こんにちは(^^)
経営者のお金と時間のゆとりを創る資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
「仕事は忙しいんだけど、お金に余裕がない・・・」
そんな経営者さん、お金の出入りが見える化できていないことが原因の可能性があります。
今回はそんな経営者さんのお悩みをスッキリ解消するツールをご紹介します。
1.「お金が残らない・・・」というお悩みの原因
あなたの会社では、売り上げや経費の入力はどうされてますか?
「何か月に一回かまとめて税理士に・・・」
って方も多いのではないでしょうか?
そして、「税理士から試算表もらうけど、ココから何を考えれば良いかわからん!」
ってこと、ありませんか?
ある程度の規模の会社に成長し、経理部門がしっかり機能し始めるようになると、こういうお悩みは基本的にありません。
経理部門の担当の方がしっかり売上や経費の入力作業を行い、お金の出入りや、どの程度お金に余裕を持てているかをしっかり管理しているからです。
経営者は経理部門の人がまとめた資料を見て経営判断をしています。
しかし、まだ規模が小さいと経理部門が無く、経営者さんや経営者さんのご家族が片手間で見ているようですとついつい後手に回ってしまい、確認が遅くなります。
また、そういった規模の会社だと会社のお金と個人のお金を同一に考えてしまい、会社のお金なのにプライベートな支出に使ってしまったり、会社と個人のお金がごちゃ混ぜになってしまい見える化できていないために起きてしまいます。
そして、税理士さんに帳票類を一式提出するのがどうしても遅くなってしまい、損益や資金繰りの状況を把握するのが数か月後、決算終了後にならないとわからないといったこともあるのです。
その結果起きてしまう問題として・・・
✔使途不明金が増え、役員貸付金が増える ⇒ いつの間にか社長が会社に返済しなきゃいけないお金が増えてる
✔資金繰りが読めず、目の前のお金のやり繰りに苦労する
✔収入と支出、損益の状況の確認が遅くなるため経営判断が遅れる
✔損益の着地点が読めず、不必要な税金を支払うことになる
✔収益性を分析できないため、非採算の事業を続けてしまう
こういった問題に繋がってしまうのです。
なので、経理業務が正常に行われておらず、お金の状態が可視化できていないことが「お金が残らない」という事態の根本的原因を作ってしまうのです。
会社を飛行機、経営者をパイロットに例えるなら、会社の数字はコクピットにある計器そのものです。
パイロットが
「計器??あ、見方よくわかんなくて・・・(^^;) 感覚っす。とにかく頑張って目的地めざしまーす(^0^)/」
って言ってたら、そんな飛行機乗りたくありませんよね?(笑)
目的地への到着時刻が読めない、どこに向かってるのか、そもそも今自分達どこにいるかがわからない、高度もわからない、燃料がどの程度持つのか、補給が必要かどうかわからない・・・
というような状態と同じことが多くの小規模企業で起きてしまってるんです。
そして、その状態で資金調達しようと金融機関に融資の相談をする経営者さんも多いものですが、
「自社のお金の状況も把握してなく、貸したお金の具体的な返済計画も立ててない会社に危なっかしくて貸せねーわ!!」
と思われてしまいます。
金融機関の担当者さんはこうは言いませんが、心の中ではこう思ってます(笑)
当たり前ですよね、銀行は慈善事業じゃなくて融資を通じて金利という利益を生むビジネスなんですから。
金融(資金の融通)を通じてお金という社会の血液を必要なところに流通させ、社会の役に立つ良いビジネスを成長させるためのビジネスをしています。
ですから、返済計画もロクに立てられない企業に安易にお金を貸して貸し倒れさせるわけにはいかないんです。
だから、しっかり計画を立てること、そのために自社のお金の見える化をすることが必要なんです。
2.月次決算でお金の出入りを見える化する
お金の出入りを見える化するにはどうすればよいか?
まず、税理士さんに依頼されている方は、細目に税理士さんに帳票類を渡し、毎月第一週~第二週頃にはチェックすることが必要です。
チェックすべき項目は
・前月までの損益の累計、月次の損益はいくら?
⇒期末での着地点を予測する、銀行への報告
・前期の売上と原価、固定費、差額はいくら?
⇒収益性を見直す。当初の予定からどの程度ブレがある?ブレを修正するために何をする?
・何の経費にいくら掛かってる?
⇒削減すべきコストはある?
・現預金がどの程度増減してる?
⇒今年に入って、または前月にどれだけお金が増減してる?
・今後支払う予定のあるお金に対し、回収できるお金はどの程度ある?どの程度余裕を持てている?
⇒直近で資金ショートしないかをチェック、必要に応じて金融機関に運転資金の融資を申し込む。
など、このようなことを決算書から読み取り考えることができます。
お金の出入りや損益を早いタイミングで見える化し、問題と課題を早期に発見し行動することができますので経営判断を早め、着実に会社を成長させゆとりを持った状態にすることができます。
そして、金融機関にこういった実績を報告しながら今後の展望や戦略を語れるようになることで、金融機関からの信頼度は大きく違います。
また、経理作業を外注するのも良いのですが、税理士さんの処理のタイミングもあるのでどうしてもチェックするのにタイムラグが発生してしまいます。
なので、できる限り自社で経理作業を行い、可能な限り早く実績をチェックできることが大切なのです。
3.バイトでも経理業務ができるようになるクラウド会計
小さな規模で経理部門が無いという会社でも経理業務を行うためにオススメなのがクラウド会計の活用です。
代表的なものとして、freeeやマネーフォーワードといったものがあります。
通常会計ソフトは「貸方」「借方」で入力作業を行うため、簿記の原則がわからないと入力作業を行うのは難しいのですが、freeeのように「貸方」「借方」の入力を不要とし、難しい会計の用語を素人でも理解できる言葉やチェック項目に変え、経理がわからない素人でも慣れれば使えるようなシステムも存在します。
また、入力した内容がすぐに損益のデータや資金繰りレポートに反映されるため、税理士に依頼するタイムラグを大幅に短縮し経営判断を素早く行うことができるようになります。
画像:freeeホームページより引用
金融機関に帳票を提出する際にも、クラウド上からすぐに取得できますのでスマホのアプリからPDFファイルをダウンロードし、コンビニで印刷したり金融機関の担当者宛にメールで送ることも可能です。
また、freeeを含めたクラウド会計では、クレジットカードの支払い明細、銀行口座、レジのデータと紐づけできたり、CSVデータで取り込みすることもでき、キャッシュレス決済については科目の修正や摘要を入力するだけで完了してしまうというメリットがあります。(会計ソフトを使い慣れ、入力が速いベテランさんにとっては逆に作業が遅くなることもありますが・・・)
誰でも使い方読めばわかるシンプルなシステムに変えることによって、子供を保育園に預けている時間だけ短時間で少しでもいいから収入を得たいママさん、セミFIRE状態でちょっとでいいから仕事して収入を得れば良いという方など、経理経験者じゃなくても仕事を任せたりすることができるわけです。
当然、処理のチェックや経費が妥当なものかどうかは税理士さんに確認してもらえば良く、「記帳代行屋さん」じゃなくて税理士さん本来の仕事をしてもらう時間ができるわけです。
基本経費はクレジットカード払い、もしくは口座振替にして、キャッシュレス決済にしておけばその分入力作業も減りますので経理担当の方の労働時間を減らし、時間単価を上げながらを支払う人件費を下げることも可能になります。
他、給与計算などの機能とも連携でき、バックオフィスの効率化に大きく寄与することができ、クラウド会計は最強のアイテムとも言えます。
4.お金を残せる企業になるために
小規模企業の経営者さんが軽視してしまいがちなのが経理業務の重要さですが、ここまで解説してきた通り超重要です。
実際、私が関わらせていただいた企業様で、経営がピンチな状態になっていた企業は100%経理業務がほとんど機能していない、お金が見える化できていない状態でした。
成長段階で忙しくされているとなかなか意識することは無いのですが、「なぜ企業には経理部門があるのか」という理由を改めて考え、その重要さをご理解いただければと思います。
節税のテクニックもお金の見える化ができていないと効果を発揮せず、資金繰りを悪化させてしまうことになることもあり、あらゆる経営判断はこのお金の見える化から始まります。
そして、経理業務が効率化され、あまりコストを掛けずに早期に状態を把握するために、クラウド会計を上手に活用することがオススメです。