こんにちは(^^)
中小企業経営者のキャッシュを増やし、資産を増やす、ファイナンシャルプランナーの小川です。
近年、人手不足が話題になっていますね。人手不足で営業時間を制限されている飲食店さんもあり、集客よりも人手不足が問題となり売り上げが伸び悩んでいる企業様も多いのではないでしょうか。
さらに、働き方改革の時代、残業時間の制限も重なり、労働力の確保が今課題になっているという企業も多いことでしょう。
しかし、同時に副業解禁の動きもあり、『一つの会社で一生働く』という時代から『複数の仕事で収入を得る』という時代に変わりつつあります。
これは中小企業にとって実は大きなチャンスでもあるのです。
今回はそんな複業人材の活用について解説していきます。
1.大企業の優秀な人材の力を中小企業の課題解決に
副業解禁の動きは大企業を中心に広まり、同時に働き方改革の影響で労働時間を制限されているため、収入が減少しているという社員さんも多いものです。
となると、「もっと稼ぎたい」という優秀な大企業社員が、副業を始めたいと考えることも多くなると考えられていますので、こういう人材を確保することで、ただ単純作業をやってもらうあるバイトとしてでなく、自社の問題や課題解決のための社外のプロジェクトリーダーとして活躍してもらうこともできます。
例えば、製造業の現場の人材確保に悩んでいる企業が、大企業の製造現場を立ち上げ、仕組化しているような人材を招き入れて、自社の自動化、仕組化により製造に必要な人材を減らすことが可能です。
やはり大企業の方が生産ラインの効率化やDX化は進んでいることが多いものです。中小企業の製造現場では重い物を持ち上げたりする場面など自動化した方が社員の身体的な負担を減らすことができたりできることも多いことでしょうし、製品の検査も行程も自動化して人員を削減し、投資の結果人件費の削減も可能です。
オフィス内で紙資料が多い企業も、ペーパーレス化することで印刷費や紙の削減、保管場所を減らすことも可能です。消耗品費の節約のみでなく、環境にも良いですよね。特に現代はSDGsの観点からも、紙資料やインクの節約といったことは社会的な風潮でもありますので、そういった取り組みを自社HPでPRすることも可能です。
こういった現場やオフィスの仕組化は経営者が学んで必要性を感じていても、なかなか自分だけでは手を付けることができずにできていないという企業様も多いことでしょう。
そういった場合に、既に大企業の現場で業務の見える化、仕組化、自動化を行ってきた人材を招いて自社に導入してもらうことも可能です。
また、大企業の営業マンとして活躍している人材を自社の営業代行として活用して売上UPを狙うことも可能ですし、自社の課題に応じて必要な人材を来てもらうこともできます。成果報酬制で請けてくれる人もいますので、企業向けの高単価な商材を扱っている場合ですと相性が良いでしょう。
2.社員のスキル向上を狙える
副業を禁止している企業様にとって、副業解禁することで社員のスキルアップも狙えます。
他の会社で単発のアルバイトをしている程度では難しいかもしれませんが、アルバイトと言えど他社の仕事の流れや雰囲気、ルールなどを経験し、他社で取り入れていることを自社に取り入れられるような仕組みを見て、副業で他社で働くことで視察もできる機会として活かすこともできます。
また、現在はクラウドワークスやココナラといったスキルを売り買いできるアプリ等もあったり、在宅で事務代行の仕事なども受けられるようになっています。自分のスキルを活かしてそういった他社の仕事をこなすことは仕事をしていく上で本来でしたら自社で学び、生産性や品質が向上していくものですが、それを会社が行わずとも他社の仕事を自分で受けて可能にする良いトレーニングにもなりますね。
このように捉えてみると、自社だけでなく他社の仕組ややり方、雰囲気を体験したり、経験を積みに副業を解禁してみるのも一つの価値ではないでしょうか。
副業禁止のルールがあっても、それがわかったところで処分した場合には企業側が罰則を受けるリスクもあり、法的には機能しないものと言えます。そして、物価高が生活費を圧迫している昨今、社員さんの立場としては収入を増やしたいと考える人も多いはずです。自社で相応の賃上げが難しいようであれば、就業時間外くらいは外で働くのを許可しないと賃金を理由に離れてしまう社員さんも少なからずいらっしゃることでしょうから、副業禁止のルールがあるようでしたら早々に見直しを検討された方が良いでしょう。
当然、自社の情報漏洩などのリスクもありますので、副業によって考えられる問題点への対処をしっかり行った上で副業を認めてみても良いのではないでしょうか。
3.複業人材を受け入れるための雇用形態
複業人材を活用するために、雇用関係法への適応は必須です。
例えば、業務の日時を明確に決めて、決められた時間内で働いてもらうような場合には原則として雇用と見なされますので労働条件をしっかり定め、決められた労働保険や、場合によっては厚生年金、健康保険にも加入し、適正な労務管理を行う必要があります。
一方、労働時間ではなく、「この仕事をこなしたらいくら」など、特に労働時間で管理するのではなく成果で決める場合には「業務委託」で依頼することも可能です。
業務委託の場合は、成果に対しての報酬を支払う形態で、人を雇って時間で管理して仕事をこなしてもらうのではなく、納期までに決められた仕事の成果物を納品してもらうという形で、労働時間で管理するものではありません。
そういった業務形態の方が適している場合には、雇用するのではなく業務委託にしていた方が各種社会保険への加入義務も無いため、同じ報酬でも社会保険料が不要な分双方の負担も少なくて済みますし、やってもらいたい業務を終えたらそれで終了です。
また、経営陣として意見をもらいたい場合や関わって欲しい場合には、非常勤役員になってもらうのも良いでしょう。
4.多様化する働き方、柔軟に対応していける体制を
昭和の時代からここまででも大きく雇用の形態が変わってきました。働き方改革による労働時間の上限の影響で、人材確保が課題になっている企業様も多いでしょうが、それを逆手にとって副業人材を活用するのも一つの考え方です。
有期雇用契約で一定期間限定で雇用することも可能ですし、1つのプロジェクトごとに業務委託で依頼することも可能です。
そういった優秀な人材を正社員として迎え入れようと思うと、年収1,000万円など、中小企業ではなかなか難しい報酬を支払う必要があります。
ですが、労働時間で縛るのではなく、一つのプロジェクトを進めて成功させるという仕事をこなすことの報酬としてであれば一時的に支出は大きくなるでしょうが、それもほんの数年で回収し、長期的に大きな利益を得ることも可能です。
例えば、以前参加したセミナーを主催するチイキズカンさんではこのようなプロフェッショナル人材の求人が掲載されています。
チイキズカン|地方企業と専門性の高い複業プロ人材を繋ぐマッチングプラットフォーム (chiiki-zukan.com)
セミナー会場でお会いした方の中には、元京セラグループの社員さんで、なんとあのJALの経営再建にも携わっていたという方も。
中小企業にとっては良いCFOとなってくれることでしょう。
現代ではこういった働き方も少しずつ広まっており、こういった人材の採用については企業側の受け入れ態勢がまだ整っていないために人手不足で「売り手市場(求職者側が有利)」と言われる現在でも「買い手市場(企業側が有利)」な状況です。
つまり、優秀な人材を今ならば低いコストで雇うことができるということです。
『人手不足』という現象も、業務の効率化を行いって人手不足を解消したり、業務の効率化を行い、人件費を削減することができた代わりに本当に人の手が必要な仕事については賃上げすることで解消することも期待できるでしょう。
このように働き方も大きく変わってきています。令和の時代に合った、自社の成長のために最適な人材活用について、見直しをされてみてはいかがでしょうか?