小川 洋平

0円視察旅行でビジネスのヒントを ~京都、大阪編~

こんには(^^)

経営者のキャッシュと時間のゆとりを増やす資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。

6月に航空券0円、高級ホテル宿泊0円で大阪~京都旅行に行ってきたという内容でコラムを書きましたが、そちらに続いて、今度はそこで学んだビジネスのヒントをコラムにしてみます。

せっかく大阪に行ったので、ついでに京都まで足を延ばし、京都の事業者がどのように観光資源を活かしてビジネスを行っているのか、また外国人観光客が大阪と同様に多いとのことでしたので、視察に行ってみることにしました。

FPは歴史好きが多いようで、奈良まで足を延ばし仁徳天皇陵古墳を見に行かれた先輩達も数名いらっしゃいましたが、私は幕末好きなので25年ぶりの京都に行き、京都駅周辺の徒歩圏内で幕末の史跡巡りをしていました。

こんなルートで史跡巡りをしてきました。ちなみに全て徒歩です(笑)

ホテルは京都駅の反対側にあり、総移動距離は15Kmでした。

バス待ちも外国人観光客でいっぱいで待ち時間も長そうで、徒歩で行ける距離でしたので、スーツケースを駅のコインロカーに預けて徒歩で京都の街中を歩きながら行くことに。

ルートは

①清水寺 

②新選組の初期の屯所だった八木邸&壬生寺  

③坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋跡

④新選組が過激派維新志士の会合に討ち入りした池田屋跡(現在は居酒屋として現存)

⑤新選組局長近藤勇が官軍に捕まり、打ち首になり首が晒されていた三条河原

⑥新選組を脱退し、薩摩側に味方した元参謀の伊藤甲子太郎はじめ御稜衞士の隊士達が暗殺された油小路の変跡地

街中に漫画や映画、大河ドラマの舞台になった場所が点在してるので、徒歩で歩き回ってると面白いのです。

こんなルートで歩き回って来たわけですが、ビジネス目線で今回の京都~大阪で得られた学びをお伝えしたいと思います。

1.見込み客が求めるものは「技術」や「品質」の高さではない

今回、私が夕飯を食べに行ったのは、池田屋事件の跡地にある 池田屋はなの舞 池田屋三条駅店さんです。

個室居酒屋 池田屋 はなの舞 三条駅店 (izakaya-hananomai.com)

店の前にはしっかり池田屋騒動の跡地であることの解説があります。

店に入ると「御用改めである」という自動音声が出迎えてくれ、こんな感じのエントランスになっています。

もう、はなの舞という居酒屋チェーン店ではなく、ガッツリ新選組に振った店にしているのがわかりますね。

当然のようにスタッフさんは浅黄色のだんだらの羽織を着ています。

ターゲット層は完全に歴史好き、観光を楽しみにきた人向けな造りです。

店のメニューも、アニメの「薄桜鬼」という新選組が全員イケメン設定な、おそらく若い女性向けのアニメとコラボしていて、メニューには薄桜鬼コラボメニューがたくさん。

出典:【祝!薄桜鬼15周年】『薄桜鬼 真改』×『はなの舞』コラボ第11弾 » チムニー株式会社 (chimney.co.jp)

私が頼んだのは地酒の3種飲み比べセット×2、京都の漬物盛り合わせ、薄桜鬼コラボメニューにある平助への差し入れ(焼き鯖の押し寿司)でした。

さて、ココで何を申し上げたいかと言いますと・・・

はなの舞さんと言えば全国展開するチェーン店で、私の地元の長岡や新潟にもあり、私個人的にはチェーン店よりも個人でやってるような小さなお店の方が特徴があって好きなので普段はあまり行きません。

しかし、今回は新選組というテーマがあり、京都まで行ったのにどこにでもあるチェーン店にお邪魔させてもらったのです。

求めていたものは「味」や「料理の質」ではなく、「有名な池田屋事件の跡地で夕飯を食べ、地酒を楽しめること」ですし、薄桜鬼が好きな観光客にとっては推しのキャラクターの推し活ができることです。

職人さんほど技術や味というものを追求するもので、それはそれでとても素晴らしいことです。

私も、知識の習得やスキルの向上、情報収集は常に行い自己研鑽の努力は欠かしていません。

しかし、あまりそこに振り切ってしまうと、肝心な顧客が求めるものを見失ってしまうことがあります。

「○○ならば常識」「○○は邪道」

などなど、色々な考えをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

そういったこだわりが大事な部分もあるのですが、最も重要なのは「顧客目線」です。

自分の店に来て下さるお客さんが何を求めて来てくれるのか、何をしたら期待値を超える満足度を得ていただけるのか、本当の顧客目線とはこういうことにあります。

料理の味といっても、今はどのお店に入ってもそれなりに美味しく、「不味い」と思えるお店を探す方が難しいでしょう。

反対に、味はそこそこ美味しければ、それ以上に何かを拘っても実際のところお客さんの立場でそれを理解し、欲して下さる人は少数派です。

そういった味を求めるお客様には、100%一流の味、一流の素材にコミットした料理を提供するというコンセプトで価格帯や接客、店の雰囲気づくりを設計すれば良いでしょう。

しかし、今回の私のように、「新選組」というテーマで来店した人については、そこそこ美味しい料理とお酒を池田屋跡地という空間で楽しめればそれで満足なのです。

ビジネスの根本は「お客様の役に立つこと」で、自分ができることでお客様が望む価値を提供してあげることです。

飲食店の例を挙げるならば、共通してできることは「美味しい料理やお酒を提供できる」という点ですが、お客様の求めるものが「味」という要素が強い場合もありますが、「気の合う仲間とわいわい賑やかにお酒を飲みたい」という要望だったり、「大事な取引先の方を接待し、ビジネスの話をしたい」というニーズ、「子供達がいて賑やかになっても周りをあまり気にせずにご飯を食べられる」といったニーズなど、同じ「美味しい料理を提供できる」というスキルでも、お客様に提供できる価値が大きく変わってくるのです。

なので、「美味しい料理を提供できる」というスキルを使って、お客様のどんな価値を提供し、そのお客様がどんなことで満足してくれるのか、こんな流れを作っておくことでそんな場所を求めるお客様の集客にも繋がりますし、満足度を高め、客単価UPにも繋がりますね。

2.外国人向けの商品、サービスを考えてみる

そして、大阪、京都で感じたことは、外国人のあまりの多さです。

こちらはホテルの朝食ビュッフェの様子なのですが、写っている方は全員外国人。朝食ビュッフェ会場にいた日本人は私と一緒にいったもう一人の方のみです(笑)

ここは本当に日本なのだろうかと疑ってしまいます・・・(^^;)

ちなみに朝食ビュッフェの料金はお一人様2,500円と朝食にはなかなかなお値段です・・・。

それでもこれだけ多くの人が訪れています。

そして、京都も外国人でいっぱい。

こちらは清水寺に上る途中のお店ですが、日本人を探す方が大変なくらい外国人の方がいっぱい歩いていました。

30℃を超える暑さの中歩いてきましたので、ビールがとっても美味しいのは言うまでもありません🍺

このお店でも先客でいらっしゃった方は外国人の方だけです。

ここでご夫婦が写真を自撮りしようとしていたので撮って差し上げようと思ったのですが、英語で何て言うのかすっかり忘れてしまっていたので、ジェスチャーと伝わらないはずの日本語で「写真撮りますよ」と意思表示(笑)

一応伝わり、旅の思い出づくりのお手伝いはできましたが、こういう時に英会話ができるともっとコミュニケーションを取れて楽しめたのだろうと思うとやっぱり英会話に日頃から慣れておくは大事だと思うところです。

そして、こちらは道頓堀のハンバーガーショップ

もう、価格設定も看板も完全に外国人向けなのでわかりますよね。

日本人が見たらビックリするようなお値段ですが、お店は外国人の方で賑わっているのです。

これ、日本語が読めない外国人の立場で考えたら、ちゃんとメニューを英語で書いてくれているから、日本語でメニューが書いてあるお店に行くよりも安心して注文できますよね。

こうやって「うちの店は外国人の方も気軽に楽しんでいただけますよ~」ってPRし、接客担当のスタッフさんには簡単な英会話のやり取りができる人を採用し、外国人のお客様とのコミュニケーションを取れるようにしておけば客単価を大幅に上げることができるわけです。

現在はたまたま歴史的な円安という状況もあり外国人観光客が急激に増えていますが、グローバル化が進む昨今において、そして過去30年もデフレが続き、賃金が上がらずに物価上昇も小さかった日本は、物価の安さ、賃金の安さを求めて今後観光地以外の地方においても外国人が増えていくことも考えられます。

自分の店舗に外国人向けの看板を出してみて、スタッフに一人でも英会話でコミュニケーション取れる人を接客担当として採用しておいたり、HPを英語などの外国語表記に変えられるようにしておくと、外国人のお客様も対象としてビジネスを行うことで外国人の集客も可能になるでしょう。

このハンバーガーショップのように、明らかに外国人向けな看板を出して集客しているお店はまだまだ少数ですので、今がチャンスかもしれませんね。

3.「購買力」が低下した通貨の国で生活し、事業を営むために

さて、前述の通り日本円の購買力はこの失われた時代において大きく低下してきました(やっとFPっぽい話しますが・・・)

その結果を表しているのがこちらの日経新聞の記事です。

引用元:スタバ指数で見えた日本の「買う力」 米欧韓に見劣り – 日本経済新聞 (nikkei.com)

これは単純に日本が円安だからではなく、世界各国がこれまでに経済が成長し物価が上がってきたのに対し、日本は経済成長が停滞し、賃金は増えず、物価が上がらなかったという状況がありました。

日本生命さんのコラムにある先進国各国の消費者物価指数の比較をご紹介させていただくと、このようになります。

引用元:第154回 日本の物価は35年前と比べて約2割上昇したが、世界に比べると・・・ | 日本生命保険相互会社 (nissay.co.jp)

日本だけが大きく取り残されてしまっているのがわかりますね。

そうなると、世界各国は物価も賃金の水準も上がってるのに、日本だけが安いままになり、外国の通貨に対し日本円の「物を買う力=購買力」が弱くなってしまっているということになります。

お金を考える上で、「額面」よりもむしろこの「購買力」に注意する必要があります。そして、先進国だけでなく新興国や発展途上国も日本の経済成長が停滞している最中も経済は右肩上がりで成長し、物価水準が上昇しており、スタバのラテの値段のようになっています。

マクロの視点からはこういった状況を好転させるための政策を急がなければならないと考えるところですが、私達個人がどうにかできる問題ではありません。

私達個人が今すぐにでもできることは、いかにして「安売りしている日本」を活かして外国人のお客様に商品やサービスを利用してもらうか、そして購買力が下がり続ける日本円から我々の資産をいかに防衛し、悲観的に思える状況を逆手に取って成長を目指し、これまでの預金などの安定資産に偏った資産構成を見直し、インフレから将来のお金を守ることです。

と、今回は視察旅行のレポートをまとめてみました。ビジネスの原則は「自分ができることで誰に価値提供をできるか」です。自分ができることを活かし、どんな要望を持つお客様の役に立つのかが最も大事です。そして、すっかり安い国になってしまった日本で成長を狙うために、外国人向けのサービス展開なども検討してみると良いでしょう。

これからのビジネスのヒントになれば幸いです。

そして、是非クレカを活用して0円で視察旅行に行ってみましょう👍