拘りを持って提供しても、お客様がそれを求めていなければただの独りよがりに終わってしまうことがよくあります。

例えば、「うちは一流の食材を使い、鮮度の良いものをいつも選んで、安く食べてもらいたいので価格も安くしているんです」という職人さん。

個人的にはこういう拘りの強い職人さんは好きですし尊敬します。

でも、実はこの考え方って「お客様目線」とは違うんですよね。

それはお客様の状態によって求めている物が違うからです。

例えば、ただ仲間内で楽しく飲みに来たのであれば、料理はある程度美味しくてその場に合ったものを提供してもらえればそこまでこだわる必要はないのです。

一流の食材で新鮮なものばかりを出せることに越したことはありませんが、そこだけに固執してしまい、お客様が求めるものを見失ってしまうとせっかく良いものを提供したのに、お客様は満足してくれません。

お客様はどんな状況で自分の店に来てくれるのか?

仲間同士で楽しく飲みたいときに、何をしたら喜んで下さるのか?

食材や鮮度よりもココをしっかり突き詰める必要があるんです。

例えば、仲間の誰かが結婚するとしたら、お祝いをしたいかもしれませんね。

そんなときに、サプライズメニューがあってお祝いできたら、お客様はとても満足してくれるのではないでしょうか?

一流の食材を使って、鮮度の高いこだわりの一品を出すよりも、この方が満足してくれますよね。

これはお客様が求めるものと、お店が提供するもののミスマッチです。

お店のコンセプト設計が曖昧で、お客様に何を提供できるかが曖昧だとこのようなミスマッチが起きやすくなります。

一方で、大切なお客様を接待する場面だったとします。

日本酒が好きで、日本酒に合う新鮮な魚を楽しみたい・・・

こういう場面であれば、鮮度の良い一流の食材で、それに合った美味しい日本酒を出し、そして店もある程度高級感を持った雰囲気を演出してくれていたら、接待したお客様も「ここに連れて来て良かった」と思ってくれるでしょう。

このように、お客様の場面、その時々に何を求めているのか、ココをしっかり考えて、商品、サービスを提供する必要がありますし、飲食店の場合であればお客様の求めている「空間」を演出することも大事なんです。

全ては「お客様からの目線」が大事で、「プロから見た目線」は不必要どころかそれがかえってお客様満足度を下げる結果になることもあるのです。

なので、創業の動機も、提供する商品、サービスも常にお客様目線を基準に考える必要があります。

あなたのお客様がどのような動機に共感して、あなたのファンになってくれるでしょうか??_

そんな視点から、創業の動機を書いてみるとお客様に支持され、融資を受け易い、補助金の審査も通りやすいものができるかもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました。