小川 洋平

インデックスorアクティブ  どっちがいいの??

こんにちは(^^)

中小企業経営者のキャッシュを増やし資産を最大化、時間とお金のゆとりを創るファイナンシャルプランナーの小川です。

NISAやiDeCoの普及で、「投資を始めてみよう」「将来のために資産形成を始めてみよう」と考える方も多くなってきました。

しかし、いざ投資信託の商品を選ぶときになると、あまりの商品の数の多さに「何を選んでよいかわからな~い」って方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな方に、どう選んでいけば良いかをお伝えします。

1.インデックスファンドとは?

インデックスファンドは日経平均株価やTOPIXなど、株価指標に連動した投資効果を目指す投資信託のことを言います。

日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入することで、日本の大企業225社に分散投資しているのと同様の効果があります。

日本の株式市場の他、アメリカや先進国、新興国の株式、債券等のインデックスに連動するものもあります。

商品の構成も株価指数等を構成する銘柄とほとんど同じですので、「信託報酬」と言われる資産を保有している間に掛かる手数料も安く、購入時の手数料も低い、もしくは掛からないものが一般的です。

つみたてNISAの対象商品、2024年以降の新NISAのつみたて投資枠においては購入時手数料が掛からないもの、また信託報酬が一定の金額以下であることなどの基準を満たしたものがラインナップされています。

2.アクティブファンドとは?

インデックスファンドの他に投資銘柄を絞ることでインデックスを上回る成果を目指す投資信託でアクティブファンドがあり、インデックスファンドと比較してリスクとリターンが大きいとされているのが一般的です。

投資対象の銘柄を投資信託の商品コンセプトに合わせて選定されていきます。

例えば、SDGsへの取り組みに力を入れている企業などに投資する商品や、自社の技術力を活かし社会に役立つ独自性を持った商品やサービスを開発し、世界のマーケットに今後シェアを拡大していこうとする企業をファンドマネージャーが企業に直接訪問し見学したり、対話をすることで企業の成長を促進させるという取り組みを行っているファンドもありますし、今後数年で成長が大きく期待できそうな特定の業種に投資対象を絞って投資する商品もあったりして、一概にアクティブファンドはインデックスよりもハイリスク・ハイリターンとは呼べないものです。

3.インデックスファンドのメリット、デメリットは?

インデックスファンドのメリットは、信託報酬の安さにあるところと、あらゆる業種に分散投資されているため、平均的なリターンを低コストで得ることができます。

つい10年前は株式投資信託であればインデックスファンドでも0.5%程度の信託報酬の商品が当たり前でしたが、最近では0.1%を下回るような手数料のものも続々とネット証券を中心に発売されています。

そして、過去ものすごい成長を遂げ、SNSなどでも多くの人が購入しているS&P500のインデックスファンドに30年前に投資して、30年間持ち続けていた場合には下記に近い実績を得ることができます。(必ず連動する訳でもない)

平均的な株価指数といってもこれだけ大きく成長し、S&P500のインデックスファンドに投資していればこれと同様の効果を得ることができたことを意味します。

そして、それを上回るリターンを得ることができると考えられているアクティブファンドですが、下記のような記事も出るくらい、実際には多くのアクティブファンドがインデックスファンドの運用成績を超えることができていない状況です。

まともな投信1%、森信親金融庁長官が斬る業界の悪弊(森本紀行) – エキスパート – Yahoo!ニュース

対して、デメリットはその国の経済が成長しなかった場合などに、長期で保有していてもあまり資産が増えないといったことがあります。

日本株が良い例でしょう。

米国株と比較すると大きな差がついてしまっていますよね・・・。

日本経済はもう30年近くもの間経済成長が停滞し、ほとんど横ばい状態が続いてしまったのでした。

このようにその国の経済情勢をそのまま反映し、日本の様に経済が横ばいだとあまり成長してくれないという可能性もあります。

4.アクティブファンドのメリット、デメリットは?

アクティブファンドのメリットは、インデックスと比べ大きく成長する可能性がある点です。

例えば、下記の投資信託は私が保有している商品です。

ベンチマークが世界の株価指数のMSCIコクサイで、こちらも大きく伸びてはいますがそれを遥か上回るパフォーマンスを見せてくれています。

良いアクティブファンドを選ぶ目があればこういう素晴らしい成長を見せてくれる商品を選ぶこともできます。

しかし、その一方で手数料は1%~1.5%程度となっておりインデックスファンドよりも大幅に高くなっています。

投資信託での運用においてはこの信託報酬のたった1%の差が大きな影響を及ぼし、1000万円の投資額でも将来的に利益が1000万円以上差がつく場合もあります。

例えば、こちらのインデックスファンドは信託報酬が年間で0.05775%と爆安です。

一方で、こちらの商品は1.085%となっており、上記と投資対象としては近いものではありますが1%以上信託報酬が高くなっています。

このような信託報酬の差があり、こちらの商品の場合は過去5年程度の間ではインデックスを上回る実績を現在のところ見せてくれていますが、そうではない商品も多いのが現実です。

また、ファンドのコンセプトや銘柄の選定理由は「目論見書」をじっくり読み込んでみないとなかなかわからないところでもありますし、インデックスと比較しどの程度のリターンなのかは過去数年の間では判断しにくいものでもあります。

ですので、シンプルに手数料の安いインデックスファンドを選んだ方が無難と言えば無難なのです。

なので、SNSなどでよく言われている「S&P500を買えばいい」「オールカントリー買えばいい」というのは初心者がまず始めるためにはわかりやすく理にかなった話ですし、私も「迷ったら手数料が安いインデックス買った方が失敗が少ないです」とお伝えしています。

5.アクティブファンドを選ぶ意味って??

さて、そんなアクティブファンドを「選ぶ意味あるの??」って思われてる方も多いでしょうが、私の場合はアクティブファンド一択です。

その理由は、アクティブファンドのコンセプト設計に共感し、仮にインデックスとパフォーマンスが大きく変わらずに高い手数料を払ったとしてもそれでも構わないと思っているためです。

インデックスファンドはこれから成長が更に期待できる会社もあれば、既に社会的な役割を終えつつあり、衰退が見込まれる会社も投資信託に組み入れられてしまっています

また、長時間労働で社員が自殺してしまうような会社や、営業職員が自爆営業したり、顧客に不利益な提案をしてまでも目先の利益を狙ってくる、顧客を金づるとしか見ていなような営業活動が常態化しているような会社の株までインデックスファンドに投資していると買ってしまうのです。

日経225の中にも、TOPIXの中にもそういった「投資したくない会社」は少なからず含まれています。

また、過去に大きく成長してきたS&P500の中にも兵器を製造し、紛争地域などで人の命を奪う道具を販売し利益を得ている会社もあります。

その会社を否定するわけではありませんが、株式投資を通じて私達はその恩恵を受けることになるので、人の命を奪う道具を売って得た利益の一部を恵んでもらっても個人的にはあまりいい気分ではありません。

その他、アパレルメーカーでは発展途上国など時給が数十円、劣悪な労働環境の中で社員が衣服を縫製し、その商品を我々先進国の人間が買うことで利益を得ている会社もあります。

こちらの動画は私が会員になっているフリーランスでこういった普段報道されることない途上国や、アフリカの貧困問題のリアルを伝えている原幹大さんの動画です。

完璧にそういった「投資したくない企業」を避けることも難しいのですが、やはり社会に役立つもの、これからの社会問題を解決できる商品力を持った企業に投資し、その成長の恩恵を受け取った方が気持ち良いですよね。

最近ですとこういった問題を受けて大手メーカーはサプライチェーンにおける労働環境のチェックを行っていたり、人権に配慮した動きもみられますが、まだまだこういった状況は世界中で見受けられます。

なので、アクティブファンドのコンセプトと、そのコンセプトに合った銘柄が選定されているか、一つ一つチェックしていくとそのファンドが本当にコンセプトに基づいて組成されているかを見極めることができます。

ちょっと手間が掛かりますし、初心者にはハードルが少し高いものではありますが、そういった投資信託会社の主催の勉強会に参加したりしてみると運用会社の代表者や創始者がどのような想いを持ちその商品を創ったのか、生の声を聴いて考えることができます。

まずはインデックスファンドから無難に始めてみて、少し投資に慣れた頃にはそういったファンドのコンセプトや想いを理解し、投資を考えてみるのも良いでしょう。

今は1株数百円~数千円程度でも個別の会社に投資することができますので、そういったアクティブファンドの銘柄選定の考え方を参考にしながら自分で商品を組み合わせたりして自分で分散投資をしてみても良いでしょう。

6.自分達のお金が大企業の経営陣を動かす力を持つ

そして、私がアクティブファンドに期待している機能が「エンゲージメント」です。

エンゲージメントとは、運用会社などが投資先企業に対して「企業の更なる発展のための対話」のことです。

「モノ言う株主」という言葉がありますが、ただ目先の利益のために株主が企業に要望するのではなく、企業の目標としている長期ビジョンに向かうための改善、更なる利益のための対話のことを言います。

実際、そこまで対話をしているアクティブファンドは日本では僅かと言われていますが、こういったエンゲージメントを大切にし、長期的にその企業に投資をしているアクティブファンドもあるのです。

こうしたアクティブファンドに私達投資家がお金を投じることで、より大きなお金となり、株主としての発言力も強くなっていくことを意味しますので、私達の投資したお金が投資先企業を動かすことも期待できるのです。

そうすることで更に企業が成長し、その恩恵を受けると考えるとどう思うでしょうか?

ただの株価や時価総額の平均値である市場に投資しているインデックスよりもずっと面白味のある投資ができると考えておりますので、私は手数料が高くても株式はアクティブファンドを買っています。

「投資怖い」「わからない」を卒業した次の段階は「どんな会社がこれから世の中の役に立つんだろう?」「こんな会社ならばお金を出したい」という、一つ高い視座から考えるためにアクティブファンドを比較してみると、投資や金融の本質的なところに気が付くこともできます。

こういったことが私達が今持つべき本当の「金融リテラシー」で、単にお金が増えた減っただけでなく、自分が投資したお金がどこに流れてどう使われていくのか、少し興味を持っていただければ幸いです。