小川 洋平

上場企業から学ぶ!お金の不安を解決し、利益を爆上げできる「見える化経営」

こんにちは(^^)

経営者のキャッシュを増やし資産を増やす小さな会社の社外CFO、ファイナンシャルプランナーの小川です。

突然ですが、あなたの会社、銀行の担当者から今の経営状態や今後の展望について聞かせて欲しいと言われたとき、何をどのように説明しますか?

ちょっと読み進めるのを止め、考えてみてください。

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いかがでしょう?

この質問への答え方で銀行のあなたの会社への評価は変わります。

このときに求められる答え方は、決算書や直近の試算表を用いて説明し、現状と問題や課題とそれらへの対応、今後の展望を伝えることができていることなどを具体的に説明することです。

「言語化」「数値化」がとっても重要で、社長がこれができると資金調達を有利にすることができ、これができる社長の会社ほど業績も良好で強い財務体質を創ることができます。

今回はそんなキャッシュリッチな経営を実現されたい経営者さんに、株主の厳しい目に常に晒されている上場企業がどのように見える化経営を実践してるのかをお伝えします。

上場企業から学ぶ「見える化経営」

東京証券取引所(JPX)「資本コストや株価を意識した経営」に関する「投資者の目線とギャップのある事例」等の公表について:www.jpx.co.jp/news/1020/20241121-01.html

こちらには東証が上場企業に対し「もっと投資家の目線を意識した経営をしてね」という取り組みを後押しするための資料があります。

この中には投資家と企業のすれ違い事例、投資家の目から見た「良い会社」とは何か、実際に投資家の期待に応えてうまく経営改善をしている会社の取り組みを紹介されています。

つまり、「投資家にちゃんと評価される会社になるにはどうしたらいいか?」というヒント集のようなものです。

投資家から見て「応援したくなる会社」になるために、企業側がどこを改善するべきかの具体例を載せてくれた、というわけですね。

「でも、ここに乗ってるのって大企業の話でしょ?」 「うち、100%オーナーで投資家とかいないし・・・」

って思うかもしれませんが、多くの中小企業の経営者さんにとって、この株主にあたる存在が銀行です。

株主の厳しい目に晒されている上場企業がどのように自社の経営を見える化しているかを知り、自社でできることをまず取り入れてみることができれば銀行からの評価は大きく変わるでしょう。

そして、こういった経営を行うことでより具体的に会社の未来を思い描くことができ、それに向かう戦略も具体的に考えることができるようになりますので、そんな上場企業の取り組み等をご紹介していきます。

上場企業の取り組みの事例

上場企業は四半期に一回決算書を公表し、自社の現況等を説明しています。

これは株主に対してしっかり自社の状態を説明するためです。その会社がちゃんと儲かっているのか、その会社の安全性はどうなのか、投資家の立場としては気になりますよね?

ですので、上場企業は常に「見える化」が求められて情報を公開しているのです。

そして、株主からは厳しい質問や意見が寄せられます。

そんな企業が公開している情報と解説に対して、株主からの指摘はこのようなものがあります。

引用:www.jpx.co.jp/news/1020/mklp77000000lw4e-att/mklp77000000lw76.pdf

これは企業側が投資額に対しての利益率を高めるために、どのように現状を分析して今後どのような取り組みをするかという内容に対して、表面的にとどまり具体性が無くわかり難いといった指摘がされています。

現状分析と今後の取り組みや見通しが曖昧だと株主からこのような厳しい指摘があり、ここで経営陣が経営状態を数字で把握できていない、今後の見通しを語れないということでは投資対象として不適格と判断されてしまうわけです(^^;)

中小企業経営者がまず取り入れることは?

ただし、投資家目線では「投資したお金がいかにリターンを産んでもらえるか?」という点が重要ですが、銀行と付き合う上では「いかに確実に返済ができるか?」という点が大事で、安全性が最も重視されます。

また、規模が小さい会社はまずは小難しい財務指標の用語を覚える必要はありません。毎月の固定費がいくらか、変動費率がどの程度か、これらを把握し、何の売上が毎月どのくらいあって、利益がいくら残るか、収支はどうなるのか、算数ができればわかる程度でも良いのでしっかり把握し、解説してあげることがまず重要です。

しっかり必要な融資を受けることができるかどうか、有利な条件で受けるためにはまずこれらの当たり前のことをできるようにしておくことが大事です。

そして、もっと事業を大きくしたい、利益を大きくしたい場合には具体的に未来をどのように設計していくかが重要です。

そのときに参考になるのが上場企業の↓のような取り組みです。

資本コストや株価を意識した経営の事例

見える化経営の事例として、誰もが知る大企業がこのような事例を発表しています。

引用:www.jpx.co.jp/news/1020/mklp77000000lw4e-att/mklp77000000lyh0.pdf

こちらのリンク先の資料から掲載企業のレポートもチェックできますので是非ご覧くださいね。

株主から寄せられている質問に対し、今後どのようにしていくかを財務最高責任者であるCFOが回答しています。

難しい用語があり理解し難い部分もあるかもしれませんが、大事なことは

「言葉と数字でわかりやすく現状を把握し説明ができ、将来を語ること」

これが大事です。

中小企業の経営者さんが見倣うべきは、経営を見える化し、現状の問題や課題を明確にし、更なる成長と経営体質の強化のために何をすべきかをより具体的に考え、関係者にわかりやすく伝えられるようにしておくことです。

そのために、厳しい目に晒されている上場企業のこのような取り組みや、資料の作り方、株主目線でどのような指摘を受けているのかを学び、自社の現状把握や会社のこれからを語る際に活用していただきたいのです。

そしてこれは融資の際に役立つだけでなく、社員を雇う際などにも活用できます。

社員からしたら入社して頑張っていたらちゃんと自分の給料が上がっていく未来が見える会社に入りたいと思うのは当然ですよね?

いつまで勤めても給料があがらない、頑張りがどう評価されるかわからない、会社がどこに向かってるのかわからない・・・

こんな状況では人が来ないのは当たり前なんです。

経営状態を客観的に把握し、未来を語れる社長と一緒に仕事したいと思うのは当たり前ですよね。

良い人材ほど目先の条件だけでなくそういった未来を一緒に目指せるかを重視しますので、そのためにも経営の見える化は大事になります。

株価に明確に表れた違い

そして、上記のような取り組みをしっかりされている会社と、そうでない会社では株価に明確な差が現れています。

引用元:www.jpx.co.jp/news/1020/mklp77000000lw4e-att/mklp77000000lyh5.pdf

いかがでしょうか?自社の経営の見える化を進めている企業の方が明らかに株価は高く、スタンダード市場においては特に顕著ですよね。

これは株主目線でより現状と今後の取り組みをわかりやすく解説したことで株主からの評価を得ているということです。

現状の問題や課題をよりクリアにすることで具体的な解決策を考えることができますし、未来図が具体的で、より具体的であればあるほどやるべきことも具体的になってきますのでこういった結果に繋がるのです。

だからこそ経営者は財務諸表を読む力を身に着け、そこから今後の経営戦略を考える力が求められます。

こちらに掲載されてるような難しい財務指標を覚える必要もありませんし使う必要もありません。

まずは現状と今後やるべきことをしっかり数字と言葉にして経営状態を具体的に把握して未来を語ることです。

そして、社員にも堂々と決算書を公開して会社の業績と未来を語り、「私に着いて来てくればこんな未来が待ってますよ」と夢を見させてあげられればカッコいいですよね。

そして、もしもM&Aを考えているようであれば会社の価値の向上のために見える化は必須です。

会社の内部事情がブラックボックスのままですと買い手としては怖くて買えません。

しっかり見える化し、会社の価値を適正評価してもらうことで高値で会社を売ることができ、手元にお金を残すこともできるようになります。

銀行から有利な条件で融資を受けて安定した経営をするためにも、会社を大きく成長させるためにも、いい社員を雇い長く働いてもらうためにも、会社を高値で売却して大きなお金を手にするためにも、いずれにしても重要なことです。

そのために日々の毎月決算書を読みながらトレーニングし、 自社の価値を“見える化”して、経営者さんが望む会社を実現していきましょう。