こんにちは(^^)
経営者の資産を最大化し、お金と時間のゆとりを創る資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。
NISA制度がスタートしてから10年、まだ当時は「5年の非課税期間??長期投資に使えないじゃん・・・。ま、私が提案する機会はあんまりないだろうな~」なんて思ってたんですが、その後2018年につみたてNISAがスタートし、いよいよ新NISAがスタートし、今では資産形成といったら「iDeCo&NISAをまず検討」というような状況になっています。
10年前、まだ保険代理店の営業マンだった当時、周りの募集人さん達が終身保険や個人年金保険を頑張って販売されてた中で、私一人だけ資産形成セミナーを開き、長期・分散・積立を伝え、むしろ「インフレリスクがあるので若い人は個人年金や終身保険は入っちゃダメです」なんて話をしていました。
当時は完全に異端児扱いされていましたけど、ここまで世の中で投資に興味を持ち始める人が増えるとは本当に想定外です。
さて、そんな私としては本当によくぞここまで良い制度になってくれたと思うNISAですが、制度や購入する商品のことを知らず、ただ流行りに乗って「NISAって始めた方がいいんでしょ」って始めるのは待ちましょう。
今回はその理由をお伝えしていきます。
1.投資しても良いお金なのか?
まず、何のために投資をするのかを考えてみましょう。
〇年後に仕事をリタイアし、毎年○○万円ずつ取り崩しながら生活していく計画がある
〇年後に子供が大学に行く予定で、〇〇〇万円必要だと見込んでいるからそれを準備したい
など、こういったお金の目的を考えてから、大体10年以上を目安に始める必要があるのです。
日々の生活費や、ほんの2~3年程度で使う予定のお金でしたら、基本的には投資せずに預金などで持っておいた方が良いです。
「NISAやった方がいいのかな・・・」
って考えて投資を始めると、大きく価格が下がってお金が必要なときに売ってしまう可能性があります。
2.売り手の言いなりにならない
NISAの制度が良いと言っても、あくまで投資の利益が非課税になるというメリットです。
そもそも、投資で利益が出せていないようであれば意味がありません。
NISAには『成長投資枠』と『つみたて投資枠』があり、つみたて投資枠の方は長期の資産形成に適した商品のみが対象になっており、成長投資枠はロボット技術系の企業に投資する商品や、自動運転車関連の企業に投資する商品など、分散投資にあまりなっていない、長期的に成長が続くのかわからない、長期投資には不向きな流行りモノの商品も対象になっています。
また、購入時に手数料が差し引かれたり、保有している際に知らずに高い手数料が引かれてしまい、資産が増えないこともあります。
3.経営者は「事業」に投資せよ
また、経営者さんの場合は、将来必要なお金をNISAやiDeCoなどを上手に活用しながら資産形成を行うことは推奨しますが、あまり大きな資金を運用するのはオススメできない場合もあります。
なぜなら、金融商品に投資するよりも、自分の事業に投資した方が基本的にははるかに大きな利益を生み出すことができるためです。
仮に手元に1,000万円があり、年利7%で複利で運用したとしても10年後に得られる利益は1,000万円程度です。
しかし、労働時間短縮のために設備投資をしたりすることで生産性が大幅に向上させたり、他社から仕入れていた李、外注していた分を内製化するために投資することでコストを下げたりすることでその利益は長期的に億単位になることもあるでしょう。
ビジネスでは時間とお金を「選択と集中」させることが必要です。
ですので、役員報酬を過剰に受け取って投資して個人の資産を増やすよりも、自分が理想とする将来設計を実現するために必要な金額をNISAなどを活用して投資し、あとは事業をもっと加速するために投資した方が良い場合もあるのです。
社員さんがやりがいを持ちながら長く働いてくれるために昇給したり、賞与を払ったり、福利厚生を拡充したり、もっと働きやすいように労働環境を整備したり、そういったことに投資すれば新たな人材を採用するために必要なコストや育成までの費用、時間のロスを低減することが可能です。
なので、いくら投資が資産を増やすのに有利と言えど、まずは事業を成長させた方がもっと大きな利益をもたらしてくれるのです。
一般の会社員の方であっても、自分自身に投資することでもっと収入を上げることで更に積立額を増やし、将来の資産を増やすこともできます。
新NISAは私達にとって有利な制度ではありますが、もっと違うところにお金を使うべきこともあります。
金融商品への投資が全てではなく、活用しつつ将来の資産形成を行い、収入自体を増やせるように自己投資した方が有利な場合もありますので、流行りモノに飛びつく前にご自身の理想とする人生設計と、それに対して今何をすべきかを立ち止まって冷静に考えてみましょう。