小川 洋平

「いい会社に投資する」鎌倉投信㈱鎌田社長講演レポート

こんにちは(^^)

経営者のお金と時間のゆとりを増やす資産形成のプロ、ファイナンシャルプランナーの小川です。

先月、銀座にて投資信託「結い2101」の運用、販売を行っている独立系運用会社、鎌倉投信株式会社の鎌田社長のセミナーに参加してきました。

以前、元セゾン投信会長であり創業者である、現なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役中野晴啓氏のストーリーをこちらで書かせていただきました

【実話】金融業界を変えたカリスマの物語 : コラム – FP相談ねっと認定FP 小川 洋平 :2023年7月26日 更新。 (fpsdn.net)

同様に、自身の想いを持ち、鎌田社長が創業したのが鎌倉投信株式会社です。

とても良いお話を聴くことができましたのでシェアしたいと思います。

1.鎌倉投信創業の想いと金融業界の実情

鎌倉投信が創業されたのは2008年の11月、リーマンショックの直後のことです。

上記の中野社長のストーリーでもご紹介しましたが、金融業界は「顧客利益 ≦ 売手の利益」という風潮が当たり前になっており、現在も尚その風潮は強く金融商品の営業現場に根付いてしまっているように思います。

長期的に顧客の資産を殖やし、その結果得られた利益を得るのが金融商品の売り手側が考えなければならないことですが、短期的な売買の繰り返しで販売手数料を貪り食うような営業が横行してしまっているのが現状です。

現在では金融庁より顧客本位の業務運営を強く言われているため、多少は改善されていますがやはり相談受けていく中で顧客利益のためとは思えない商品販売が度々確認されています。

元証券会社の営業マンで、現在はIFAとして頑張っておられる仲間から聴いた話では、元々いた証券会社では販売時に顧客の資産から払われる販売手数料のみが自分の成績評価の対象となり、お客様の資産をいかに増やすかは全く成績に入らないため、とにかく短期的な売り買いをさせるのが上手な営業マンが成績を上げていく現状に嫌気がさして独立したと言います。

鎌田社長は、そんな資産運用業界において、本当に社会に貢献し、お客様の資産を増やせる会社を創りたいという想いを持ち創業されたと言います。

そして、これからの日本に必要とされる「いい会社」に投資をすることで、我々投資家の資産を増やし、社会の持続的発展を目指して創設されたのが「結い2101」というファンドです。

2.創業の想いが込められた投資信託「結い2101」

こちらは鎌倉投信㈱のHP内にある「結い2101」の紹介ページです。

「結い2101」を知る | 鎌倉投信 (kamakuraim.jp)

創業当時にはこんなコンセプトで創られたこちらのファンドで、当時の短期的な利益を求める業界内でのは「綺麗ごと」などの否定的な声が多かったようですが、鎌田社長は創業の仲間達と共に地道な営業を行い、少しずつ預かり資産を増やしていったと言います。

3.一つ一つ丁寧に分析された理念に合った銘柄を選定

投資先の「いい会社」 | 鎌倉投信 (kamakuraim.jp)

鎌倉投信さんが選んでいる銘柄はこのような銘柄があり、私の住む新潟のダイニチ工業や亀田製菓なども入っています。

組み入れ銘柄はこのような基準で選ばれています。

そして、投資先との対話、現地取材のため、最短でも1年程度の時間を掛けて銘柄を一つ一つとても丁寧に分析して投資しています。

これは「エンゲージメント」と呼ばれる、株主として投資先企業と対話を通じて企業価値の向上を計るための働きかけのことを言います。

ここまで丁寧に銘柄を分析し、1社ずつ対話を重ねている商品は日本の投資信託ではかなり少数派で、インデックスファンドではまず不可能でしょう。

4.リスク・リターンは?

結い2101の特徴として、一般的な株式投資信託に比べてローリスク・ローリターンの特性があります。

この「リスク」とは、「振れ幅」のことです。

日本株のインデックスファンドのリスクは大体17%程度ですので、それよりも7%も上にも下にも値動きが小さいということになります。

こちらがTOPIXとの騰落率との比較です。

24_0703_yuidayori_172_web_ny (kamakuraim.jp)

青色の棒グラフがインデックスのTOPIX、対して青色が結い2101のことです。

TOPIXが値上がりしているときは大きな値上がりはしていませんが、反対にコロナショックでTOPIXが28.2%値下がりしているときでも、このファンドは19.7%の値下がりで留めています。

これは株式投資信託ながら、1/3をキャッシュで持っているためです。

キャッシュを多く持っているメリットは、値下がりを防ぐことができる点、そして大きく相場が下落した際に買い増しすることができる点にあります。

結い2101はどちらかと言えば投資初心者が安心して持っていることができる投資信託を目指しているためです。

この点はリスクを気にしない、自分で預金や債券でポートフォリオを組んでいる人にとってはデメリットとも言える点で、より株式の組み入れ比率を増やし高いリターンを狙いたいと考える人も多いでしょう。

基準価額の推移はこのようになっております。

2010年の設定から2倍以上には増えていますが、設定当時の日経平均株価は8,000円を下回る程度の時期で、現在は4万円前後ですのでインデックスに投資していれば4倍以上の成績ということになり、インデックスよりも大きく下回っているということになります。

ただし、前述の通りファンドのコンセプトがリスクを10%以内に抑え、そのためにキャッシュの比率を増やしているためですのでインデックスに負けているからインデックスよりも劣っているとは言えません。

インデックスと預金とを組み合わせた場合と比較し、正確に比較すべきでしょう。

5.その他特典

そして、結い2101を購入している人は投資先の会社に訪問したり、経営者の講演を聴くことができます。

私は個人的にはこちらの方にメリットを感じ、上場企業の経営者さんから直接お話を聴いたり、株主総会のように質問することができるという点を魅力的に感じています。また、子供達にとっても、お金というものの本質を体験を通じて理解してもらうことができるとても良い環境と言えます。

「金融リテラシー」という言葉が広まりはじめ、政府も資産形成や保険などのお金の知識を学校教育に取り入れるなど行動を開始しましたが、本当の意味での金融リテラシーとは、世の中のお金がどう流れ、どう使われて我々の生活や社会を豊かにしてくれるか、それを個人の資産の増減といった狭い視野ではなく、もっと大きな視野で考えることができる教育を本物の金融リテラシーということができます。

そして、これから起業する人が世の中のどういった問題を解決するために事業を始めるのか、成長する企業がどのように将来を見据えて計画を立てているのか、投資を通じて自分の事業を考えることにも繋がるのです。

また、鎌倉投信さんでは子供達に向けての起業体験イベントや、中小企業の経営者向けに経営の講座を行うなど、社会貢献に対する取り組みもされています。

鎌倉投信さんにおいでいただき、そんなイベントも企画できればと考えております。

理念に大変深く共感しておりますので、私も法人口座で購入してみたいと思います(^^)